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スカウト(人事)に成功する秘訣

SPECIAL

人事制度コンサルタント

株式会社ENTOENTO

代表取締役 

会社を成長させる人事制度づくりで、700社以上の指導実績を誇る日本屈指のコンサルタント。日本の過去50年間の人事制度のつくり方とは異なり、経営者の評価と賃金の決め方を可視化してつくる画期的な人事制度は経営者から大きな支持を得ている。

こんにちは、ENTOENTOの松本順市です。

企業が急成長すると、どうしても遅れるのが管理職・中堅職の育成です。その育成が間に合わない時の経営者の1つの決断が、スカウトをすることです。

自社にはいない人材を社外から連れてくるという判断は1つの選択肢としてはあり得るでしょう。しかし、あまりこのスカウト人事に成功した事例を知りません。多くの場合は失敗する可能性が高いと言えるでしょう。

このスカウト人事に成功するためには、成長シートを使った採用の事前面談をすることです。そのスカウトする人材に何を期待するのか、それを前提に成長シートによって確認することになります。

大きなポイントが3つあります。

1つはスカウトした後、入社後に会社で何をしてもらうか階層と職種を明らかにすることです。中堅職層であれば、一番重要なことは人を育てることができるかどうかの1点になります。

基本的には、一般職層の優秀な社員を優秀だと評価して中堅職層にステップアップさせますが、中堅職層になったばかりのころは部下指導ができません。中堅職層にステップアップしてから初めて部下指導に取り組むからです。

中堅職層として採用しようとしている方であれば、部下指導ができるかどうかが大きな決め手になります。そのスカウト予定者に聞かなければなりません。

「あなたは部下指導はできますか?」

当然ながらこの質問には「できます!」と答えるでしょう。

「では、部下指導をするときの具体的なあなたの行動を教えてください」

この部下指導の具体的な指導内容を聞くことです。

人事制度をつくった会社では、部下指導の内容は

P:部下の目標設定の指導をすること
D:部下の計画した行動を指導すること
C:部下の自己評価を指導すること
A:部下の改善内容を指導すること

の4つそれぞれに必要な時間があり、それを具体的に実施することによって、部下の成長点数を伸ばすことになります。

この具体的な内容を話すことができるかどうか、これが大きなポイントです。具体的な内容ですので、その内容が本当に部下を成長させることができるかどうか、大きな判断の1つになるでしょう。

管理職層であれば、人を育てている中堅職社員に対して具体的にどのような指導をしたことがあるかが1つの確認すべきことです。そしてこの会社の30年後、50年後、100年後にどのような経営戦略を打ったらよいかその内容が説明できるかどうかになります。

もちろん、本当にできるかどうかは入社してからの評価になりますが、それの具体的な内容を説明できるか、これが大きなポイントになるでしょう。

2つ目は勤務態度を守れるかどうかです。中堅職で採用しようが、管理職で採用しようが、我社には経営者が大切にしている価値観に基づく、仕事を行う上で守ってもらいたい考え方・態度があります。それが成長シートの勤務態度に入っています。

この勤務態度を守れるかどうかを確認した上で、半年後に守れない場合は残念ながら本採用できない可能性があることを伝えなければなりません。

スカウト人事であっても、この勤務態度の遵守は必要です。「仕事ができるから」と勤務態度の悪さに目をつむった会社でその後うまくいったことは全くありません。企業文化の異なる組織から転職してくる以上、新しい組織文化になじめるかどうかは大きな問題です。

3つ目は成長シートの重要な要素である、他の社員に教えていたかどうかです。我社では教えることが最も高い評価になります。その高い評価である「他の社員に教えること」ができるかどうかです。

もちろんこの質問にもスカウト予定者は「教えることができます」と答えるでしょう。そのときに、教えるときのコツやポイントについて具体的に説明してもらうことが必要でしょう。場合によっては、最近教えた社員の様子を分かりやすく説明してもらうことも大きなヒントになります。

このようにスカウト人事に失敗しないためには、このようなチェックポイントを確認することによって、間違いのない人材を採用することです。

このスカウト人事の失敗は、現状の組織を乱すことにもなりますので、より慎重に選考していただくことが必要でしょう。

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