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社員にデジタルツールを押しつけずにIT化を果たす

鈴木純二
SPECIAL

顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント

ベルケンシステムズ株式会社

代表取締役 

顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。

鈴木純二

「鈴木さん、社内業務をIT化したいのは当然のことなのですが、いかんせん社員がアナログな人が多くて進められないのです」という言葉を、あちこちの会社で聞いたことがあります。例えば農業系法人であれば、「現場=圃場=屋外で泥にまみれる」という状況なので、そこにいくら防水タブレットを持って行っても使う人があまりにも使いにくい。無理に導入してもいずれ使われなくなってしまう、という事例には枚挙にいとまがありません。また、機械加工をしている工場現場でも油汚れがかなり気になるので、パソコンやタブレットが敬遠される現場でしょう。キーボードなど見せたりしたら、それだけで拒絶されてしまいます。

そのような企業には、「アナログ社員にはアナログのままで居て頂く」という選択肢を示すと、大体の場合は「目からうろこが落ちましたよ!」と言われます。代表的な「アナログ解決策」を少し紹介してみましょう。

・OCRを使う

OCRは、紙に書かれた文字を認識してコンピュータで扱えるデータに変換してくれるソフトです。かなり昔から商品展開されているのですが、文字認識率があまり高くないことが課題でした。しかしここ最近のAI搭載型OCRの場合、文字の認識率が飛躍的に向上しており、数字やアルファベットならほぼ完璧に認識できるようになっています。手書きであっても、です。これをうまく業務プロセスの中に組み込むことができれば、現場では紙と鉛筆で伝票に書いてもらい、それをOCRで連続読み込みしてシステムにデータを格納することが可能になります。これならどんなにアナログな社員で固められていても、PCを扱うチームさえできれば彼らが全部データ化することができ、一気にIT化が進みますね。

・デジタルペンを使う

これは少しニッチな商品なのであまり知られていませんが、電池を搭載した専用のボールペンと、そのペンに対応した用紙を使って記入した文字や記号をデジタル化してしまう、というものです。紙は普通の用紙にプリンターで印刷して作ることができ、それをよく見ると細かいドットパターンが印刷されています。ペン側に搭載された小型カメラによってそのドットパターンを認識し、「どこに何が書かれたのか」の情報がペンに自動保存されます。保存されたデータは無線通信などでPCに取り込むことができるので、それを社内システムに接続することで、「紙とペンがキーボード代わり」になるのです。しかも、ソフトウェアの作り方によっては単に文字をデータとして認識するだけでなく、紙の書式に「機能ボタン」を印刷することも可能です。そこにペンで印をすることで、「パソコンのソフトの上でチェックボックスにチェックを入れる」と同じ操作をすることも可能です。文字で説明すると以上なのですが、ちょっと特殊なので実際に触ってみないと伝わらないかもしれませんね。当社にもサンプル機がありますのでお声がけ頂ければデモも可能です。

これ以外にもまだまだアナログ操作ができるデバイスや手段はいくつもあります。当社の事例ではありませんが、市販されているAIスピーカーを使って音声で入力するという事例もありますし、外見は平凡なスイッチなのに、それを押すとソフトウェアがデータとして認識する、というものもあります。これらも比較的安い費用で導入できるので、全く夢の話ではありません。

以上の様に、「システム=キーボード操作が必要」という既成概念は捨て、世の中に存在するアナログ系デバイスで社内のシステム化を進める、という選択肢があることを理解した上でIT化に挑戦するのも良いと思います。

少しワクワクしてきませんか?

多少なりともヒントになれば幸いです。

 

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