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人件費からAIのトークン費用への大幅なシフトを考える

鈴木純二
SPECIAL

顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント

ベルケンシステムズ株式会社

代表取締役 

顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。

鈴木純二

この話は奥が深いのと、「採用や処遇」といった会社や人間の経済的な基盤を揺るがす問題なので、詳しくは専門家に任せないといけないとは思っていますが、あまりにも動きが急激なので、私達一般の会社でも、否が応でも考えなければならない問題だと考え、ここに問題提起したいと思います。(最後まで読んでいただいても、おそらく解は得られません)

このお題目ですが、簡単に言えば、

社員にAIをどんどん使わせて、社員の生産性を高められるか?

社員の代わりにAIを使うことで、人件費を減らすべきか(減らせるか)?

ということがごちゃ混ぜになっているタイトルです。この、全く整理されていない「ごちゃ混ぜ感」が、現在いかに混乱しているかを物語っていますね。

まず、この問題を考えるための要素を列記してみます。

AIは利用するとトークン費用がかかる(わずかな利用であれば定額プランの中で使えるでしょうが、企業でがっちりと使うとおそらく従量制の課金体系になり、青天井の金額になります)

人が足りないなら、AIを使って合理化すれば良い

業務を合理化した分の人は減らす

業務を合理化した分は、社員の生産性向上に回れば良い

主立った要素はこの程度かと思いますが、ここには、「生産性」「人材活用」「雇用」「経費」の少なくとも4つのパラメータがごちゃ混ぜに含まれています。これらを考える上で参考になるのが、経営判断が極めて早いアメリカの大手テック企業での事例です。

NVIDIA:社員の基本給の半分の金額に相当するトークンを給与に上乗せで支給する、という構想をCEOが表明。「これを消費しないようでは社員として失格だ」との趣旨の発言もあったそうです
Uber:エンジニアにAIコーディングツールを配布したところ、年間の総予算をわずか4ヶ月で使い尽くした
マイクロソフト:きちんと働いている人はトークンを使っているはずだ、と考えたが、一日で高額なトークンを使う社員が出現したため、利用に制限をかけた

いずれも巨大企業ではあるものの、なにやら冗談のようなことも発生しているわけですが、これらの陰で、大規模なリストラ・レイオフが進行していることにも着目しなければなりません。その規模はテック業界全体で、今年すでに12万人を超えたとの集計もあるそうです。さらに、このようなテック企業の「右往左往」ぶり?に、学生達も不安や不満の声を上げていることは、報道の通りです。これでは安定した職に就けるかどうか全くわかりませんので、文句が出てくるのも当然でしょう。

以上の話は、書いていても結論が何も得られず、意見を集約することさえできず、私としては私の頭の中の混乱も含めて今回さらけ出す、という暴挙に出ていることを皆さんに証明しているようなもので、お恥ずかしい限りです。それは平にご容赦願いたいと思いますが、さて、この混乱ぶりを日本の中小企業に当てはめた時に何が言えるでしょうか?

世界的にまれに見る少子高齢化社会が急速に進行し、すでに人の採用が難しくなっている話も聞きます。
AIの積極活用によって、人件費を減らそうと必死になっている社長もいます。
自分の仕事がAIに取って代わられるかもしれない、と心配している社員もいます。

そんな中で、本コラムのタイトルの様に、「人件費からトークン費への予算のシフト」などが本格的に起きるのであれば、このカオスとも言うべき混乱がさらに助長されることは間違いないですね。しかし、このトレンドはおそらく急速に拡大してゆきます。誰にも止められないものだろうとも思います。

しかしです。会社としては、人材とAIの両立を狙うしかないので、「社員に心配させないようにAIを入れていく」しかありません。つまり、それを社員に理解してもらって、安心して仕事に励んでもらうようにするためには、AIの活用をどう評価するのか、AIに業務を任せた後の社員の役割や処遇をどうするのか、という課題を避けて通ることができません。だからこそ、

AIエージェントの活用拡大は、人事制度の変革なくして進めることはできない

ということになると、私は考えています。

皆さんはどうお考えになりますか?(答えはありません)

 

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