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コンサルの私が海外に行く理由を述べよう

鈴木純二
SPECIAL

顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント

ベルケンシステムズ株式会社

代表取締役 

顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。

鈴木純二

当社ごとですので恐縮ですが、先週台湾に行ってきました。今年は1月に米国、4月にドイツ、6月に台湾、という半年で3回のハイペースで海外に行ってきました。これらすべて、お客様からのご依頼である調査をこなしつつ、海外のトレンドをつかむことも目的としています。

「こんなに頻繁に出かける価値があるのか?」というご指摘を受けるかもしれませんが、その理由を少し述べたいと思います。決して言い訳ではありませんし、遊びに行っているわけでもありません。逆に事情が許せばもっと出歩きたいとも思っています。

私が海外に目を向けている理由・・・それはいくつかありますが、まずはこれでしょう。

「我々は国内ばかり見ているのではないか?」

この疑問が一つの理由です。以下は完全に私の持論ですので、経済の専門家の方からはお叱りを受けるかもしれません。バブル突入前夜に相当する時代に社会人スタートを切った我々の世代は、高度成長期の最終世代だと思っています。私の親の世代は戦後の混乱期から高度成長期に至るまで、一貫して海外に活路を見出してきました。おそらくそれは、資源が少ないことと国内は成長過程であろうともボリューム的にはアメリカを中心とする海外の方が伸びしろがあったからだと思います。

ところが、それがバブルに突入すると「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと称され、「どうやら我々は世界的にも一流らしい」という誤解をし始めてしまいます。さらにアメリカとの経済摩擦の途中で「日本はとにかく内需が伸びていない。」という強い圧力もかかり、内需拡大に向けた政経済界の大きなかじ取りがあったのも、このころです。

何事も1つの方向に走り始めると全員一心不乱にその方向を向いてしまうのが日本人の性です。内需を拡大するために国内にきちんと売れるものやコトを考えるようになりました。輸出ファーストだったマインドが国内ファーストに切り替わっていったのだと思います。最初はそれでもよかったのですが、これが行き過ぎてしまった。さらにその行き過ぎを是正できないまま、10年、20年も放置されてしまった。その間、携帯電話に代表されるようなガラパゴス化も起きてしまって、しかもそれに気が付かなった。こういった事象が日本のそこらじゅうで蔓延してしまったのだと考えています。しかも、そのベクトルはいまだに修正されていません。モノもコトもその市場を海外に求めている会社は一部ですし、文科省の統計によると海外への留学生の数も2004年をピークに漸減傾向ですので、若い人が外に出ていく機会も減っています。

こんな状態がこれからも続く様であれば、国境を感じることなく活躍しようとしている世界中の国と競争することなどできず、さらなるガラパゴス化を助長させるだけです。日本国内のためのユニークな商品が開発されるのであればまだましで、下手をすると井の中の蛙状態となり、海外から強力な商品が入ってきたとたんに国内市場を荒らされる状態が続きます。IT系では、もう取返しが付かないぐらい海外にやられてしまっていることが何よりもこれを証明していると思います。

そして、私が海外に出たいと思うもう一つの理由。それが・・・

「限界レベルの更新」

です。意味が伝わりにくいと思いますが、要するに「どこまでやれば現時点での限界と呼べるのか?」の更新です。例えば自動車の自動運転についてです。国内では最近ようやくレベル4の自動化の一般道稼働が始まったことがニュースになっていましたが、進んでいる国ではすでに自動運転タクシーが配車アプリで迎えに来てくれるところまで到達しています。これも少し誤解すれば「日本も諸外国と肩を並べている」と認識してしまいがちですね。ドローンの実用化についても然りです。

国内では様々な法規制があって、少しずつしか進んでいませんが、そんなことはお構いなしの国ではやりたい放題になっています。もちろんリスクは存在するわけですが、ビジネスになりそうならなんでもやるし、なんでもできる舞台がある国では試行錯誤の繰り返し速度が信じられないぐらいの速さになります。その感覚を肌で感じることが、この「限界レベルの更新」です。

当社のコンサルティングのポリシーである「顧客接点改革によるカスタマーサクセス」も、そのツールである様々なテクノロジーはとんでもない速度で進んでいますし、今話題の生成型AIなどがもう少し発展すれば数年前には「当分実現不可能」と思われてきた顧客接点改革が簡単にできてしまうでしょう。それもおそらく数か月のうちには、です。そのような肌感覚で得られる・体感で得られる無形の情報を仕入れ続けなければ、感覚を研ぎ澄ますことができませんし、お客様に良いコンサルティングを提供できません。

以上のような背景があり、「出かけられるのであれば無理をしてでも海外に出る」というモチベーションが生まれているのです。

そうは言っても半年で3回は少しオーバーペースで、お客様にご不便をおかけしていることもあるので、今後半年ぐらいは少しペースを落とすつもりですが、やめるつもりは全くありません。皆さんからはうらやましがられることもあるのですが、もし私が海外で仕入れた情報が少しでも価値がありそうなら、ぜひお声がけしていただきたいと思います。御社のために情報や感覚を仕入れに行ってきますので。

 

 

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