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ドラッカーを学習して思うこと―「実践」の前に「情報発信(アウトプット)」という提案―

  地方メディアの高度有効活用 海江田 博士 SPECIAL
海江田 博士 SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション 代表取締役 海江田 博士

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

経営者の中にはドラッカーを勉強したり研究している方は多いと思います。私もその端くれで、何冊か手元にある彼の著作を改めてめくってみると、カラーマーカーで引っ張った傍線や付箋だらけで、いかに彼の著書に影響されたかが、ちょっと振り返っただけでもよくわかります。

先日、インターネットで経営に関するいろいろな記事を読んでいる中で、やはりドラッカーに関するコラムを見つけました。書かれていたのは、ドラッカー学会理事の佐藤 等氏で「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」という著書からの抜粋でした。このコラムの中で佐藤氏は、ドラッカーの教えの神髄に当たる部分に触れられていました。

中でも、私が特に興味を惹かれたのは「情報」に関する考察でした。

それは以下のようなものです。

―ドラッカーの学びのプロセスは、大きく分けて二つです。

第一に、情報を取得すること、すなわち記憶することです。「われわれは情報を、頭を使わずに答えられるようになるまで反復することによって習得する。記憶する。言葉を学ぶのはこの方法によってである。九九を覚えるのもこの方法によってである」(『断絶の時代』)

情報は能力ではありません。ピアニストならば、音階やテンポという情報を記憶することです。ドラッカーは、情報と知識と能力の関係を次のように述べています。「知識は、本の中にはない。本の中にあるものは情報である。知識とはそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である」(『創造する経営者』)―

ここでは「情報」のインプットに関して書かれています。「情報」の習得がまずなければなにごとも始まらないからです。

しかし、ドラッカーは「情報」を「知識」と同列に置いていないところが興味深い点です。

つまり、「情報」はインプットした時点ではまだ素材であり、煮たり焼いたりして手を加えなければ我がものにはならない、ということです。それは反復であったり、単調な練習の連続であったりということなのでしょう。

そこで私は、もう一つの方法論を考えてみたいのです。

それは、ここには書かれていないのですが、「情報のアウトプット」ということを提案したいと思います。

反復や練習といったものを自らに課す、というのは、「情報」を「知識」に変えるための自分に向けた基本的な行為です。この内なる作業に、「情報発信」という方法論を加えてみてはどうか、と考えてみました。

というのは、これは日頃私が実践しているやり方であり、「情報」を「知識」として身につけるためのかなり有効な方法だからです。

引用した文章の中では、「情報」を記憶にまで落とし込むことの大切さが述べられています.

私が経験してきた中で、「情報」を記憶に定着させる有効な方法として、得られた「情報」を一度咀嚼して吐き出す、即ちアウトプットするというのは極めて効果的な記憶法だったからです。

さらに佐藤氏はドラッカーについて、次のように述べておられます。

―ちなみに私はこの言葉を諳(そら)んじることができます。憶(おぼえ)てない言葉は実践で使えないからです。マネジメントにおいて言葉は重要な道具なのです。しかし情報の取得だけでは不十分です。万巻(ばんかん)の書を読んでも自分に変化がなければせっかくの努力も無駄になります。(中略)

私は、「ドラッカーの本を読んで理解しようとしてはいけません」と伝えます。なぜか。それは、言葉を実践で使ったあとに真の理解は得られるからです。「子供だろうと大人だろうと、反復練習すなわち知識の体系的な反復が不可欠である。しかる後に意味を理解しなければならない」(『断絶の時代』)したがって学びのプロセスの第二は、情報を日常の現実に適用することです。つまり言葉を実践で使うことです。―

ここにおけるキーワードは「実践」ということになります。

なにごとも「実践」まで繋がらなければ意味がありません。私がこれまで度々書いてきましたように、インプットまでは皆さん何とか頑張るのですが、そこで終わってしまう経営者が実に多いのです。

もちろんそのことはみんなわかっていますので、そこで終わっていいとは誰も思わないでしょう。にもかかわらず、「実践」まで行く経営者が少ないのは、インプット時点での理解がまだ乏しいからなのかも知れません。ここを深める絶好の手段が私は「情報発信」即ちアウトプットと考えるのです。

もともと私は、アウトプットを「実践」のための一里塚と考えていたわけではありません。

アウトプット即ち「情報発信」は、そのものに価値があるのであり、これを継続することで企業の販売促進、業績アップに繋がると思っています。

ただ、アウトプットに「実践」に繋がるための副次的効果があるのだとすれば、これを使わない手はありません。インプットされた情報が、アウトプットというプロセスを経ることにより、「実践」にまで繋がるのであれば、これは良き経営に資するための一連の効果的なパッケージと言えるのではないでしょうか。

いずれにしても経営は、自らの考えた戦略を実践にまで落とし込んで、事業業績の向上という結果を出さなければ意味がありません。その前段において欠かせない情報のインプット。これを知識にまで昇華させて、実践につなげる。そのプロセスにおいて有効な手段であるアウトプット即ち「情報発信」、これらはすべて密接な関係にあり、いずれも欠かすことはできません。

経営者は、いつもこの一連の重要なプロセスに、真剣に向き合っている必要があるのです。

 

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海江田 博士

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション代表取締役

海江田 博士

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