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伸び悩む原因は「そこまでせんでも症候群」―ビジネスは振り切るところまでやってなんぼの世界―  

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

私のコンサルティングテーマである「情報発信(アウトプット)」は、まあ当たり前の話ですが、それを実践する人と実践しない人とに分かれます。

そして、その実践する方の人が極めて少数派であることは、これまでも度々書いてきた通りです。

何故、「情報発信(アウトプット)」実践者は、こんなに少ないのでしょうか?

多少の苦労は伴うものの、明らかに企業業績にプラスに働くこの試みを行なう人が、こんなにも少ないのには何か原因があるはずです。

私は、その原因について、先日ある経営者の方と接していて「ああ、そうなのか!」と、気がつきました。

それは結論からいえば「そこまでせんでも症候群」ということになります。

「そこまでせんでも症候群」??・・・いったいどういうことでしょうか?

先日、私の会計事務所の方のクライアントである、或る企業の社長さんが訪ねてこられました。長引く不況の中で、業績がなかなか伸びず「これからいったいどうしたものか・・・」と悩んでおられての訪問でした。確かにこの社長さんの業界は、世の中全体の技術革新の影響による構造不況業種で、業界全体を見ても厳しい環境にあることは事実です。これまでもいろいろな手を打ってこられているのは確かなのですが、それがいまいち、効果を上げていないようでした。

というわけで、しばらくやや暗く重たい話が続きます。そこで私は「とはいえ、社長、近頃起こったことで、何かちょっとでも前向きになれるような明るい話題はありませんか?」と質問してみました。すると、「そういえば・・・」と、最近手掛けた或る仕事の話を始められたのです。

それは、数週間前のことだったのですが、ある大手上場企業から、社長の地元をロケーションにした映像が欲しい、という依頼があったらしいのです。その道のプロである社長さんは、苦労して、その依頼に相応しいロケーションを探し出して、なんとか映像を押さえることができました。その際、山々の中まで踏み入って、悪戦苦闘をしながら、がんばってそのビッグクライアントの希望に沿うようなロケーションを探し出したそうです。それは想像以上に大変な作業だったらしいのです。

しかも、この仕事はその大変なロケーションを押さえるだけにとどまらなかったのです。

社長独自のアイデアで、その場にドローンを持ち込み空中からの撮影を試みられました。

そして、この映像をあとでそのビッグクライアントに見せたところ、予想外の提案に大喜びで、非常に高い評価を受けたというのです。

私はその話を聞いてすぐにピンときました。そこで「社長、その際の映像で、クライアントさんの版権なり映像権なりが設定されてなくて、こちらで使えるものがありますか?」と、聞いてみたのです。社長の返事は「いっぱい撮ったから、いくらでもあると思うけど・・どうして?」というものでした。

私は

「だったら、その映像を社長の会社のホームページにアップしましょうよ。そうやって、クライアントさんにさしつかえない程度に宣伝に使わせてもらいましょうよ。」

と提案したのです。

ところが、社長の返事は「いやあ、そこまでせんでも・・・」というものでした。

案の定、予想通りの返事だったのです。私は「だって、もったいないじゃないですか。そんなチャンスはめったにないんだし、いい仕事をして、顧客の評価も高かったんだから、大いにアピールすればいいじゃないですか。」と、畳みかけたのですが、社長の反応は「いやあ、そこまでして、世間に知らせんでも・・・わかる人にはわかると思うし・・・」と、煮え切りません。

さらに私が「そのことを知っているのは、どんな人たちなんですか?」と聞くと、「一緒に行ったスタッフはわかっているし、親しくしている人には話した。」というのです。まあ、その人たちが多少は口コミで知らせてくれるかも知れませんが、それではたかが知れています。私は「そう言わずに、何らかの形で外に向かって情報発信してみてくださいよ。」と念を押しました。社長は「うん、まあ考えてみるわ。」と、あいまいな感じで帰られましたが、私は、『このままでは、おそらく発信はなさらないだろうな。』と、思いました。この社長さんがアクションを起こすには、もっと私のプッシュが必要かな、と思います。

とはいえ、前述のように前向きで、いろいろと積極的にチャレンジもしておられる社長さんです。どこかで、ご自分のプロフェッショナルな部分を、さらにどんどん世間にアピールされていかれることを私は願っています。

さて、私が言いたいのはここなのです。今の世の中、業績が上がらないから、どうにかならないものか・・と、考えておられる経営者がほとんどです。そこで、相談を受けた私は、きちんとヒアリングして、何かきっかけはないかと探るわけです。そして、わずかなヒントでも見つけたら、「こうしてみたらどうですか?」と、ご提案します。ここで突拍子もない飛躍したようなアイデアをぶっつけたところで、できるはずもありません。

あくまでもヒアリングした範囲の中から、できそうなことを提案することになります。

ところが、それでも先述のように「いやあ、そこまでせんでも・・・」といった返事が実に多いのです。

すると私は、『あれっ!?!業績が上がらなくて困っているって言ってたんじゃなかったっけ?!?』と、思うわけです。『だったら、なんだってとりあえずやってみるんじゃないの!』と。しかし、現実には先のような反応が多いのです。

私は、現状を変える最も基盤となるのは、考えるか考えないか、ではなく、やるかやらないかだと思っています。

まず、行動に踏み出さなければ絶対に状況は変わりません。100年考えていたところで、今の状況は何も変わらないのです。

この、「とりあえずやってみる(トライアル)」という、パターンを身につけて行かなければ、現状を変えていくことはできません。

それにしては、特に地方の場合「そこまでせんでも・・・」が多すぎます。

また、ちょっとやってみてうまくいかなかったとき、すぐに気持ちが失速してしまう人も多いのです。

なにかに取り掛かったときは、この「そこまでせんでも症候群」を振り払って、自身の中のメーターが振り切るところくらいまでやってみなければ、それなりの結果というものは得られません。

多くの経営者にこのことをもっと自覚してもらい「そこまでせんでも症候群」から脱出してもらいたいと思います。

 

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