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雑草の成長戦略

  商品リニューアル 古崎千穂 SPECIAL
古崎千穂 SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング 代表 古崎千穂

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

台風19号から1週間、日を追うごとに甚大な被害の様子がわかっています。今、防災に対する意識が変わろうとしています。過去事例に照らし合わせていた思考から目覚める時です。不測の事態であっても、自社ビジネスに引きつけることで商品サービスをリニューアルきっかけが生まれる「チャンス」と捉えてください。

東京では、台風19号が東京に上陸したのが12日土曜日午後9時のことでした。前日の金曜日の午前中、近隣のホームセンターでは防災グッズを買うために、店内は猛烈に混み合い、会計を済ませるまで約1時間半かかりました。停電の備え、窓ガラス対策。この二つに関わる商品が必要とされていました。すでにネットショップでは「遅配」が始まっていたので、準備がギリギリになったり、買い足す人々が実店舗に出かけて買い物をしていました。

ホームセンターには業務用の金物、DIY商品、日用品などが置いてありますが、今回の台風では「ベニヤ板」とDIYアイテムを買い求める2030代の男性が多く印象的です。ここ数年ブームだったDIYが浸透していたことを実感しました。自然災害は試練となりますが、生活者であるわたくしたちにとって、暮らしを楽しむことが「いざという時」に自分を助けるツールとなる。そう学ぶためのチャンスだと気づきました。そして、昨日までの風景と異なる世界です。わたくしたち生活者は、このような状況で考えること感じることがたくさんあります。ゆえに、生活者心理がガラッと変化する時だと意識しなければなりません。

その上で商品サービスを提供するプロフェッショナル、という視点から離れ、生活者としてさらに一歩踏み込む姿勢が必要不可欠です。ひとりの生活者として自社商品サービスを見たとき、この災害時に自社商品が輝いていたでしょうか。それとも色あせて映ったでしょうか。今よりももっと厳しい地球環境がやってくる未来に自社商品サービスは求められるものでしょうか。実際にお客さまの反応はどうでしょうか。

変わる必要があるのか、ないのか。自社商品があってもなくても、いいのかどうか。そうしたことを真剣に考える時がきています。環境の大変化は「チャンス」です。持続可能な開発目標(SDGs)を敢えて掲げなくても、いまこそ静かに粛々と実践する時です。

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「鮮魚」の商品リニューアル

停電に備えて非常食が注目されましたが、「IZAMESHI(イザメシ)」というヒット商品があります。2年ほど前からネットや女性誌などで取り上げられ話題となった災害用長期保存食です。小さなお子さんのいる2030代のママたちに支持され、今では50代女性を読者層に持つ人気雑誌「ハルメク」などで紹介されています。

この非常食の魅力は「味」と「デザイン」です。非常食では味わえない「おいしさ」とおしゃれなパッケージデザインにこだわっています。防災アイテムなのに普段の生活シーンになじみ気分も上がると女性の口コミが広がりました。

IZAMESHI(イザメシ)ブランドを世に送り出したのが杉田エース株式会社。ガーデニングやアウトドア用品などを扱っている「クラブエスタ」を運営しています。そもそもは建築金物、建築関連資材、DIY用品の卸売会社です。杉田エース社はホームセンターに金物を卸し、取扱商品のなかに防災用非常食がありました。東日本大震災をきっかけに防災アイテム需要が増してゆくなか、代表取締役の杉田裕介社長が「おいしい非常食は意外とない」ということに気づいたのです。そこから「おいしい非常食を造る」という挑戦が始まりました。

金物屋の商売をしていて「食品」を扱う、ということは異業種参入のように感じますが、そうではありません。杉田社長のご実家がもともと魚屋さんを営んでいたのです。明治時代の魚屋さんなので冷蔵庫がありません。ゆえに生鮮の扱いに苦労されてきたそうです。そこから腐らない商売がしたいということで、東京の金物屋に丁稚奉公。やがて金物屋の商売で独立し、杉田エースにつながりました。こうしたヒストリーが背景にあるわけです。生モノを商売し、その扱いを知り尽くしてきた「強み」や「価値」を起点に、時代に柔らかく対峙して自社サービスを再定義、商品リニューアルしたのです。

ひるがえって、自社はどうでしょうか。飽和状態のマーケットで、新商品開発や海外販路の拡大など、同業他社の動向と比較し未来を悲観している場合ではありません。今後ますます厳しい自然環境にさらされる変化の時、わかりやすいほど自社商品サービスの「価値」が問われています。このコラムをお読みになって、どこか引っかかるものがあるとすればまさに「チャンス」です。そう強く認識してください

逆境は味方です。自社に眠っている真の価値で、お客さまに喜んでもらえる商品サービスにリニューアルしましょう。自社に眠っている宝ものをリニューアルして、新たな喜びをお客さまに届けましょう。社長の考え方ひとつで、一寸先は「光」となります。見るからに強そうなものが強いとは限らない時代です。外ではなく、自社の中に眠る「強さ」に集中してゆきましょう。

 

【社長直轄】商品リニューアルの着眼点
古崎千穂

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング代表

古崎千穂

執筆者のWebサイトはこちら https://rbnc.jp/

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