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『顧客満足度(CS)追求』と『従業員満足度(ES)追求』の成果の違い

  ホスピタリティビジネス 船坂光弘 SPECIAL
船坂光弘 SPECIAL

ホスピタリティビジネスコンサルタント

ザ・ホスピタリティチーム株式会社 代表取締役 船坂光弘

「お金になるホスピタリティビジネス」構築の専門コンサルタント。ホテルやウェディングビジネスのみならず、異業種のホスピタリティを軸とした新ビジネス立ち上げも指導。

私はよくクライアントの社長から、

船坂さん、経営戦略として『顧客満足度』と『従業員満足度』はどちらを先に手を付けるべきでしょうか?

と聞かれます。

この答えは時代の流れもあり、少し以前と状況が変わってきていることも事実です。

これまでは圧倒的に『顧客満足度』を中心とした取り組みが多く、顧客アンケートによるCS調査により、顧客満足度を定量化し、それに対する課題改善をするという施策が主となっていました。

しかし最近では、サービス業を中心に慢性的な人手不足であり、安定的な人員確保ができなければ、当然、顧客に対するサービスの質も満足度も下がる為、如何に従業員の定着率を上げてサービス品質を維持することが優先順位となり、従業員満足度に対する取り組みを強化する企業が増えているのが現状です。

それに加えて、成熟社会の到来により、モノの時代からココロの時代に移り変わり、日本の産業も75%がサービス産業の時代に突入しています。

従って、世の中にはサービスが溢れ、サービス産業に従事している人が圧倒的に増えている中、接客やサービスに対する期待値も上がり、顧客側の目線も、単なる安定的な商品やサービスの提供だけではなく、

『事務的ではなく、心の伴った接客サービスかどうか?』

『心から自分のことを想って提案してくれているか?』

など、上辺だけではなく、そのスタッフの姿勢、もっと言えばその企業の姿勢まで見られていますし、見抜かれています。

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従って、顧客満足度向上の為の上辺だけの接客スキルや知識の習得だけではお客様の期待を満たすことができず、従業員ひとりひとりのホスピタリティマインドの醸成が求められています。

職場環境においても、慢性的な人員不足が現場の多忙に拍車をかけ、従業員ひとりひとりに余裕がなく、従業員同士の関係性がギスギスするばかりでなく、

会社からは、

「残業代を減らせ」

「生産性を上げろ」

「売上を上げろ」

といった要求があり、現場としては、

「笑顔でお客様に良いサービスを提供するどころではない!」

といった悲鳴に近い、疲弊した状況も多くの現場であることも事実です。

このような状況は店舗であれば、店舗のムードや雰囲気となってお客様に伝わり、

「居心地が悪い」

「店舗内の空気が悪い」

「従業員の笑顔が無い」

結果的に、

「もうこの店を利用するのはやめよう」

となり、売上や収益減にも繋がります。

これらの事からも分かるように、今、経営戦略としてすべき最重要事項は、

「顧客満足度」の前に「従業員満足度」を上げることであり、

人員不足の補充に力を入れることも、もちろん大切ですが、もっと大切なことは、

「今、自社で働いてくれている従業員に感謝をして、長く勤めてもらえるような環境をつくる」

ことです。

それは、給料や福利厚生面といった金銭的な報酬ではなく、

「自分の仕事にやりがいを持てる」

「自分がこの仕事をすることでお役に立てる」

「自分がこの会社、職場から大切にされている」

「自分がこの職場で必要とされている」

「従業員同士の思いやりがあり信頼関係がある」

「ここに居るみんなと働けることが楽しい」

といった、従業員の精神的な報酬を満たすことであり、この事を経営サイドが如何に優先順位を上げて真剣に取り組むことが重要です。

実際、「顧客満足度」の追求から「従業員満足度」の追求に切り替えて取り組み、採用率、離職率、生産性に成果が見え、顧客満足度を追求していた頃よりも、売上や収益、結果的に顧客満足度も上がったという企業も多くあることも事実です。

あなたの会社は、

まだ現場の事を考えずに「顧客満足度の低下にダメ出ししていますか?」

それとも「従業員に感謝をして従業員満足度に向けた取り組みを強化していますか?」

 

【経営コラム】ホスピタリティで新ビジネスを生み出す視点
船坂光弘

ホスピタリティビジネスコンサルタント

ザ・ホスピタリティチーム株式会社代表取締役

船坂光弘

執筆者のWebサイトはこちら http://www.thehospitalityteam.jp/

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