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経営者ならブレずに創業時の「想い」を貫け!

SPECIAL

銀行活用で新規開拓コンサルタント

株式会社結コンサルティング

代表取締役 

銀行活用で新規開拓の仕組みづくりを行うスペシャリスト。31年間の銀行員経験で、法人4,000社以上を担当、審査部担当者としての企業審査は1,000社超の実績を誇る金融のプロフェショナル。
売上が倍増した雑貨メーカー、バックメーカー、新事業を立ち上げた化粧品メーカー、更には海外進出に成功した事例など、累計で100社以上の会社を成功に導いた実績を持つ。

「ご相談があるのですが、ちょっとよろしいでしょうか?
実は、従業員が辞めたいと言ってきておりまして、どう対処したらいいものかと思いまして・・・創業初期からの戦友なので、できればこれからも一緒にやっていきたいと考えているのですが、仕組みづくりをしていくのが不安・不満なようで・・・」──普段は物静かな社長ですが、悩みを一気に吐き出すような早口でご相談をいただきました。

随分とお悩みの様子でしたので、じっくりとお話を伺いました。
要約すると、社内に仕組みを導入していこうとやってきたが、この従業員の方にとっては従来のままの方が居心地よいとのことで、何かと反発をしてきていた。

今回、仕組みづくりの大枠ができたので、これから社内に実践・定着させていくつもりで、この従業員に個別に面談をして協力依頼をしたところ、退職の申し出があったとのこと。

結論を申し上げると、「仕組みづくりに限らず、組織が変わる時にはよくあることであり、変化についていけない・ついていきたくないのであれば、辞めていくのは仕方ない。新しい組織に合致した人を別途、採用すればいい。」となるのですが・・・

どうしても社長の気に掛かることがあるのです。
そうです、「創業初期からの戦友なので、何とか一緒に働いて欲しい!」という感情です。
経営者であれば、この感情は共感できるのではないでしょうか?

社長としては、利益・売上を増加させるために仕組みづくりを模索・実践しようとしていたところ、古参の従業員からの反発があり、歩み寄りのために協力を依頼したところ、退職の申し出があった・・

みなさんの会社でも過去にこのような事例がありませんでしたか?
システムを導入する際や、緊急事態宣言などでオンライン業務に移行する際などにも、従業員から同様の反発や退職の申し出となった事例が多数ありました。

システムであれば、入力作業やシステムの操作方法を覚えるのに手間がかかる割に効率が上がらない・・・オンラインでは、画面越しでは相手先の温度感や臨場感が伝わらないので、交渉事をうまく進められない・・・など、一見もっともらしい理由を従業員は言ってくるのですが、それは現状維持での話であり、我々経営者が目指しているのは「その先の未来」です!

システムを導入したり、オンライン業務にシフトすることで、現状の2倍、3倍、10倍・・・といった利益・売上を達成することを目指しているのです。特に、創業してからある程度の規模(利益数千万円、年商数億円程度)になり、それ以上の利益・売上をあげようとしてもなかなか達成できない場合には、殻を打ち破るためにシステム化やオンライン業務へのシフトだけでなく、(事業内容の見直しまで含めた)稼ぐための仕組みづくりが不可欠なのです。

特に、創業社長であれば、創業時の「想い」を強くお持ちのはずです。
その「想い」を貫くためには、利益・売上を積み上げていかなければなりません。
そのためには、組織のトップとしてリーダーシップを発揮して、組織を発展させていかなければならないのです。

とはいうものの、「創業初期からの戦友なので、何とか一緒に働いて欲しい!」のであれば、従業員が反発したり、退職の申し出をする理由を考えてみましょう。

その理由の主なものは、現状維持バイアスと言われる心理作用が影響しています。
現状維持バイアスとは、自分の知らないことや経験したことがないことは受け入れたくないという心理的作用のことです。 たとえ有益であることがわかっていても、未経験のことは「安定した状態でなくなる」ということでマイナス思考に陥ります。 また、失敗を恐れて「現状維持を望む」という人間の心理です。

このため、従業員に現状維持バイアスを乗り越えてもらうには、次のような対応が効果的です。
①未経験のことをやることで「安定した状態でなくなる」という心理には、やることでどのような結果をもたらすことができるのか、なぜ安定した状態を変えてでもやるべきなのかを数字やメリット・デメリットで認識させる。

②失敗を恐れて「現状維持を望む」という心理には、会社が成長するには常に外部環境の変化などに対応していかなければならず、それができなければ衰退・倒産しかないというように「現状維持こそが失敗である」と認識させる。

これらを従業員にきちんと認識させるとともに、経営者であるあなたが会社を今後どのようにしていきたいかを明文化することで、現状維持バイアスを乗り越えさせることができるはずです。

特に、「創業初期からの戦友」であれば、創業時のあなたの「想い」に共感して、一緒に戦ってきたはずであり、創業時の「想い」を貫く姿勢を示し、今一度一緒に成長していきたいという気持ちを伝えましょう。

それで気持ちが変わり、一緒に働くことができれば嬉しいですし、そうならなければ仕方ありません。最初に申し上げた通り、「辞めていくのは仕方ない。新しい組織に合致した人を別途、採用すればいい。」と割り切って前に進みましょう。

経営者は「外部環境などの変化」に常に対応し続けなければならないのです。
変化に対応できなければ、成長できないどころか倒産しかありません。経営者は事業の収益構造自体を常に変革・決定していく必要があるのです。

このため、会社が成長していく段階や事業・業務を変革する際には、必ず同じような問題が発生します。会社を経営していく以上、このことは避けては通れません。経営者なら必ず対峙しなければならない課題だと認識した上で、対処していきましょう。

経営者は孤独であり、いろいろと悩むことも多いかと思いますが、迷った際には創業時の「想い」を今一度思い出して、その「想い」を貫き通すためにはどうすればいいのかを考えれば自ずと答えは見つかるはずです。

経営者であるあなたが考え、行動することによって、これまで一緒に働いてきた従業員だけでなく、これから一緒に働くことになる従業員の共感を得ることができ、全社一丸となって業務に邁進できる環境が整うとしたら・・・

あなたは、経営者としての「想い」をどのようにして貫きますか?

 

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