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パーパスと戦略の関係

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

最近あちこちでよく聞かれるようになったカタカナ言葉の一つに「パーパス」があります。受験英語的には目的、という訳が当てられていると思いますが、企業経営に即して言えば「何のために」その事業をやろうとするのか?を可視化したもの、という説明が分かりやすいと思います。社会から是認された課題解決を目指す会社の基盤、拠りどころを表現したもの、とも言えるでしょう。実際には「ミッション」「フィロソフィー」あるいは「ビジョン」などと呼ばれる形でまとめられている例が多いと思います。

ホンダの例を見ると、「基本理念」として「人間尊重」という考え方が語られています。ホンダと言う会社が社業を通じて人間尊重を実現する「ために」存在している会社であることが見て取れます。
https://www.honda.co.jp/guide/philosophy/

その基盤上に打ち立てられるのが「戦略」です。よく言われるのが「誰に、何を、どのように」という視点ですが、ホンダの場合はそれを社是として「世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給する」と、極めて明快に表現されています。これを読むと、ホンダがその企業存立の目的とする「人間尊重」を実現するためにどんなことをしようとしているのかが見えてくるわけです。その意味でパーパスと戦略はしっかりとつながっていることがわかります。

このような考え方は何も企業経営に止まらず、社会が抱える課題を解決しようとする場合にも当てはまります。国際社会が持続可能性の追求を目指すSDGsもまたその例外ではありません。

SDGsの場合はその前文となっている「アジェンダ2030」と言う文章が戦略にあたります。それは「我々の世界を変革するために」(=パーパス)合意された目標であり、「すべての国及びすべてのステークホルダー」を対象として(誰に)「世界を持続的かつ強靱(レジリエント)な道筋に移行させるために緊急に必要な、大胆かつ変革的な手段」について(何を)「、協同的なパートナーシップの下」(どのように)実行するのかが明確に示されています。

背景となる社会課題は1992年のリオ地球サミット以来議論されてきた持続可能性の危機であり、具体的には気候変動に代表される地球規模課題(南北問題や保健衛生の問題も含まれます)があります。

そう考えると、ホンダの事例でもクルマやバイクを作ることでモビリティという社会課題を解決してきた会社であることが想起され、企業のスタートもまた社会課題の解決であったことが見て取れます。

パーパス、あるいはフィロソフィー、そして戦略とつなげて考えようとすると、どうしても抽象的な議論が中心になるため、消化不良を感じる方も少なくないかもしれませんが、元々の社会課題と解決策までさかのぼって考えると、その解決策そのものがパーパスの端緒であったことが見えてきます。そんなふうに考えると、会社が目指すべき方向性も意外とあっさり理解できるようになるのではないでしょうか。

「何のために」。新しい年に向けて、会社の基盤を今一度振り返ってみてください(年末の大掃除のようなものかもしれません)。来るべき新しい年に向けて思いを新たにされる中で、必ず新たな発展のヒントが見えてくるはずです。「何のために」と言う視点を大切にする経営者を、当社は常に全力で支援しております。

 

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