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人は育つのか?YES。勉強会・研修・唱和が社員育成に有効でない理由

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

当社には、毎月沢山の相談が持ち込まれます。
その中で多い内容の一つが、「人が育たない」というものです。

私は、そんな会社の社長に「今の取組み」を確認します。
すると、次のものが返ってきます。

  • 勉強会:社長自ら講師になって理念や経営計画書の勉強会をやっている。
  • 研修:定期的に、外部の講師を招き社員全員で研修を受ける。ディスカッションする。
  • 唱和:毎日の朝礼時には、全員で大きな声で理念と行動指針を唱和する。

熱心にその取組みをされている会社は少なくありません。
しかし、これらの取組みでは、人が育つはずがないのです。


人は育つのか?そして、人を育てることはできるのか?
その答えは、YESです。
人は育つし、人を育てることはできます。

では、人は何によって育つのか?
それは、『環境』です。
人は、環境によって育つのです。これが原則です。

自分の子供のことを考えてみると解ります。

  • 子供を夏のキャンプ合宿に行かせる、1週間後には真っ黒に焼け、満面の笑みで帰ってきます。そんな彼も、家に親がいないと、一日中、テレビを見てゲームをしています。
  • 子供をどの学校に行かせるのかも非常に考えるものです。その学校の考え方や、同級生の「性質」が大きな影響を与えるからです。また、どんな友達と付き合うのかも気になるところです。

と、我々は、『環境』の重要性を知っているのです。
その子供は、親という一番大きな環境の影響を受けることは解っています。そして、彼を大きく成長させるためには、そこから違う環境に出す必要があることも解っているのです。

社員も一緒です。
彼らも、『環境』によって、育つのです。
社員にとっての代表的な環境は、以下のものがあります。

  • 上司:部下にとって、一番の環境は上司。仕事ができる上司につけば、その姿勢やスピードを自分も体得するようになる。
  • 目標:自分がやったことがないことや、達成したことがないレベルのものを与える。それをこなすために、必死に勉強し、行動する。
  • 役職:チームリーダーになる、課長になる。いざ自分がその立場になってみて、初めてその役目の大変さと自分の課題に気付く。また、責任感が生まれる。
  • ジョブローテーション:営業から開発に、製造から企画へ、職種を変更する。

社員は異なる環境を与えられます。だから、育つのです。
そういう意味では「育つ」という言葉よりも、次の言葉の方がその特性を正しく表現しています。
「適合する」

新しい環境に入った時、社員は、そこに適合するのです。その方向性が会社の意図する方向に行った時に、「育った」となるのです。
その適合に、良いも悪いもありません。社員は、その環境に馴染むだけなのです。
(当然、社員にも自我があります。その納得できる範囲で適合します。それが許せない時には会社を去っていきます。)

いくら言葉で諭しても、ダメなのです。
「もっと考えろ」、「積極的に動け」と言葉で相手をどうこうしようとしても無駄なのです。
それでは、何のスイッチも入らなければ、育つこともありません。
あくまでも環境を変えるのです。

同じ『環境』を与えながら、育たないと嘆いてはいけません。
その時には、その本人の環境が変わったのかどうか考える必要があります。

管理者に任命したが全く機能しないし、育たない。この時に起きていることは、その管理者はいままでと同じ仕事を持っており、それをこなしているということです。
その社員を「管理者」に育てる(適合させる)ためには、彼の環境を「管理者」の仕事で先に満たす必要があります。

だから先に仕組みなのです。
社員を「管理者を動かす仕組み」に載せると、それに適合していきます。管理者らしくなるのです。
新入社員を「営業担当を動かす仕組み」に載せると、それに適合していきます。営業担当らしくなるのです。
そして、次の社員もそこに載せれば、同じように適合していきます。
会社は、人を育てる仕組みを持つに至るのです。

社員が育たないという会社には、これが無いのです。
新入社員や中途採用者は、マニュアルも無ければ、オリエンテーションもありません
一連の業務を覚えた若手は、その業務を何年もこなすことを求められます。
新任の管理者は、管理者の役目が解らず、管理者のルーチンワークもありません。
何に適合すればよいのか解らない、適合する環境がない、から育たないのです。

冒頭の施策を確認すると、育たない理由もここにあるのです。
勉強会、唱和、研修、、、これらの取組みには『環境』の変化が無いのです。
自分を適合させる環境に、何も変化が無いのです。日々の業務は変わらないのです。
そのため、一時、モチベーションは上がったとしても、すぐに元に戻ることになります。元の環境に適合するのです。

人を育てるとは、新しい環境を与えることを意味します。
上司を変える、目標を与える、役職を与える、ジョブローテーションする。
これらは、環境の変化を起こしているのです。

くどいようですが、だから仕組みなのです。
人を仕組みに載せるのです。すると、仕組みの恩恵を受けることになります。
先輩たちも仕組みの議論をし、仕組みの改善を続けています。
その結果、その社員も仕組みで考え、仕組みを改善する社員に変わっていくのです。

人を育てようと思ってはいけません、
人を適合させることを考えるのです。

適合させる環境を準備する、これが先です。

 

 

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