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社長、御社の「商品会議」では、ヒットは生まれません。

  商品リニューアル 古崎千穂 SPECIAL
古崎千穂 SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング 代表 古崎千穂

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

メーカーに勤めていた頃、月に一度「商品会議」がありました。前々職の年賀状やブライダルカードを作っていた印刷メーカーでは、新しいデザインの検討会がメインテーマ。前職の洋菓子メーカーでは新商品やリニューアル商品の試作お披露目がメインテーマとなります。

会社によって名称は異なりますが、購買部門、製造部門、営業部門、商品開発部門、デザイン部門などが集まり、売上実績、推移などを見ながら、季節商品の提案、従来商品の続投商品や中止、休止。新商品やリニューアル商品の提案など、たいてい半年〜1年先の商品構成を検討していきます。試作品を実際に見て触れる、試食するなどして、商品ラインナップを整えてゆきます。

商品会議は、様々な事業部門から俯瞰して構築する「商品戦略」の場であり、売上に直結する非常に重要な会議です。当然、商品戦略がお客様に受け入れられるか、を検討していくわけです。が、実際に会議でスポットがあたるのは、部門ごとの「できない理由」です。例えば、

製造部門であれば、

「原材料が高騰し合わない」

「生産効率が悪い」

「人が足りない」・・・

販売部門であれば、

「店に置けない」

「店で売りにくい」

「特別対応はできない」

などなど、具体的な現場の状況を列挙し、最終的には「うちの(部門)では無理」という表現がそれぞれの事業部長の口から出ることとなり、結果、昨年の延長線上にあるような、代わり映えのない商品ラインナップに流れてゆくことが多いものです。

これらは「経済合理性」という大義名分で、正しい意見のように聞こえてきます。事業規模が大きくなればなるほど、関わって来る部門も人も増えてきますので、ますます社内の経済合理性が叫ばれ始めます。しかし実際にはこれらは「社内の理屈」であり、顧客の立場からみれば「へぇ、だからどうなの? 関係ないわ」という程度のことです。

商品会議とは何か。弊社のコンサルティングでは、商品会議は「顧客会議」である、と定義しています。

売上が伸びない、

数字が落ちている、、、

この問題の原点はどこにあるのでしょうか。

社内の財務、マーケティング、経営戦略、組織力の問題でしょうか? それとも、デフレ経済、人口減、超高齢化、マーケット縮小が原因なのでしょうか?

マーケティングの教科書に出て来る、いちばん易しい売上の方程式があります。

売上=単価×販売数」というものです。ほんとうに単純、そして当たり前の方程式です。しかし、この方程式をじっくり見つめてください。この「販売数」とは、乱暴に言ってしまえば「売った数」です。もしかしたら会社が強引に「(顧客の気持ちを無視して)売った数」かもしれません。つまりこの方程式は「売り手視点」で表現されているのです。

マーケティング塾をはじめ、ビジネススクールが活況の中、わたくしたちは、いつの間にか「企業視点の表現」に慣れ親しんでいます。こうした考え方に疑問を感じることもなく、当たり前のように慣れて親しみ、共感しているのです。知らず知らずのうちに「売ってあげる」の姿勢になっている、のではないでしょうか。

そもそも、売上とは「売り手と買い手」がいて、双方が納得して手をつないだ結果生まれるものです。この方程式を「買い手」視点で再定義してみましょう。

売上=単価×お客様が買ってくれた(購入してくれた)数

となります。この方程式が教えてくれるのは、売上減は「商品サービスをお客様が買ってくれない」。つまり「お客様が欲しくない」と言っている、ということです。

ここからが真の「商品会議」の本題です。では、お客様に買ってもらえない理由は何のか。マクロ環境から半径5メートルの普通の生活感覚を点検し、仮説、検証、改善することが要請されています。

商品会議の進め方を点検してください。日々変化しているお客様心理を起点に会議を進めているでしょうか? 会社の都合や理屈はお客様には関係のないことです。商品会議の主役は「商品」でも「事業部門」でもありません。常に「お客様」なのです。

真に売上を伸ばすと決めたならば、従来何気なく描いていた会社視点の「方程式」を作り直してください。お客様を主体とした、本質的な方程式を社長がしっかりと心に刻みつけてください。

商品サービスが売れない、商品サービスに付随するイベントをやっても人が集まらない、ECサイトを作ったけれど思うように売れない、、、これらの「売れない」「集まらない」を“お客様コトバ”に変換すれば「買わない」「要らない」「行きたくない」です。会議で早急に検証すべきは、お客様の「買わない」「要らない」「行きたくない」というアクションについての対応策です。

お客様の欲求はどんどん進化しています。競合他社が知恵と工夫でモノやコトをリリースし、良質な商品サービスで飽和しているのが今の時代です。お客様の五感は磨かれています。スマートフォン端末でラクラク検索する時代だからこそ、世界中のから情報と知識を蓄え、判断の基準、判断の眼を磨きあげています。

商品会議は顧客会議そのもの

御社のお客様をイメージしながら心をひらくオープンな雰囲気こそ、商品会議の真の姿です。

会議の席で「正直、今のお客様が何を欲しているのかわからない」そう爽やかに言いあえる雰囲気が御社にはありますでしょうか?分厚い資料、眉間に縦皺、社内都合を検討し合う会議だとしたら勿体無いことです。商品会議を、お客様の立場でリニューアルすることが求められています

 

【社長直轄】商品リニューアルの着眼点
古崎千穂

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング代表

古崎千穂

執筆者のWebサイトはこちら https://rbnc.jp/

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