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中小企業にイノベーションは必要か?

  キラーサービス(特別対応の標準化) 中川洋一 SPECIAL
中川洋一 SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所 代表取締役 中川洋一

経営革新コンサルタント。特別対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特注ビジネス」づくりの専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

「多くの中小企業に変化など必要ない。中小企業がやるべきことは、商品やサービスを一定の品質で安定して提供する体制を築くことだ。」―― 先日ネット上で見つけた、ある識者の言説です。

確かに、商品やサービスの品質を一定レベルに保つことは、大企業であろうと中小企業であろうとクリアすべき課題です。

たとえば飲食店を経営していて、ある時はおいしいくて、ある時はそうでもない、あるいは、ある時はとてもサービスが行き届いていて、ある時はいい加減な対応…といった具合に、その時々で商品やサービスの水準がバラバラだと、顧客が定着しないのは当然のことです。

とはいえ、ここが課題になっている会社が多いのも事実です。仕事が人に張り付いていたり、社員間の能力に大きな差があるため、人によって仕事の手順が違ったり、仕上がりの完成度がマチマチだったり…。

現に当社が定期開催しているセミナーに起こしになる経営者も、「仕組み化」「標準化」という言葉に引っかかって来られたというケースがとても多いです。

しかしながら、冒頭の識者のコメントのように、業務プロセスをしっかり安定してこなすことができれば、それで企業は安泰なのでしょうか。

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かつての日本企業はこの「業務遂行力の優位性(オペレーショナル・エクセレンス)」を磨いて競争力を発揮してきました。

とにかく仕事のやり方を見直し、カイゼンを重ね、QCDを向上させるというアプローチです。

これは言ってみれば「同じことを同業他社よりきちんとやる」という戦い方です。

かつての高度成長期の日本においては、この戦い方が通じました。日本全体がある意味ひとつの方向を向いていて、消費者が求めるもの画一的でしたから、差別化の必要性は大きくありませんでした。

また、業務のやり方もまだまだ会社によってその能力に差異がありました。たとえばモノづくりにおいても、そのやり方によってコストが大きく違ったりしましたから、オペレーショナル・エクセレンスを目指すことによって、みんなが欲しいものをより安く、より早く提供できれば、そこに価値があるとみなされる時代だったのです。

トヨタを筆頭に、多くの日本の大企業がこのアプローチで成長を遂げました。当然そういった大企業にモノを収めていた中小企業も同じことを求められるため、せっせとカイゼンや仕組み化に取り組んできたわけです。

かつてマイケル・ポーターが「ほとんどの日本企業には戦略がない」と批評しましたが、「オペレーショナル・エクセレンスを追求する」というのが日本企業の戦略であり、実際にそれが効いた時代だったのです。

しかし、いまはどうでしょうか。

いまや、モノはあふれ、消費者が欲しがるニーズは極めて多様化、かつ短命化され、「右向け右」で他社と同じことをせっせと頑張っても全く選ばれない時代となりました。

この「小さな物語の時代」に企業に必要とされるものこそ「イノベーション」です。

「企業の目的は顧客の創造である」とはドラッカーの有名な言葉ですが、これは単に顧客開拓をせよということではありません。

この「顧客の創造」の原文は “create a customer”です。”customers”と複数形ではありません。これはつまり、まったく新しい(種類の)顧客を創り出すことを意味します。言い換えると、これまでになかったニーズを創り出せということです。

これは大企業に限った話ではもちろんありません。イノベーションというと「技術革新」と捉えられがちですがそうではなく、「新しい考え方や方法、技術を取り入れ、社会に変革をもたらすこと」ということを意味します。

世の中の在り様が多様化・細分化され、かつ変化を前提としたものである以上、大企業であろうと中小企業であろうと、企業もそうあることを余儀なくされるということです。

ドラッカーは続けていいました。「マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす」と。つまり、「市場に切り込んで変革を起こしてこそ、企業は価値を生み出せる」ということになります。

冒頭の言説で言うと、オペレーション面では「安定」を追求して然るべきですが、事業戦略としては「安定」ではなく「革新」を起こしていく必要があるのであり、この戦術レベルと戦略レベルの話を混同してはいけないのです。

当社が特注ビジネスのコンセプトとして「外から見たらイレギュラー、中からみたらレギュラー」にすると言っているのも同じことで、顧客から見たら革新的なことを実現しながら、社内のオペレーションは通常業務として安定してこなしていけるようにすることが、顧客に選ばれ、かつ儲かる事業をつくるための鍵となります。

御社は、ライバルに先んじて「革新」を起こす体制はできていますか?

自社の事業戦略として「安定」を選ぶ愚をとってはいませんか?

 

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儲かるキラーサービスを つくる社長の視点
中川洋一

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所代表取締役

中川洋一

執筆者のWebサイトはこちら http://ksli.co.jp/

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