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商品リニューアルの成功ルール

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

新型コロナウィルスの出現を境に、商品サービスが自分(生活者=お客様)にとって必要なものか、必要でなかったものかどうかが問われています。単刀直入に言えば、生活者にとって、自社の商品やサービスの「クビキリ」が静かに行われています。

心やカラダが平常の時には見過ごされていることも、非常事態においては人としての感覚が研ぎ澄まされ「それまでのルール」を疑うようになる。だれもがこうしたことを体験したのがこの21世紀のパンデミックだと確信しています。

2021年2月9日の日本経済新聞朝刊12面に「スマホを“修理する権利”」という記事が掲載されています。欧州を中心に「環境配慮」を背景に「長く使う」機運が高まっています。国内でも、若者世代を中心に環境配慮を基盤にした買い物が定着しはじめています。自社の商品サービスが、まだ前時代的にガリガリと環境負荷を無視した商品サービスをつくっていれば、コロナ明けにはハジかれる可能性が高まります。

知人の体験です。高齢の母親からある日連絡が途絶えました。定期的にかかってきた電話がかかってこないのです。齢90才近く。様子を見にいくと「電話の掛け方がわからない」と話します。そのほか運動機能の低下など、認知症の症状と重なるのです。たまたま直近でMRIによる脳の検査をしていました。その時には異常が見つかりませんでした。急激な変化に違和感を覚えました。

結論から言うと認知症の症状は某睡眠導入剤の副作用でした。日本では“一般的によく使われている”薬です。しかし、インターネットで調べると海外では禁止されている国もあり、家族が海外の副作用に関する文献を見つけたのです。

あんまりだと思って主治医に問いつめました。すると「でしょう。この薬を飲むとボケますよねー」と、ドクターはひきつった笑顔で受け答えしました。Googleで検索するとクチコミ評価が高い病院です。が、身内が書き込んだのでしょうか、見透かされます。いずれ真のクチコミが拡散していきます。

コロナ禍、自社ファーストなのか、生活者やお客様をほんとうに大切に考えている企業やお店だったのか。生活者はよく見ています。御社が「こんなに大変なときなのに、ありがとう。」と言われる会社やお店だったかどうか。

カゴメはネット通販限定品で、野菜ジュースに紙ストローを導入することを発表しました。今は当たり前のプラスチック製品も、コロナ明けには生活者の意識が「脱プラ」へと進み、当たり前になっている可能性が高まっています。

時はバレンタインシーズンです。コロナ禍であっても菓子メーカーでは特設会場を設けて奮闘しています。が、これからの時代は、こうした贈り物ほど“エコ”を選ぶ機運が高まります。なぜなら人は体面を気にするからです。自家用ならまだまだコスパ重視。けれど、贈る相手には、地球にやさしい商品を選ぶ人だと思われたい。そんなバイアスがかかるのです。

生活者がお金を遣ってもいいと思う商品サービスの基準が変わってきています。そもそもコロナ禍で巣ごもりが進みました。「時短」という言葉から「私は私に時間をあげる」に変わりました。手料理、手芸、手書きやDIYなどがブームになっています。

手を動かすワークショップも、オンラインはもちろん、リアル開催ともに活況です。生活者は「自分でつくる」喜びを再発見しました。“手作り価値”のリニューアルです。これによって「欲しいものは自分でつくればいい」となっています。プロの商品サービスには、それらを超える何か、自分で作って楽しむこと以上の何かがなければ買うことはないのです。

生活者は、特長がない商品サービスであれば、無言でクビをキリます。地球負荷の商品サービスを放置している会社に対してもクビ宣告です。多様性について真摯に考えていない言動に対しても厳しくなるでしょう。

情報過多の中で、何が正しくて何がフェイクなのでしょうか。流行りのSNSは大切な友達のプライバシーを危険に晒すことはないのだろうか。リアルで人と人とが会うことのできない時代だからこそ、ネットを便利だと思う反面、危ないのではないかという真逆の感性が働きます。生活者とは「バランス」感覚の持ち主です。

コロナ明けの空気感があります。目の前には、元に戻った日常風景が広がるでしょう。しかし心の風景は変わりました。心の風景が変わることで、見ている風景も変わったことに気づき始めます。ゆえに、自社商品サービスのリニューアルは差し迫って重要な課題です。「なぜそれを商品リニューアルするのですか」。生活者は無意識レベルで企業に問うています。「どうやって」とか「何を」とか、ノウハウのストーリーはどうでも良いのです。それらはネットニュースレベルの雑談、話のネタでしかありません。

しっかりと「本物」の想い、考え方、思想や哲学を目覚めさせる時間が必要不可欠です。自社のヒストリーに眠るスピリット、お客様からの「ありがとう」の積み重ね、今自社に関わっている人びと・・・、原石のままで潜んでいます。それらを再発見することが、わたくしどもの商品リニューアルの起点です。

人口減を背景に、ビジネスのサイズをどうするか、どうしたら拡大成長できるか。子供たちの未来を考えると大切な視点です。わたくしは信じています。中小企業が真の商品サービスで、人びとの喜びにつながることを使命とすれば、おのずと国の成長につながっていくと。

時代の変化に調和する。心の変化とハーモニーを奏でる。本物の商品リニューアルが求められています。わたくしどもは創業から、御社に眠る原石を再発見し、真の商品サービスに磨きあげるお手伝いをしています。新しい風が吹きはじめています。生活者に選ばれる、心から喜ばれる本物の商品サービスをつくってゆきましょう。

 

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