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伸びる会社の突破力

  商品リニューアル 古崎千穂 SPECIAL
古崎千穂 SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング 代表 古崎千穂

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

「実は困ったことになって・・・」、そう青くなって、美容サロンの経営者さまがご相談にいらっしゃいました。今から三年後に営業圏内の大型マンションが、老朽化によって建て替えられるとのこと。既存客を含め、お客様の大移動がはじまると、とても動揺されていました。

都内の住宅地にあるサロンです。もちろん高齢化と人口減が進んでいます。一方、宅地も新陳代謝し、若者世代向け住宅が増加。2030代の就労女性ターゲットのサロンが激増し、お客様の獲りあい状態が続いています。

ご相談のサロンはもともとが40代後半からの女性客がメイン。近年はお客様の定着率が悪化。シニアのお客様が病気などを理由に来店できなくなる等、高齢客の「自然減」が課題だと訴えます。さらにスタッフの退職が続き、社内がガタガタ。社長は、環境変化への心配と不安、スタッフへの不満などが山積。面談中も終始イライラしている表情をされていました。

こうして文字にしますと、外部環境の変化に対応しきれていない会社にある“よくある”事例のひとつ。そんな風に感じられます。

社長曰く「恥ずかしい話、今までチラシは“散らし”だと考えてきたんですよ。ですから、季節のDM以外はいっさいやる気なし。ネットを活用したサロン予約サービスも、うちのお客様にはマッチしないからやる必要もないでしょうね。SNSも然り…でも、そんなことを言っている場合じゃないか…」と。そして、ノートを広げて「TODO」と走り書きし、「・新規客、ポスティング」とか「・コマーシャル」と書き加えてゆかれます。一通り書きつづると、顔をあげ、自社の「人手不足、営業力不足」を嘆かれました。

当コンサルタントの関連商品を販売しています。

こうして面談の間、社長の相談は販促と営業の話に終始しました。業績が芳しくない時、まず相談者から出てくるのが、「コスト」「マーケティング」「営業」の三点です。「自社商品」に関わる課題や問題をとりあげる会社は、まずありません。

ではなぜ自社商品を見つめないのか。課題としてあがってこないのか。それは「怖い」からです。自社商品を問うことは、お客さまの「不満」に対峙することだからです。そこには社長の「プライド」があります。心のどこかで、自社を、ご自身をお客様より「上位」に位置付けているのです。いかがでしょうか。

商品サービスに対峙せず、お客様に向き合わず、社内をいじくりまわすことに時間とお金をかけることは、非常にもったいないことです。自社が、そして、経営者ご自身が損をするやり方です。

社長に単刀直入にお聞きしました。お客様が減っているのは、ほんとうに「自然減」だからなのか? お客様がクチコミしてくださらないのは、プロモーション不足、営業力不足なのだろうか? 

さらに、

既存のお客様の不満は何だろうか。逆に満足しているポイントは何か。休眠や失注したお客様の不満は何か? お客様の気持ちを高揚させる「トレンド研究」をしているだろうか? お客様が嬉しくなるサービスを提供しているか? 日々お客様が欲しがっている「施術」の研鑽をしているだろうか? 自己満足に陥ってはいないだろうか? と。

社長の長い沈黙のあと、震えながらこうおっしゃいました。「一生懸命努力しているんです!」と。だとすれば「収益につながっていない」「お客様が減ってきている」事実を前に、その努力の方向が間違っているのではないか。辛くて苦しくて結果の出ない努力であれば、“賢く”逃げることもまた必要です。

お客様に買っていただけないのはなぜ? 拡がらないのはなぜ? 問題解決にはマーケティングに営業にコストカット、なのか? 本当ですか? お客様が満足する良い商品サービスこそが、最高の営業力なのではないのでしょうか?

いま集中すべきことは、お客様が満足する商品サービスをいかにして生み出して、いかに提供していくか、このたった一つのことです。お客様は、御社に頼めば「満足できる」とわかっているなら、割引などしなくても御社を選ぶはずです。どうでしょうか?

お客様を大事にする。お客様ファースト、ということは頭でわかっています。ですが、業績の良くない会社は「社内大事」です。小さなトラブルが社内から始まり、やがて会社を潰すほどの大事につながってゆきます。そして事態の重大性に気がつかないで社内騒動を長期化させてゆきます。結果、お客様を無視した状態が続いてゆきます。

お客様を大事にする。この言葉に反するのであれば、それは「嘘」です。嘘をつけば、信頼がなくなります。そして自社を傷つけます。嘘は社長ご自身を傷つけてゆきます。

だれしも一度きりの人生です。時間は無限ではなくて「有限」です。そんな貴重な時間を託してくださるお客様に対して真剣に取り組む会社がたくさんあります。御社である理由、御社でなければならない理由をお客様が抱けないとすれば、事業を続けていく意味があるでしょうか。

事業をスタートさせたとき、自社商品サービスで喜んでくださったお客様の笑顔をみて、どんな気持ちが生まれたでしょうか。逆に、お客様をがっかりさせた時、どういった気持ちが芽生えたでしょうか。

自社商品を買うお客様がいてこその経営。「お客様大事」が本質であり「商品が売れることによってのみ業績向上」が経営の本質です。

お客様研究をしておられますか?

自社の商品を磨き上げていますか?

いまのお客様が求めている商品、

実際に買い求めている商品、

そういった商品サービスを提供している

他社の努力と工夫を研究されていますか?

社長の、そのイライラの本質を受けとめない限り事態は変わりません。外に意識を向けるのではなく、自社商品サービスに意識を集中させてください。恐怖に打ち克ったとき、必ず好転してゆきます。

 

【社長直轄】商品リニューアルの着眼点
古崎千穂

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング代表

古崎千穂

執筆者のWebサイトはこちら https://rbnc.jp/

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