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真実の瞬間に全力を注ぐ

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

先日、とある公的機関に対し、手続き上で不明な点の問い合わせをメールで行いました(テレワークにより人手不足で電話対応は困難とのこと)。ところが、10日間何も連絡がなく、仕方なしに電話で改めて問い合わせをしました。もともと先方に即レスなど期待しておらず、下手すれば1週間はかかるかもしれないな…と覚悟はしていたのですが、こちらの予想を上回るあまりの遅さに、心配になって連絡せざるを得ない状況でした。

結局3人に電話を回され、最終的にメールを受け取った担当者から折り返し連絡がありました。まあ、公的機関の対応ではよくあることだと思います。私も最初から期待していませんでしたので、特に感情的になることもなく、担当者からの連絡を淡々と受けました。ですがさすがに相手は1枚も2枚も上手です。聞いてもいないのに言い訳から始まり、質問に対して的外れの回答をし、なぜか上から目線の刺々しい対応で、怒ってもいなかったこちらの感情を逆なでしてきます。

何か試されているのかと思いましたが、あまりの対応の酷さに、当人に対してその点を指摘してしまいました(何も変わらないとは思いますが)。まだまだ修行が足りなかったと反省しています。

さて、上記は極端な例として、皆さんも官民問わず、あまり気持ちの良くない対応をされたご経験はあるかと思います。私も行政については半ばあきらめていますが、民間の小売、飲食、サービス業など、接客対応がキモのサービスとなる業種でも「えー!?」と驚くようなヤバイ対応をされたことが相当数あります。

これらのヤバイ対応をする企業は、スタッフに対して単に教育訓練ができていないのかもしれません。しかし、商売ではない行政サービスも含めて、いわゆる「顧客接点」に関わる重要性を理解していない人(特に経営者、幹部などの上層部)が多すぎる気がしてなりません。

顧客に直接的に関わる「真実の瞬間」がどれほどその企業、組織のイメージを左右するか。これはどれだけ強調しても足りないくらい最重要な論点です。ちなみに、「真実の瞬間」とは、赤字が続くスカンジナビア航空をたった1年で再建したヤン・カールソンにより提唱された考え方です。顧客が企業の商品やサービスに接するあらゆる瞬間が「真実の瞬間」であり、ここでの対応次第で、顧客がファンになるか、二度と利用しなくなるかが決定づけられます。

「真実の瞬間」では、顧客はほんの些細なことで感動し、ほんの些細なことで失望します。単に感じが良いというだけではなく、本当に顧客のことを考えた言葉や行動が「顧客の琴線」に触れ、満足から感動へと心を動かすきっかけとなるのです。

冒頭の例のような、明らかに「感じが悪い」というのは論外です。しかしながら、無意識に、何も知らずに最悪の対応をしてしまう企業は後を絶ちません。たった1回の「最悪な体験」は顧客に対して相当なインパクトを与え、多くの場合、二度とその商品・サービスを利用しなくなります。

経営者の皆さん。御社にとっての「真実の瞬間」はいつでしょうか。まずは皆さん自身が「真実の瞬間」の重要性を理解し、その考え方を全社員に浸透するべきだと私は思います。たった1回の失敗で顧客を失わないためにも。

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