消費の二極化と多店舗展開

  フードビジネスの多店舗展開 坂本和彦 SPECIAL
坂本和彦 SPECIAL

フードビジネスの多店舗展開コンサルティング

合同会社フードビジネス多店舗展開研究所 代表 坂本和彦

フードビジネスの多店舗展開に特化した専門コンサルタント。3店舗を越えて本格的なビジネス展開を目指すとき、必ず手を打たなければならない様々な実務に精通。豊かなフードビジネス事業づくりを支援。


最近の外食各社の動きに大きな変化がみられます。

先日の産経新聞に「外食チェーン二極化「牛丼より安い」豚丼で勝負 ハンバーガーは高価格路線」という記事がありました。

⬛ 消費の二極化が対応に拍車をかける

消費者が二極化してきていることは、再三申し上げてきている通りでしょう。

シニア層を中心にちょっと高くても「いい物」を「おいしい物」をという流れがあります。

一方で若者、子育て世代は節約志向に走っています。外食の低価格化から中食傾向へとシフトしています。

また、先回の3月実績の中でも触れましたように、ファミリーレストラン等に変化が起きています。

若者中心に客数の減少により35ヶ月ぶりに前年を割り込みました。

ファミリーレストランは値上げも含めてちょっと高価格帯へのシフトをしたことが奏功したと言われていましたがそれも息切れな感じです、今こぞって再度低価格帯メニューへ軸足を移しています。

⬛ 二極化への対応も二極化?

二極化への対応の部分で面白い現象が起きています。  

今まで低価格メニューでデフレ競争の真っ只中にいたバーガーチェーンが高価格帯商品に軸足をうつしています。これは最近の米国のブランドの日本上陸がプレミアムなサンドへ向かっているこ とが一つの要因としてあるようです。

一方、牛丼はここにきてまた低価格商品での競争に拍車がかかってきたようです。牛丼各社は一時の値上げによる客数への影響を考えて、低価格の豚丼復活などの方向に舵を切っています。

ユニクロの不調の要因として言われるように、デフレ対応型ビジネスの終焉とも言われていますが、消費者の反応はどう出るか、興味のあるところです。

マクドナルドの低価格路線からの変更等いままでのデフレ対応からの脱却を目指す企業が多いことも確かです。

この対応の違いが果たして1年後どんな結果を生むでしょうか?興味深く見てみたいと思います。

⬛ 強みが低価格商品ということは?

低価格を強みにすることは、確かに競争の中では大きな強みです。競争のために価格を下げることはできます。

しかし、牛丼店各社も原材料の価格の引き下げ、オペレーションの効率化によりコストを引き下げることのできる構造を作りあげていることを忘れてはいけません。そのことなくして中小チェーンの低価格競争は暴挙です。

しかし、安易に価格競争に入ることはおおきな危険性を孕んでいることを理解していなくてはなりません。

⬛ 低価格競争のジレンマ

それは、低価格商品を買う顧客層はもっと安い物があれば確実にそちらに流れていってしまうということです。

永遠に価格競争のジレンマから抜けることができなければ、消耗戦に負けたほうが退場です。

このことは、デフレの中で嫌という程経験してきたことです。いま、そのスパイラルから抜け出せる機会に差し掛かっているところです。

それを阻害しているのが、いまの経済状況であります。所得が増えた実感に欠け、税金、社会保険等の費用負担が大きくなり可処分所得の増加を肌で感じることができないことで消費が消極的になり、節約志向に向かわせているといえるでしょう。

経済のさらなる成長を期待したいところです。 

⬛ 外食にも低欲望社会?

大前研一さんは現代は低欲望型社会だと言っていました。

もちろん、物が足りてきて、特に欲しい物がない。購買を刺激するような魅力的な商品が無いんだとも言われています。

しかし、食に関しては人間1日3食は食べますし、できることであればそこに満足を得たいと考えるのは人として自然な流れであろうと思います。そこが物が足りて特に欲しい物がないという小売とは少し違うところかもしれません。

外食の多店舗展開を目指す経営者がどう対応すべきなのか。 店舗の強味が低価格ではなく商品またはサービス、店舗の魅力をアピールできる特色をしっかりと打ち出すことが必要なことであると思います。

自社の強みの源泉である資産を活用して、独自性のある強み(差別化)をしっかりとお客様にアピールできることが求められます。


【フードビジネスの多店舗化】 大きな展開を実現させる戦略視点
坂本和彦

フードビジネスの多店舗展開コンサルティング

合同会社フードビジネス多店舗展開研究所代表

坂本和彦

執筆者のWebサイトはこちら http://fmdi-21.com/

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