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事業のゴールを明確に持つこと:不動産業M社は、人口9万人の街をどのように牛耳っていったのか

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

M社は、年商6千万円(総粗利)総数5名の不動産業を営んでいます。
当社にご相談に来たM社長の顔には疲れが見えます。
「当社のある街は、どんどん人口が減っています。これから、どうしたらよいのか解りません。」

  • 商圏の人口は9万人。周囲を山と海に囲まれた孤立した町。
  • 営業は、地主さんと営業担当の関係で成り立つ個人商店スタイル。そのため、育ったころに独立しライバル化する。

この状況に、M社長は、先を見い出せずにいました。
私は、言いました。「牛耳るには、最高の街ですね。」


事業を立ち上げる時、事業を展開する時には、その『事業のゴールの状態』を明確な目標として持つ必要があります。

それを私は、このように表現します。
『何を牛耳りますか?』
キレイに表現すれば、『シェアを取る』となります。何かしらで『シェアナンバー1』をゴールの目標として持ちます。

シェアの取り方は、大きく二つになります。

一つは、『評判シェア』を狙います。
「〇〇と言えば〇〇」という評判のナンバー1を取りに行きます。
カレーを食べに行こう・・・〇〇壱番へ行こう。
試作品のための工具がすぐにほしい・・・〇〇タロウのサイトで探そう。
消防車メーカーと言えば・・・〇〇○。
その業界の人が、その言葉を聞けば、連想してしまうほどの刷り込みを行います。10名中1名では弱すぎます。10名中10名が、同じブランド名を連想するほどのシェアを取りに行きます。

もう一つが『エリアシェア』です。
北海道で圧倒的に強いコンビニ。
戸建住宅ビルダー業界で圧倒的に強い商社。
駅ナカで圧倒的なシェアをもつ総菜屋。
その「エリア」の中で、シェアを高めることで、他社が参入出来ないようにします。ボリュームを増やすことで、製造コストや物流コストを下げ、さらに効率を高めます。人のやりくりも可能になり、生産性を上げられます。

どこにシェアを取るのか、明確な目標を持つ必要があります。
ちなみに、私は前者です。「年商10億のコンサルタントといえば、・・・」を取るために動いています。そのために、本を出し、セミナーを行い、実績を積み上げています。また、広告も同じメッセージを出し続けています。

クライアントであるW税理士事務所は、後者です。車で40分範囲内の30万人の商圏で社員数50名の規模になっています。自社で毎月税金や助成金などのセミナーを開催しています。そのエリアの事業主にDMを送っています。地域の商工会議所や銀行との繋がりを強くしています。シェアも高まったので、隣の10万人都市も取りに行っています。


冒頭のM社長と検討を行い、目標を決定しました。
それは、「土地売買で、9万人を牛耳る」というものです。この時には、M社以上の規模の不動産会社は、5件ほどありました。その中には、大手のFCの看板を持つ会社もあります。

その目標のために具体的な取組みを行います。売る側と仕入れ側の両方に、手を打っていきます。その一つひとつの施策では、「エサをまく」というよりは、「タネをまく」という取組みを重視しました。その地域での認知度アップに繋がる取組みにお金をかけるようにしました。
その結果、4年ほどで、年商は2億円ほどになりました。社員も15名ほどです。そのエリアの土地売買の50%近くは、取れています。

売買が軌道に乗っていくと同時に、次に行くことにしました。アパートの仲介です。これも同様に、認知度をあげる取組みを重点とします。また、オーナー様との関係を強めるためのサービスを開発しました。その結果、地域のアパートの殆どに、M社の看板が付くようになりました。年商は合わせて4億です。

この間に、何度も大手企業(そのFC)が参入をしてきます。しかし、数年で撤退をしていきました。最近では、それも無くなりました。大手からすると9万人という規模も魅力がありません。

行政からも「当て」にされる存在になりました。(良い話も悪い話も来ますが、それは地域の「第一人者」として、受けざるを得ません。)

この頃には、個人商店スタイルの営業は、無くなっています。会社の力で集客し、会社の力で売れていきます。社員の気質も変わりました。「野武士」ではなく、良くも悪くも「組織人」タイプばかりです。独立を考える社員はいません。

そして、戸建住宅の建売を開始しました。土地の仕入れもできます。アパートの住人という家を買う可能性のある家族のデータは持っています。建物は大手ハウスメーカーからのOEM供給を受けることにしました。

その結果、年商(総粗利高)は5億円を超えました。社員数は45名です。
人口9万人の商圏を牛耳っています。今も、さらにそれを強くしています。

その街の人達には、不動産と言えば、その会社名と看板が連想されます。また、就職フェアでは、信金と農協とM社の前に列ができます。その地域では、M社に勤めていると「いいところにお勤めで」と言われます。


牛耳る目標を持って、事業を展開すること。
そこが、一つのゴールになります。後続の会社がその状態をひっくり返すことは簡単ではありません。シェアこそが、その会社の強みであり、資産になります。資産だけに、後継者に引き継ぐこともできます。そして、他社に売ることもできます。

この牛耳る目標がないと、彷徨うことになります。
広告は、「エサをまく」やり方になります。そのメッセージは、その時代を追ったものになり、一貫性はありません。また、中途半端な事業展開になります。評判を取りにいっているのか、エリアなのか、定まっていません。

また、殆どシェアを取れていない状態で、次の事業を立ち上げます。その結果、シェア数%の事業を3つ4つ持つことになります。どれもが6位、7位という低い順位になります。
それは、資産と呼べるほどのものではありません。後継者に引き継ぐこともできません。後継者は、その散らばり状態に困ることになります。また、売ることもできません。

ビジネスとは、『牛耳る合戦』です。いち早く、牛耳った会社の勝ちです。
その状態は、最高に楽しいことです。逆に、他社に牛耳られた時には、何も面白くありません。

『何を牛耳りますか?』

それを決めてから事業を展開します。それが、ひとまずのゴールです。
牛耳ることができる事業を選ぶこと。
牛耳ることを前提としたサービスをつくること。
牛耳るための広告を打つこと。

そのために、牛耳る対象を社長が決めることとなります。

 

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