社員教育の前に「しくみ」を作れ
「いいから、ここに止めろ!」
昼食のために、あるレストランに入ろうとしたときに聞こえてきた怒鳴り声です。続いて…、
「社長、ココはまずいですよ。ここは身障者用の駐車スペースです」
どうやら、どこかの会社の社長と社員のやり取りのようです。身障者用の駐車スペースは店舗の出入り口に近く、スペースが広く取ってあるため利用しやすいです。それは身障者や高齢者、けがをしている人などのために設置されています。決して健常者のためのものではありません。法律で決まっているわけではありませんが、こんなことは常識とかマナーです。
しかし中には、どう見ても健常者が堂々と身障者用駐車スペースに車を止めていることがあります。もっとひどいのは、健常者が身障者マークをつけて、車を身障者スペースに止めていることです。どういう神経なのか、ちょっと普通ではないような気がします。
皆さんも、郊外のスーパーなどに買い物に行ったときに目にするでしょう。普通に良識のある人なら、身障者用スペースに車を止めることはありません。
「こんなことを大げさにしなくてもいいじゃない」と思われるかもしれませんが、民度の低さというか、良識の欠如というか、みっともない光景です。
企業経営でいえば、社員のレベルが低いとか、教育不足とか言えるでしょう。このような社員がいるということは、その会社は「フェーズが低い」と言えます。冒頭の会社でいえば、社員より社長の方が、フェーズが低いです。
-フェーズというのは「段階」とか「局面」と訳されます。ここでは「会社や社員の成長度合い」ととらえてください-
経営者だからと言って、フェーズが高い人ばかりではありません。民度が低かったり、良識が欠如したりしている人がいます。冒頭の社長がその典型でしょう。そのような社長でも、売上を上げている会社はあります。
「売り上げが上がっているならいいじゃない!」と思われるかもしれませんが、当社としては「それでいい」とは言いません。なぜならば、その売り上げは、いずれしぼむからです。もしくは、悪くすると爆ぜてなくなってしまうからです。
フェーズが低い会社は、社員に無理を強いて売り上げを上げています。しくみとか戦略とかはありません。社員にノルマを課し、ハッパをかけ、社員の尻を叩いて売り上げを上げています。
そのような会社の行く末は、倒産とか消滅です。かつてノンバンクが一時代を築いていましたが、世間のバッシングを受け、法令が変わったことにより、多くの会社は消滅しました。これは極端な例ですが、根っこは同じです。
フェーズが低い会社の問題点は、同じような程度の低い問題が、堂々巡りのようにやってくることです。会社を経営していれば、常に問題は起きます。しかしその問題にしても、程度の低い問題と高い?問題があります。
かつて、ある居酒屋チェーン店のオーナーから、こんなことをきいたことがあります。
「社員同士が店の厨房で喧嘩を始める。お客様の前でも喧嘩する」
「ひどい時は、包丁を持ち出して喧嘩する」
「注意しても、また同じことが起きる」
居酒屋の社員のフェーズが低いとは言いませんが、この居酒屋チェーンの社員は、そう言えるでしょう。
このような問題が堂々巡りのようにやってくると、社長はその問題解決に東奔西走しなければなりません。本来は「経営」をしなければならないのに…。
売上を上げて、会社を大きくすることは間違いではありません。そのために会社経営をしているのですから。しかし、だからと言って、売上を上げるためには、どんなことをしてもいいというわけではありません。社員に無理なノルマを課したり、ハッパをかけたり、尻を叩いて売り上げを上げているようでは経営とは言えません。
社長は、しくみを作って、そのしくみの上でビジネスを行う必要があります。社員教育が重要という経営者の方がいますが、社員教育はしくみの上でしか効果は発揮できません。しくみがあってこその社員教育です。
もし、あなたがショールームや展示会で成果を出したいと願っているのなら、先ずはしくみを作ってください。しくみを作れば、社員のフェーズは、おのずと上がってきます。しくみをつくらずに社員教育や研修を実施しても、効果はほとんどありません。
当社は、ショールームや展示会を活用して売上を上げるための、しくみ作りをお手伝いしています。
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