親から子への経営交代は業務改革・人事改革の好機

今日は親子経営企業の強みを活かし最強の経営スタイルを得る理由の5つ目の話。
【経営交代は業務改革・人事改革の好機】
親から子への経営交代は創業者から2代目へなら30年〜40年くらいになるのではないだろうか。2代目から3代目への経営交代は親子互いの年齢を考慮すると、20年〜30年になるようだ。
企業にとって経営者が代わるということはとても大変なことで大事なこと。同族企業でない一般大手企業なら10年~20年くらいで経営者が代わることが多い。なかには、サラリーマン経営者ではあるものの、長期政権になるケースもよく見られる。
企業にとっての外部環境は年々変化が激しくなっている。よって、それぞれのビジネスモデルの耐用年数も段々短くなっているように思われる。そのような環境のなか、企業にとって経営者の交代は事業の改革、人事の刷新の好機といえる。
特に親子経営企業にとっては30年、40年に一度の経営交代はまさにビッグイベントといえる。先代が行ってきたビジネスモデルが経年劣化を当然起こしている。先代とともに頑張ってきた役員、社員も古参となっていることだろう。
先代が人事を含め事業の見直し、改革を自らの手で行うことは極めて難しい。経営交代を好機と捉え、後継者が事業改革、人事の刷新に取り組まねばならない。
今のような時代になると、ビジネスモデルの経年劣化のスピードはますます想像以上に速くなっている。先代が懸命に築き上げてきた事業が、ここのところ業績が停滞気味となり、ややともすると右下がりになりつつある。
こういうタイミングで親から子へ経営交代するというケースは多い。後継者にはまことに荷が重い話であるが、経営を引き継ぐからにはやるしかない。ここは腹をくくってビジネスモデルの改変、改革に取り組む他ない。
年が若く、経験が少ない後継者にとって、親から経営を引き継ぐだけでも大変なことなのに、先代が長年やってきた事業を改変、改革していくことは至難であるに違いない。やらねば会社が潰れてしまうのだからやり抜くしかないのだ。
さて、後継者がリーダーシップを発揮し事業の見直し、洗い出しを進めていこうとすると、思わぬ問題に直面することになる。それは、社内のそこここに抵抗勢力が姿を現し、なにかと後継者のやることに横槍を入れてくることだ。
後継者にとって抵抗勢力とは、身内親族社員と古参社員、そしてなにかと声が大きい社員だ。身内親族社員は自分は他の社員と違うという身内意識と甘えからくる特権意識を持っている。そして、古参社員は自分は古くから会社に在籍し知識と技術に自信を持っており、自負がある。
さらに、声がやたらと大きい社員というのは、部署において何事にも意見をはっきりと言い、自然とリーダーだと思われている社員のことだ。厄介なのは彼の意見がいつも正論とは限らないということ。
彼ら抵抗勢力は、先代経営者にとっても、実は同じように抵抗勢力であったに違いない。ただ、先代経営者と彼らとは、互いの関係性を上手く保つことができてきたのだろう。後継者が経営者となることで後継者と彼らとの関係性は一転、微妙に変化することになる。
彼ら抵抗勢力と思われる社員は役員、部署長など重責に就いていることが多い。後継者が経営者となることで、彼らを含め人事を刷新することが必要となる。親子経営企業といえども、人事の刷新はそう簡単にできるものではない。
親から子への経営交代という、親子経営企業にとってトップが変わるという30年、40年に一度という機会を、人事の刷新、事業の見直し、業務の改革等の好機として欲しい。後継者はこの好機を見逃してはならない。
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