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危機に、顧客を創造するための最重要事項

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング

代表 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

コロナ禍、感染が収束しない日々で、「お客さんのマインドが冷え切っている」というのが常識になっています。だからこそ、ハッピーニュースとハッピー商品を届けるのがわたくしたち商売をしているものの責務です。

都内に展開するスーパーマーケットの支援をしていた時のことです。今でも忘れられない生活者の生声があります。「なぜあなたは、商店街の個人店を利用しないで、〇〇スーパーを使うの?」という質問に対して30代の子育て中の主婦たちが個人店に対して以下のような話をしていました。

「店頭に腐りかけてる柿を売っていた」

「店員が古いものから買わせようとする」

「手にとって選びたいのに自由に選べない」

前述の主婦たちの言葉は矛盾に満ちています。なぜなら彼女たちは当たり前のようにネット通販を利用し、生協などの宅配も利用しています。だとすれば、そもそも「商品を自分の目で手にとって確かめる」ことなどできない状況で買い物をしています。

指摘すると主婦はこう言いました。「直接リアルでお店の人がいると苦情が言いにくいんですよね。だから買いに行かない。ネットは対面じゃないから気がラク、返品すればいいだけです」と説明していました。

人口減の時代、そしてコロナ禍、生き残りをかけて地域活性が叫ばれています。一店一店が、一社一社が、このような買い手のホンネと矛盾に向き合わなければ、お客様は戻ってはきません。真摯に考え取り組まなければ、生活者はますますネットで買い物をし続け、お気に入りのお店、お気に入りのネットショップへと直行するでしょう。

B級グルメ、著名人、ゆるキャラ、ドラマロケ地、ヒーロー、スポーツの祭典まで、さまざまな切り口で地域を盛り上げていく企画が求められています。人口減とコロナ禍の巣ごもりライフによって、ますます地域の生き残りがかかっています。どうしたら再び人が集まるようになるのか。どうしたらソロ活動のお客様に何度も来ていただけるのでしょうか。

人が集まる商店街や地域には、必ずお客様に支持されている魅力的なお店や会社があります。特長のある商品やサービスを“看板”にしています。その街が、商店街が盛り上がっているからお客様が集まる。そうではありません。一店一店が誠実に特長のある商売をしているから、そこに人が集まるのではないでしょうか。

そのお店が、会社自体がパワースポットになっている。ひとつひとつの店、ひとつひとつの会社がそれぞれに「ハッピーニュース」「ハッピー商品」「ハッピーサービス」を発信している。それに触れたくて、会いに行きたくて、そのお店で買い物をするのではないでしょうか。

全国の受験生に向けたお守りが話題になっています。”二度と落ちない”熊本城の瓦で制作したお守りだそうで、熊本市東区にある障害者の作業所が作っています。企画した会社の社長は20年の修復作業を一緒に見守りながら、みんなの応援で熊本城が立ち直っていくプロセスがうれしい、自社も歴史の一部になれたらいい、と語っています。

まずは自社がパワースポットになる。ハッピースポットになる。人と人とが出会うマグネットポイントになる。巣ごもり時代であれば、ITの活用によって、上手に表現することができます。

「お客さんのマインドが冷え込んでいる」と一括りにすることはやめましょう。ご家庭が節約マインドであっても「学習塾」は活況です。多くの親御さんは子供への投資をやめることはありません。

文具店では、万年筆はじめ、革小物などの高級文具が売れています。「いい万年筆を使って文字を書いたり、革アイテムのケアをしているとスッキリする」。そんな風に東京・銀座の老舗文具店でお客様が話していました。コロナ禍、自分を癒すための「ご自愛消費」という言葉も現れています。

今、大相撲初場所で幕内優勝を果たした埼玉県朝霞市出身の大栄翔が注目されています。例えば、午後8時45分からのNHKのニュース番組では連日取り上げていて、本人のインタビューに加え、お母さんのインタビューも流していました。ひとりで二人のお子さんを育てたそうです。大栄翔は「女手ひとつで育ててくれた母に感謝したい」とインタビューを結んでいました。コロナ禍、困窮しているひとり親家庭に希望と勇気を与えるエピソードです。

逆境だった一力士の「優勝」が嬉しいのはもちろんのことです。コロナ禍、地元はそれだけで、ハッピーニュースです。そして、コロナで孤独の時間を耐えている生活者、わたしたちの心を揺さぶるのは、大栄翔の人となりです。初優勝までの不屈の物語です。

その物語に、自分の人生を重ね合わせ、共感し、泣いたり笑ったり勇気をもらったりするのです。ああ、こんな時代だけどあきらめないでまた明日も頑張ろう、と背中を押してもらう。心理学的に言えば「行動変容」となるのです。

ゆるキャラやB級グルメという「特長」も大切です。ですがそれ以上に大事なのは、自分の街をなんとかしたい、自分の街のステキなところを知ってもらいたい! どうしても伝えたいことがある!! という熱量です。それはたった一人かもしれないし、たった一社でやっていることかもしれないけれど、その熱量に人は心を動かされます。

ドラマがなければ、人の心は動かされない。心が動かなければ人は行動しないのです。目の前を通り過ぎてゆくだけです。伝えたいことがあっても、素通りされてしまいます。伝えたいことがあっても、無視されてしまいます。ご縁が生まれないのです。もったいなくないですか? そもそも伝えることがないとするならば、どうして商売をしているの?

たった一人、たった一社のエネルギー、その狂った熱量そのものが、街おこしであり、商店街活性化です。商品サービスも同じです。いい商品もいい会社も、たった一人のとてつもないエネルギーから生まれます。たった一人の熱量が、福の神だけでなく、鬼さえも味方につけていきます。みんなでやる必要など、ないのです。

巣ごもりの時代に、生活者の心を動かすのは、理解を超えてしまうようなバカエネルギーです。生活者はそうしたエネルギーを敏感に感じ取ります。ネット検索の時代になってますます、マニアックな熱量に魅力を感じる人が増える傾向にあります。

スピードと熱量は比例します。自社商品を変えることだけが商品リニューアルでありません。自社の特長を、自社の思想や哲学を、伝えたい物語を、「どうしても伝えたいことがある」という強い思いに昇華させ表現していくこともまた、商品リニューアルのひとつです。

生活者のマインドを言う前に、自分自身のマインドを全開で気分を上げていっていますか? コロナ脳になっていませんか? コロナ以降、お客様はますます商売にエンターテイメント性を求めています。買い手のイメージの中には必ず「観たい絵」=「欲しくなるイメージ」が必ずあります。自社の熱量と、受け手のイメージの“調合”こそが、勘所でありキモになります。自社満足を捨てて生活者の「うれしい」に合わせることがポイントです。

 

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