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なぜ見込み客のニーズを探っても売れないのか?

SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所

代表取締役 

経営革新コンサルタント。イレギュラー対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特別ビジネス」をつくりあげる専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

「よく売る営業マンは本当によくお客様を観察していますね。今まさに車を買い替えたいと思っているお客様をうまく嗅ぎ分けます。」――先日個別相談にお越しになった、自動車販売業をはじめ複数の事業を経営されている社長がこうおっしゃいました。

「そんなことができる人は少ないでしょう?」と失礼ながらお聞きすると、「はい、ごく一部の自分を追い込める社員だけです。」とのこと。

「お客様のニーズを探るから、営業が大変になるんです。」とお伝えすると、社長は興味深げに私の言葉の先を促されました…。


世の中で「難しい」と言われていることは多々ありますが、実はやっている本人がわざわざ難しいやり方をしてしまっているということもよくあります。

「モノを売る」という行為も決して簡単なことではありません。しかしながら、セールスのやり方を変えればもっと楽に売れると感じる場合が非常に多いです。

冒頭の社長が言われた「相手のニーズを探る」というものそのひとつ。

「そろそろ車を買い替えよう」と思っている人と商談する機会をうまく作れればいいですが、そんな人が通常身の回りに溢れていることはありませんし、そもそも察知するのは非常に難しい。

では、そういう人がよく集まるところに行けばいいのかというと、そこには必ず競合の営業マンもいるでしょうから、商談にはなりやすくても成約率は下がってしまうことでしょう。

しかも、すでに「車を買おう」と思っている見込み客というのは、自分でもいろいろ調べて比較検討などをしており、ある程度買うものを決めていたりもしますから、実は返ってクロージングするのは難しかったりもします。

結論、お客様のニーズに合わせたセールスというのは、実はとても難易度が高いのです。

そんな難しいことをやり続けられる営業マンはごく一部。タイムリーに自社商品のニーズを持った人と出会えるまで人に会い続けることなど、なかなかできることではありません。

ではどうしたらニーズを探らずとも契約を取ることができるのか?

その答えは「相手のニーズを捏造する」です。

相手のニーズを捏造? そんなことできるわけないじゃないか!と思われるかもしれません。

しかし、人は本当に自分のニーズに自分で気づいているのでしょうか?

人は日々メディアを通して、あるいは直接他人から、いろんな「ニーズ」を押しつけられて過ごしています。

「車はあった方がいい」「いや、今の時代、車は借りるべきだ」「がん保険は必要だ」「人間ドックには毎年行った方がいい」「家電は今が買い時だ」「海外不動産投資が熱い!」…などなど。

こういったポジショントークが自分のまわりに溢れるにつれてついつい流されてしまい、一応最後の最後だけは「自分で決めた」という形になっていますが、そのニーズに「自分で気づいた」ということはほとんどないのではないでしょうか。

そして、これらの、ある種洗脳によって捏造されたニーズをすでにいま抱えている人をタイミングよく見つけ出すより、多くのいまだそのニーズを持っていない人に「自分はそれが必要だったんだ」と思わせるトークをぶつけた方が、セールスをするにははるかに効率的だということです。

そんな「いまないニーズの気づかせ方」にはいろいろやり方があり、これは当社のセミナーで詳しくお伝えしていますが、ここで大事なことは、そういったトークの切り口を考えるのは社員の仕事ではなく、経営陣の仕事だということです。

ここではわかりやすくセールストークと言っていますが、大事なことはそのトークの背後にあるストーリーです。「いまは別にそれは必要ない」と思っている見込み客が「いや、やっぱりそれ必要かも」と考え方を変えたくなるようなストーリーを考えることができれば、あとは営業マンがそのストーリーを自分の言葉で語ればいいのです。

もちろん、語った相手がこぞって考え方を変えてくれるわけではないでしょう。しかし、「いまその商品がほしい」という人を捜し求めて営業マンがやみくもに動き回るよりははるかに有効なアプローチです。

ここで「そんな都合のいいストーリーなんかないよ。」と思われるかもしれませんが、このセールスストーリーを考えることは、実は商品やサービスのコンセプトを考えることとまったく同じことであり、「売れるストーリー」を持てないような商品やサービスはそもそも持つべきではないということになります。

ですから、売れるセールスストーリーを考えることは、商品・サービスの企画に先立つということであり、商品をつくってから「さあ、どうやって売ろう」では順番が逆なのです。

別の言い方をすれば、企画・製造・営業といった社内の主要な機能組織のトップが共同で売れるセールスストーリーをつくったとしたら、自社の「創る→作る→売る」という商売の基本サイクルに一本筋が通り、各部署が結託した一枚岩の組織となるはずです。だからセールスストーリーづくりは経営陣の仕事なのです。

 

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