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手抜き仕事が目立つ組織を「そこまでやってくれたの?」だらけの組織へ変えたいリーダーを囲む見えない壁。その正体は・・・

SPECIAL

チェーン企業のマネジメントの仕組み構築コンサルタント

株式会社ピアーズ

代表取締役 

マネジメントの仕組み構築のスペシャリスト。
これまで20年以上チェーン事業に身を置き、実際に15の組織のリーダーを務め、200以上の経営に関わり売上、利益を上げてきた経験を持つ。チェーン事業の売上が兆単位の企業や創業40年以上の歴史を持つ企業にさえマネジメント面の仕組みが1つも存在していない事に疑問を持ったことから、チェーン事業に共通するマネジメント面の仕組み構築方法を体系化。その効果は大きく、マネジメントの半ば自動化と質の向上により、クライアント企業は利益2~3倍増、業種によっては仕組み実装の初月から数値を跳ね上げさせる指導を展開している。

被害総額が35億円に上る強盗事件の逮捕状が出ている日本人4人の中に、指示役「ルフィ」がいる可能性があるとして連日ニュースが流れています。

驚きなのはフィリピンの収容所では、職員に金を払えばスマートフォンを手に入れることができ、中には6台のアイフォーンを所持していた人物もいたとのこと。 

 

このような事実に「そこの職員は何やってんだ、ありえないでしょ」と吹き出し、まるで他人事だと捉えてしまう人もいれば、一方で「いや、明日は我が身」と我が組織でもいつ、そんな脱線が発生するかもしれないと緊張感を持っている経営者もいらっしゃることでしょう。

いかに優れた組織であっても「脱線は起こらない」とは言い切れません。

これは組織のリーダーを長くご経験されている方ほど賛同いただけることでしょう。

 

脱線は様々あります。なかでも不正は凶悪ですが、経営者を一番困らせるのは、不正ほど悪質じゃないし、場合によっては何とかなっちゃうからと連発されやすい「手抜き」ではないでしょうか?

この手抜きは常に経営者を困らせます。毎日毎日口酸っぱく「ここまでやれて当たり前なんですよ」という合格ラインを説明し続けているのに日々、目に入ってくる光景には「なんでこの仕事、ここまでしかやってないの?」となってしまう妥協、いい加減、おざなり、やっつけの数々・・・。

「よしよし、言ったところまでうまくやってくれてるじゃないか!」・・・とは、なかなかならないものです。

よって結果を出し続けられる組織をつくらんとするリーダーとしての課題は「いかに脱線を少なく、かつ未然に防げ、合格点以上を連発し続けてくれるのか?」「そこまでやってくれたの?」だらけの組織づくりと言えるのでしょう。

しかしこれの実現は難しいです。なぜならそのゴールは、「努力」「継続」の延長線上には存在しないという性質を持っているからです。

そのゴールはまるで蜃気楼のようです。いくら長年同じビジネスを続けていても、または「こんなにお金をかけたのに」ということをしても、必ず実現するとは限らないからです。リーダーの中には「あらゆる手を尽くしてもダメだ」「何をやっても次のステージに進まない」「まるで見えない壁に囲まれているようだ」と感じている方もいらっしゃることでしょう。

このような状態は特に「自分に厳しく真面目なリーダー」ほど はまってしまうことが多いです。

ここで、そんなリーダーに1つお勧めしたいことがあります。

それは 見方を変える事

その見えない壁は存在するのではなく「自分で作り上げてしまった、ただのマボロシではないか?」と見る事です。

例えばその見方の1つとして挙げられるのが

 「そもそもマネジメントはリーダーの仕事なのか?

 

ここで、自分に厳しいリーダーからは 

 「この伊東ってヤツは何を言ってるんだ?」

 「マネジメントはリーダーがやって当たり前じゃないか!」

と憤慨される方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、こんなケースもマネジメントと言えるのではないでしょうか? 

例えば 友達同士の会話で

 「それはヤバイよ」「止めといた方がいいよ」

と言われた人が

 「そうか、・・ わかったやめるよ」

 

つまり「マネジメントに権力と地位は必須ではない」ということです。

 

自分の組織に不正が発生した場合、自分に厳しいリーダーであればこう考えてしまうのではないでしょうか?

 「私(リーダー)が何とかしなければならない」

 「まず再発防止をなんとかしてみよう」

一方、同じ状況で「マネジメントに権力と地位は必須ではない」という考え方があるリーダーはどうかといいますと「自分が動くべきか?」という選択肢の他に、更なる選択肢が浮上してきます。それは例えば

 「メンバー同士で不正の解決が図れないか?」

あるいは

 「メンバー同士で不正を未然に防ごうとなる組織が作れないか?」

などです。

その後の一手は、前者と違ってきます。

 「ではどうしたらメンバー同士で動けるようになるのか?」

その後の分かれ道の分岐点がまさしくこのスタートラインにあります。

そしてその数年後にはもしかしたら

 「自分がしばらく居なくても、メンバー同士でヤル気を高めあって結果を出せる組織をつくる事ができたぞ!」

となれるかもしれません。

この結末は、前者の数年後と比較すると大きく違う数字があります。

それは「利益」です。

なにせその組織が企業であった場合、一番コストがかかってしまう人件費のうちの特に一番高いリーダーの分が浮くわけですから、その差は全然違います。

 

私は何も「リーダーは動くな!」と一律に決定づけたいわけではありません。

リーダーがどう考えどう動こうが、その人が「これだ!」と選んだ一手ほど強力なものはないからです。

重要なのは、自分の求める範疇外にも、もしかしたら「それもアリだな」という良い選択肢が存在しているかもしれない ということです。

良い結果を出せているリーダーには、いくつかの共通点があり、その中の一つに

「そうか、その手があったか!」と今まで自分が気が付かなかった選択肢を見つけられたという点があります。 

 

そして注意しなければならないのは、組織内にはこんな方もいるかもしれないということ。それは「リーダーが真っ先に動く状況を大好物としている人」。

それはどんな人なのか?・・・これは深くご説明せずともお気づきの事でしょう。

困ったことに、そんな人達はリーダーが忙しければ忙しいほど良からぬ事を始めたがります。当然その良からぬ行為によって良からぬ結果は次々と生み出されていきます。

それを発見したリーダーはまた「私がなんとかしないと」と動きます。

やがて組織内にはリーダーが知らず知らずのうちにこんな「流れ」ができ上がってしまうかもしれません。

 「リーダーを困らせるほど自分は楽ができるぞ!」

これを言い換えれば

 「悪事に手を染めるほど報酬が増していく」

です。

 

もし、自分の組織が「みんな『自分が何とかしないと』と考える人達ばかり」

そして「長らく前進できない状況。まるで見えない壁に囲まれているようだ」という状況でしたら、見方を変えてみてはいかがでしょうか?

そこにあるのは壁でも何でもない、ただのマボロシかもしれません。  

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