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社員にはできない社長の仕事とは

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

クライアント先の社長さんと話していると、発想が他の社員さんとは明らかに違うと感じさせられることが少なくありません。端的に言ってしまうと、事業の全責任を負っている人間とそうでない人間との差に起因するものなのですが、それは何だと思われますか?

重要書類を作るのは、前線で仕事をしている社員さんの方が何倍もうまく作ることでしょう。客先での説明も、社長が頑張れば成果は出やすいと思いますが、工夫して社員さんに同じことをやってもらえるようになれば、売り上げは何倍にも伸びることになります。

難しい場面の意思決定も、それが事業遂行に関するものであるなら判断基準を作って明確化しておくことで、幹部社員がその決定を担うことはあながち不可能ではありません。むしろ大会社ではそうなっていないことの方が珍しいとさえ言えます。大会社の取締役になると、判断基準に基づいた意思決定を任されることはむしろ当たり前で、その部分についてはあたかも社長になったかのような時間を過ごすことができたりします。

問題は、判断基準がないような意思決定の場面がやってきたときです。大会社の取締役は元来サラリーマンですから、「これは自分の手に余る」と判断すれば即、その事案を上位者や取締役会などの会議体へと回すことでしょう。それは適切な判断ですし、単なる取締役は社長ではないことを如実に現す場面であるとも言えるのです。

企業規模の大小にかかわらず、オーナー社長は違います。それがどんなに大きなことでも小さなことでも、判断基準が社内に存在していないすべての意思決定を、自らの責任において結論づけなければなりません。大企業との業務提携も、反則切符の支払いも、基準を決めていないすべての仕事は社長が責任を持って意思決定する、そしてその顛末を社員に納得してもらい、手続き業務を代行してもらうという手順を取ることになるのです。

社員の側は、なにせ基準のない仕事ですから、社長がどういう理由でどのような意思決定をしたのか、知りたがるのが普通です。そうしないと思い込みが先行して、社長の思いと異なる措置をした、というようなことにもつながりかねないのです。ところが社長さんは忙しい。気を付けていないと説明半分で現場を離れ、あとから結果が違っていた、というような取り返しがつかない結果になることも少なくはありません。

だからこそ社長さんの仕事は、社長としての発想や考え方を、社員に分かりやすく伝えることが最重要である、と言えるのです。理由を自分のコトバでしっかり説明して、だからこうしてほしい、だからこうすべきだよ、と言った論法で、社員に自分の考えを適確に伝えるように努力してください。この仕事だけは、絶対社員には担当できない仕事なのですから。

 

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