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悪い社風、良い社風は、何によってつくられるのか?そして、社風は変えられるのか?

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

この日の食品メーカーF社のコンサルティングは、訪問しての開催です。
そして、それを終え食事に行く時間になりました。F社長が片付けをしている間、私は、事務所の空いている椅子で待たせてもらうことにしました。

向こうのテーブルでは、4名の社員が打ち合わせをしています。全員真剣な表情です。
一人の社員が、コートを着始めたF社長を捕まえ「承認がほしい」と言っています。
タクシーが来ない、とのことで50代の部長が送っていくことを申し出てくれました。「自分が一番暇なので」(笑)

この会社には、何とも、良い社風があります。
今のこの様子からは、4年前のF社のひどい有様を、全く想像できません。


私は、多くの会社を訪問してきました。
それぞれの会社には、それぞれの雰囲気があります。
そして、その良し悪しは、少しの時間そこに居るだけで解ってしまうものなのです。

其々の会社が、其々の社風というべきものを持っています。
ある会社は、良い緊張感に包まれています。そして、お互いを気遣いながらも率直な意見を言い合える社風を持っています。
ある会社には、職場全体に、何か浮ついた感じがあります。上辺だけのコミュニケーションが横行しています。そして、決めたことの不実行が多くあります。

いくつもの要因があり、その社風が形成されています。
事務所の壁紙の色や日当たりも、それに影響を与えます。また、その土地や建物が持つ氣もあります。そして、やはり最大の要因は、そこにいる「人」になります。
そこで働く人達の個性や気質、そして、感情がそれを作り出します。

社風に影響を与える強度は、やはり「人」によって違います。
その最大の影響力を持つのは、やはり「社長」になります。
社長の態度や志向性により、社風は決定付けられるのです。

いえ、これは正しくありません。「社長」の影響力は確かに大きいものの、それが最大ではありません。最大の影響力を持つのは、「社長とその取巻きの関係」になります。

社長とその役員、社長と奥様、社長と管理者衆、それらの取巻きとの関係によって、社風が出来てくるのです。

社長が専務を強く責めれば、社員もそれを見て萎縮します。そして、専務同様に、彼らも身を守るために、発言を控えるようになります。

管理者の不実行や会議の遅刻を、社長が注意をしません。その本人もそれを悪いと思っていないようです。社員はそれを見ています。そして、自分の規律を緩めることになります。

逆も然りです。

売上げが落ちました。社長は、営業部長と共に状況を分析し、対策案を立てます。そして、社長は、営業部の会議に同席し、営業部長の話を黙って聞いています。そんな社長と営業部長の関係に、社員は安心と信頼を寄せるようになります。

社員は、社長とその取り巻きの関係や距離感を観ています。
意見を述べる時の彼らの表情、そして、それを受ける社長の態度、結論が出なかった会議の後の集まり具合など、それらすべてを観ているのです。

そして、多くの社員は、その関係に倣っていきます。そこに自分なりの解釈を加えることで、その答えを補強していきます。その結果、そのような社長とその取巻きの関係と同じものが、社内全体に拡がることになるのです。

社風は何によって形成されるのか、「社長」ではありません。
「社長とその取巻き」の関係によってつくられるのです。

では、社風は変えられるのか?
イエス、社風は変えることができます。

社長と取巻きの関係性で社風がつくられるのであれば、その関係性を変えることで、その社風を変えることができるのです。

4年前のF社のそれは、本当に悪いものがありました。
事務所に入った瞬間、その雰囲気の悪さを感じたことを覚えています。そこに居る社員の目には力が無く、覇気もありません。社員同士の会話は、ボソボソと話す音量で、どこかコソコソとした印象を持ちます。
事務所全体に、暗雲が立ち込めているような感じがします。

その原因は、すぐに解りました。
事務所の奥の机にF社長が居ます。座るF社長が、立っている50代らしき男性に、厳しい表情で話をしています。その横で、社長の奥様が下を向いて仕事をしています。

これが、社風の悪さの原因です。
私が応接室に着くと、F社長がにこやかに入ってきました。

ここで私の見解や苦言を、申し上げることはありません。
私がやるべきこと、すなわち、コンサルティングでやることは決まっているのです。
事業モデル、仕組み、そして、組織。それをつくっていくだけです。

当時のF社の年商は6億円でした。4年が経った今、年商は11億円になっています。
この4年間で、強い事業モデルが出来上がっています。また、仕組みで回る会社になっています。社長は、完全に現場を離れられている状態です。
そして、社員の手で仕組みの改善が続けられています。

年商数億円から年商10億円に進む時に、すべてが変わります。
そのなかに、社風も含むことになります。

その社風の変化は、これら構築の進捗と共に起きます。それも、完全に相関した状態で起きます。

事業モデルが出来ると、受注がスムーズに出来るようになります。お客様から必要とされるようになるのです。営業担当者も製造担当者も、そこに喜びと自信を持つようになります。

また、案件の見える化など仕組化が進むと、社員同士のコミュニケーションが増えることになります。助け合うこと、協力し合うことができるようになるのです。

そして、経営計画書や方針書の整備が進むと、社員が自分達で判断できること、そして、自分達で完結できるケースが増えるのです。

社員が活躍できる環境が整っていくのです。それに合わせ、社員の表情、社員同士の関係性も、良いものに変わってくるのです。

この社員の変化の様子は、すごくエキサイティングで、アメージングなものとなります。

事業モデル、仕組み、組織を作り変えるから、会社も変わるのです。
そして、この変化の中心にあるのが、社長とその取巻きなのです。
全社の変化と共に、その関係も変わっていくのです。
その社長と取巻きの関係の変化が、社内に強烈なメッセージを発することになります。


確かに、その関係性が変わる前に、社長が変わったことに間違いはありません。
その社長の変化も、仕組みの整備と共に、進んでいきます。

多くの社長は、この過程において、それを自覚することはありません。
「自分が変わったな」と思うのは、一年も二年も先のことです。

しかし、その社長の側にいる人、その社長の影響を一番に受ける人、そして、その社長を一番観察している人達には、それはすぐに解ることになります。
専務、奥様、管理者は、社長の態度や発言、そして、思考の変化にすぐ気づくことになります。そして、徐々に自分の社長に対する態度を変えることをします。少し率直に意見をしたりして、試すのです。社員は、またそれを見て倣っているのです。

良い社風は狙って作ることができます。
率直な意見がどんどん出る、社員同士がお互いを気にかけ助け合う、和気藹々と頑張る社風、それはつくれるものなのです。

その時に、間違っても直接的に社風をどうこうしてはいけません。
暗い雰囲気、消極的な姿勢、それらに向かってはいけません。社員研修や組織サーベイ、どこかのコンサルタントがもってくる「組織改革プログラム」など、全く効果がありません。
それは、本質では無いのです。

また、自分を変えようとするのも、遠回りです。
自分と取巻きとのコミュニケーションを変えるために意識することや、そのスキルを学ぼうとしてはいけません。そういうものは、大概続かないものなのです。
そして、本当の意味では、社長も会社も何も変わらないのです。

社風も、社長とその取巻きとの関係も、社長自身も、すべてはその取組みによって変えられるのです。事業モデル、仕組み、組織です。

強い事業モデルがある、仕組みで回っている、成長組織がある。この状態にある会社で、社風の悪い会社は無いのです。

逆に、事業モデルが良い、仕組みで回っていない、組織が無い。この状態で、社風の良い会社も無いのです。もし、存在したとしても、その状態は長くは続かないのです。

本当の会社には、本当の社風が宿るものなのです。

 

 

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