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複数店見れる店長が生まれてくる企業にある「モノ」とは?

SPECIAL

チェーン企業のマネジメントの仕組み構築コンサルタント

株式会社ピアーズ

代表取締役 

マネジメントの仕組み構築のスペシャリスト。
これまで20年以上チェーン事業に身を置き、実際に15の組織のリーダーを務め、200以上の経営に関わり売上、利益を上げてきた経験を持つ。チェーン事業の売上が兆単位の企業や創業40年以上の歴史を持つ企業にさえマネジメント面の仕組みが1つも存在していない事に疑問を持ったことから、チェーン事業に共通するマネジメント面の仕組み構築方法を体系化。その効果は大きく、マネジメントの半ば自動化と質の向上により、クライアント企業は利益2~3倍増、業種によっては仕組み実装の初月から数値を跳ね上げさせる指導を展開している。

「店長、もう一店見れるか?」
  「ハイ」

「間髪入れずの『ハイ』には驚きより、逆に疑問を抱いてしまいましたよ」
「君はそんなに暇だったのか?と」

当社のセミナー(複数店見れる「店舗経営者」「エリア経営者」の育て方)
https://www.jcpo.jp/archives/63250 をご覧になり、複数店見れる店長が誕生してくるようになった企業の社長がおっしゃいました。

 

この「店長が何店も同時に担当できる」という要素は、業績(特に利益面)を上げていくには、外すことができません。
店長が担当できる店舗が増えていくほど、店長の人件費がかからなくなるからです。

 

ただこれはいくら社長がそうしたくても、簡単には実現できません。
強引に行ったとしても店長が潰れてしまうことは目に見えています。
その為、チェーンビジネスを何年も何十年も続けているが「1店に1店長が当たり前」という企業がほとんどです。

では実際に実現できてしまう企業は何が違うのか?

 

1つ挙げますとそれは「店長が複数店見れる仕組み」を社長が先に手に入れているという点です。

 

なかなか実現できない企業がとる手段で多いのは、社員やスタッフを巻き込んで「我が社は店長が複数店見れるチェーンを目指そうじゃないか」という形です。
つまり社長の手には仕組みがまだ存在していない状態からのスタートです。

 

社長としては、まずは何人かの店長が複数店を見れる人に育ってもらえれば「そうか、そうやればいいのか」と他の店長達の模範、指導役となってくれますので、「まずは特に優秀な〇〇店長を・・・」と、動きたいところです。

私はこの方法を否定したいわけではありませんが、お薦めはしていません。
その理由は、各店長が「複数店見れる店長ばかりの会社」の、どのポイントに魅力を感じてもらえるのか?がわからないからです。

 

個人個人に好き嫌いがあるように、人は何かに対して魅力を感じるポイントはそれぞれ違います。 

社長としては、一番優秀な店長から「社長、私は複数店見れる店長、第一号になります!」と力強く宣言されるほど、店長にやる気を持ってもらうべく、「店長、当社が複数店見れる店長だらけになるということは、こういうことになるんだぞ」と、その店長にドストライクな魅力を伝えたいところです。

 

しかしそれが一番大変なのです。

「その店長がどこに魅力を感じてもらえるのか?」そう簡単にわかりません。

「〇〇店長はきっとこう言えば、その気になってくれるに違いない」という社長の想定は、残念ながら高い確率でハズします。

いくら「私は〇〇店長とは長い付き合いですから」とか、「私は社長になるまで何年も社員だったからわかりますよ」とおっしゃる社長でもハズしてしまいます。

スマートフォンを初めて手にした人が、どんなアプリに興味を惹かれるかがわからないように、
初めてゲーム機を買ってもらった子供が、どんなソフトに興味を持つかわからないように、

それほど人は、魅力を感じるポイントは千差万別と言えるほど違いがあるからです。

 

そしてハズしてしまうとどうなるのか?

 

店長に持たれてしまうのは「会社からの圧力」です。

ハズした後も「こういうふうになるんだから、な、がんばりなよ」などといくら説得を重ね、店長から「やってみます」と言われたからといっても、それが本心かどうかは怪しいところです。

社員やスタッフが自分の本心ではなく、会社に言われたから仕方なく動いているという組織が、その後どうなっていくのか?は、ご想像の通りです。

 

「だったら、本人に『何に対して興味を持つのか?』直接聞けばいいじゃないか」と突っ込まれる方もいるかもしれません。

しかし、事はそう単純ではありません。

なぜなら「人が魅力を感じるポイントを堂々と公言したくないから」も理由の1つにありますが、肝心な本人も「自分が何に魅力を感じるのか?」わかっていないからです。

 

あるAさんとBさんのエピソ―ドです。今から数年も前の電気自動車が日本に走りはじめた頃の事です。

Aさんは電気自動車の素晴らしさがわかっていて、自家用車はもちろん電気自動車に変更。
その良さを全然知らないBさんにもわかってもらいたいからと、あれこれとその魅力を日々説明していました。

しかし、興奮気味のAさんに比べ、Bさんはというと「フーン」ばかり。
興味を持ってもらえるどころか「給電大変じゃない?」「高いでしょ」など逆に否定的だったのです。

ところが数カ月後、急にBさんがこう言ってきたのです。
「Aさん、私も電気自動車を買ってしまいましたよ、ホラ」

 

驚いたAさんがどうして急に心が変わったのか?聞いてみたところ、Bさんがある日、家族でレンタカーでドライブしようかとなった時、ガソリン車があいてなく、しょうがなく残っていた電気自動車を借りることになりました。そして実際に運転してみてびっくりしたから、とのことでした。

面白い事に、Bさんが電気自動車に魅力を感じた点はAさんが必死に説明していたエコや、静音性などではなく「発進時の滑らかさ」だったのです。


Aさんは思わず 「え?、そこ?」
そしてBさん自身も 「うん。なんかわからないけど、そこ」 と笑顔。

 

 

チェーンビジネスにおいて「複数店見れる店長」を確立したい場合、お薦めする社長の最初の一手は、社長自身がその完成形を手にすることです。
電気自動車がどういうものなのか?わからなければ言葉で説明するより、実際に運転してもらった方が早いように。
スマートフォンがどういうものなのか?判らない人にはLINEを使えばとか、電子マネーとしても・・・など説明せずとも実物を与え、好きにいじってもらった方が早いように。
完成形を使ってさえもらえれば、その人は「これはスゴイ!」と自分さえも分からなかった点に魅力を感じてもらえるからです。

「いいか店長。こうなっていくんだから、チャレンジしてみなよ」など説明する必要がありません。

説明する必要が無いということは、時間もコストもかかりません。

そして、最悪な「魅力のポイントをハズしてしまい、会社からの圧力を感じてしまわれる」ということも発生しません。

各店長は、まるで初めてゲーム機を手にした子供のように、勝手にのめりこんでいきます。
いちいちゲーム機の操作方法を説明する必要さえありません。

各店長達は「そうか、店長が複数店見れる企業ってこんな事になるんですね!」と勝手に魅力を感じ、それぞれが夢中になって、大きな結果を出し続けてくれるようになっていきます。

 

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