学生が集まる会社とそうでない会社の違いとは | 日本コンサルティング推進機構

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学生が集まる会社とそうでない会社の違いとは

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

先日、業界の注目を集めている会社のスタッフ数名から、新卒採用に関するお話を聞く機会がありました。昨今は大手企業でも大卒新入社員のうち「3割が、入社3年以内に辞めてゆく」という話が半ば常識であるかのように語られているのですが、この会社は士気も定着率も非常に高く、若手は「(転職など考える暇もなく)気づいたら6年目に入っていました。」、中堅は「これから素晴らしく飛躍します。」そしてベテランも「定年前にぜひ同僚のためになる仕事がしたい。」と語る会社です。

彼等と話をしていて一つ気づいたことは、こちらの質問に対して的確な答えが返ってくるのですが、そのほとんどに「社長がいつも言っていることを踏まえると・・」あるいは「社長も同じ考えだと思うのですが・・」と、必ずと言ってよいほど社長の言葉や考え方が拠り所とされている、ということでした。

他方、何とかして人集めをしたい、ということで苦労されている会社のご相談にも乗っているのですが、この会社は定着率も上がらず、戦力となっているのはほとんど中途採用ばかり、その彼等も長続きしないことが人事担当者の悩みとなっています。

悩んでいる方の会社(B社とします)でも、社員の方々とお話する機会があったのですが、注目されている会社(A社とします)と決定的な違いは「社長の考えが社員に行き渡っているかどうか」でした。A社では話を聞いた全員が社長の考え方に基づいて自分の意見を言うのに対し、B社は私の質問に社員各位が一生懸命答えてくれたのです。あまりに顕著なその違いに、私も我と我が耳を疑ったくらいでした。

A社もB社も、社格・社歴・売上高はほぼ同等、社員数も似たような規模の会社です。いずれも社長が明確な経営方針を掲げ、業界では同じように注目されている伸び盛りの会社なのですが、A社が技術開発を梃子に次々と新市場開拓に成功してきたのに対し、B社は社長の独創的なアイディアで新しいサービスを軌道に乗せることで大きくなってきた会社でした。いずれも急成長期を経て、A社は事業単位に良くまとまったチームが自律的に稼働していますが、B社はいまだに天才的な経営者の才覚が前面に出る営業が続いています。

コロナ禍の昨今、A社の業績が急速に悪化しているのに対して、B社は社長が八面六臂の活躍を続けていることもあってか、何とか踏みとどまっている状況です。意外に思われるかもしれませんが、短期的な成績はB社の方が良いのです。

それでも私は、B社の方を心配しています。もうお分かりだと思いますが、A社が仕組みづくりをしっかりとこなしているのに対して、B社は社長と言うスーパーマンに依存したビジネスモデルであることが物語るとおり、「もしも社長に何かあったら持たない会社」だからです。

A社の評判は、口コミや新聞記事などの効果もあってとても良いようです。そうなると学生も自然に集まってくるようになります。他方でB社は人事部が中心となって戦略的な取り組みを進めようとしているのですが、今のままでは長期的な効果を望めるか、甚だ疑問な状態だと言わざるを得ません。

人の振り見て我が振り直せ、とは昔から言われます。仕組みづくりを進めるならまず社長から。それが何よりのツボであることを、この両社の事例は雄弁に物語ってくれます。さあ、胸に手を当てて考えてみてください。ご自身の会社はA社型ですか?それとも・・。

 

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