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第4話 社長の「こだわり」が「マネジメント」を活かす

SPECIAL

プラチナ社員づくりコンサルタント

株式会社園田コンサルティング

代表取締役 

労使交渉1千回以上の実績から、社長と社員の夢を一体化する仕組みを体系化、「プラチナ社員づくり」コンサルティングを行う注目のコンサルタント。ブラック社員をつくらず、社長の夢に共感して一緒に働いてくれる社員を独自の対話方式で生み出す仕組みづくりは、人手を多く活用する企業から熱い支持が集まる。

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「ソノダさん、私が安心して仕事に取り組むことができたのは、何にこだわって仕事するのか、日頃から示して頂いたからなんですよ・・・」

ー前職にあった時に部下から言われた言葉です。

マネジメントを担う立場になったとき、私自身が一番大切にしていたことが、「何にこだわるのか」を組織全員で共有することでしたから、それが当時の部下にしっかりと浸透していたことを知って、嬉しさと自信が込み上げてきた瞬間でした。

振り返れば、当時の現場は、日々が即断即決の連続でした。一瞬の判断の遅れや誤りがオペレーションの停滞・混乱に直結し、顧客に大きな損失を与え兼ねない事態と常に隣り合わせでした。

そこで、「緊急事態が発生した時にこそ、余裕を持って正しい判断ができるよう、常日頃から業務の無駄取りを徹底し、卓越したオペレーションを実現しよう」という「こだわり」を組織に発信し、皆で共有していました。実はこの「こだわり」には、それを持つに至った背景がありました。

というのも、当時の現場の社員は、どんなに些細なことでも管理部門のスタッフを頼りにしきっていたのです。例えば、当該スタッフが緊急事態で手に汗握る瞬間にも、「A会議室ってどこ?」「あの資料どこにあるの?」「明日、俺、仕事あるの?」といった自分で調べればわかるような質問を、何の躊躇もなくスタッフに投げかけて、度々、スタッフの思考を中断させ、一刻を争う判断の邪魔をしていたのです。

更に悪いことに、管理セクションの判断が常に混乱していることに乗じるブラック社員もいて、当該スタッフに対して、不条理な要望を突きつけてきたり、勤務指示になかなか従わなかったり、自分の意のままに、好き嫌いで仕事を取捨選択するワガママを許していたのです。

こうした事態を踏まえて、本来なら対応しなくてもいい無駄な仕事のために、大切な社内資源を奪われて、オペレーションが混乱・停滞しているという確信に至り「常日頃からの無駄取り」を「こだわり」として発信・共有したのでした。

その後、この「こだわり」は、管理部門のスタッフを中心に、「スタッフ頼みからの脱却→スタッフ業務の無駄取り→見える化の徹底→情報共有に主眼をおいた施設設備の見直し→社員の経営参画意識の向上」と、具体的な改善策に形を変えて展開されていきました。

「何にこだわるのか」を発信・共有することにより、社員は安心して(何を優先させ、何を優先事項に従属させるかの判断に迷わずに)、自律的に課題解決できたのです。

「こだわりを発信・共有する重要性・有用性」に気づいた私は、多くの組織では形式的に済ませがちな事業計画説明会や、それに基づく人事目標面談といった機会も、「会社としてのこだわり」「現場としてのこだわり」「社員一人ひとりに期待するこだわり」を共有するための絶好のチャンスとしてフル活用しました。

更に、どうすれば「こだわり」をわかりやすく伝えることができるか、どうすれば事業計画説明会で社員が居眠りをしないか、どうすれば社員同士がお互いに尊重しながら自由闊達に意見を出し合えるかといった、プレゼンテーション方法やコミュニケーション方法についてもとことん追求していきました。

「こだわり」は、社員に伝わって腹に落ちてこそ、形になるからです。

そして現在、弊社は、コンサルティングをさせていただくに当たり、まず、「こだわり」や「こだわりを社員と共有すること」に対する、社長自身の覚悟を見極めるよう努めています。

「こだわり」がまず先にあれば、それを実現するための各種マネジメント手法は、自ずと取捨選択され、本当に有効な打ち手が見えてくるからなのです。

「こだわり」があってこその「マネジメント」なのです。

「ウチの社員は本当に仕事に対する”こだわり”がないんだよ・・・」ー自分自身が「こだわり」を持たず、たとえ持っていても社員にわかりやすく説明していない社長ほど、こんな風に現場を見ているのではないでしょうか。まさしく、「この世は、我身の合わせ鏡」と言えるのです。

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