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人が採れない時代だからこそ、其々のステージで採用できる人材を上手に活かす

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

この日は、インターネットサービスを展開しているN社のコンサルティングです。
「先生、業績は昨年対比120%で推移しています。10月は過去最高になる見込みです。」
その話の内容とは裏腹に、N社長の顔は晴れていません。
 
 「営業担当者の募集を掛けているのですが・・・。以前なら大手の求人媒体に掲載すれば、数も質もそれなりの応募者が来たものですが。」
 
 仕事はある、しかし、人がいないために取りに行けない。
昨今、このような会社が非常に多いのです。
 
 それどころか、人が採れずに潰れていく会社も出て来ています。
我々は、人の確保のための抜本的な対策を迫られています。


年商数億企業から年商10億企業に進む過程における『人の調達と活用』について確認をしておきましょう。多くの会社は、次の過程を踏んでいきます。
それは大きく4つのステージに分かれており、当社のコンサルティングでは、これを狙って取り組んでいきます。
 
 一つ目のステージ:女性パートの活用
年商数億の会社では、優秀な人どころか、並みの人を採ることも困難です。
そんな中、チャンスがあるのが、「女性」の「パート」です。
 
 彼女たちは、結婚や子育ての事情から、「近場」と「短時間」、そして、「休みやすさ」を優先します。また、「人生の一時を働ければよい」という意識があります。
そのため、大手中堅企業ではなく、数億円という小規模の会社にも目を向けることになります。
露骨な表現をすれば、「お互いそこにしか活路はない」となります。
 
 そこには、並みの能力を持ち真面目にこなしてくれる人が、高い割合で居ます。
また、パートといえども、自分の能力を発揮し充実したいと考えている人も少なくありません。
年商10億への道の最初は、「女性パートの活用」となります。
 
 実際に、このタイミングで入った女性が、その後その会社のNO2的な立場になっていることは少なくありません。当社のコンサルティングを社長と共に受ける女性の半分は妻で、半分は「数億規模という初期」に入社した方です。
私はその経緯をお聴きすると、「人生解らないものですね~」と彼女らと感想を共有します。
 
 二つ目のステージ:高齢男性
女性パートの次に考えるべきは、高齢男性の採用と活用です。
その年齢は50代、60代が中心になります。
 
 彼らは、我々の会社に不足するものを持っています。
BtoBの営業を長くやっている、中堅企業で管理部に勤めていた。
仕事の基本が出来ている彼らは、専門知識が無くともその経験ですぐに戦力となってくれます。また、その大人の態度は、他の社員の見本となります。
彼らの力を自社に取り入れることが出来れば、大きく会社を前進させることができます。
 
 彼らは、「自分の残りの人生を、若い会社のために活かしたい」と思ってくれています。
また、「今の会社(大企業)にこのまま居て定年退職を迎えるよりは、小さい会社で長く働く方がよい」という考えも持っています。
人生でお金が必要になる時期も過ぎていることから、低い給与額という条件も受け入れてもらえます。ここでもお互いの利害が一致しています。
 
 このステージでは、本当の「幹部人材」の出会いはまだ早く、期待するべきではありません。
大手法人営業や施工管理、管理部という仕事をしっかり回してくれれば十分です。
 
 「女性パート」で坦々と内部を回す、「高齢男性」にスペシャリティの高い仕事を担ってもらう。この期間に、内部の分業とそのための仕組化を進めます。
 
 ステージ3.正社員の女性
この時期になると、「正社員のまともな女性」が安定して採れるようになります。
新卒採用だけではなく、20代の中途採用でも、応募者は増え質も上がってきます。
 
 明らかにそのレベルはあがり、そこそこの学歴を持った人やその地域の名がある企業からの転職者も混じるようになります。
この時期に、会社としてのPDCAサイクルを回すことで、社員主体による改善の風土をつくることができます。
 
 この段階でも男性の正社員の応募はあるものの、それほどレベルは高くありません。
もう少し「採用しては辞める」の繰り返しを我慢することになります。
 
 ステージ4.並みの男性社員
遂に、並みの男性社員が採れるようになります。
いままでのような偶々ではなく、応募者の母集団全体が各段に上がっているのを感じることになります。そこに優秀な人材もちらほら居ます。
 
 この時には、強い事業モデルがあり、仕組みで回っており、組織が機能しています。その業界、その地域でも、少し目立つ存在になっています。
会社と各部の業務は女性によって確実に回されており、その中で男性が外に狩りに行ったり、何かを追求するスペシャリティ(オタク)な役割に注力していたりします。
 
 この順番で年商数億円から年商10億円に駆け上がっていきます。
 
 其々のステージで、採用できる人材を上手に活かし、
其々のステージで、必要となる仕組みを獲得していきます。


この時のN社にも、事業、仕組み、組織が揃いつつありました。
三つ目のステージである正社員女性は安定して採用できるようになっていました。
優秀な男性社員が採用できるようになるのも時間の問題です。
 
 しかし、コロナ禍明け急激にその状況は変わりました。
人が全く採れなくなったのです。
 
 大手求人媒体をかけても、応募は数件ある程度です。
そして、全員が本来なら採用できないだろうと思われるレベルの方ばかりです。
人材紹介会社からは、報酬は年収の40%と提示されました。
それでも採用はできないのです。
 
 N社は、もう一段上の採用力をつける必要に迫られたのです。
採用力の要素を確認し、3つの取り組むことを決めました。
 
 1.ホームページの改修
今も十分魅力的です。コンテンツを追加すること、写真にもっと「大人」の姿を入れることで更にそれを高めることができます。
 
 2.事務所の移転
今の立地も全く悪くありませんが、一等地のビジネス街に事務所を移すことで、大幅に採用力を高めることができます。また、お客様からの信頼度アップも期待できます。
 
 3.給与を上げる
今の水準も悪くはありません、以前も十分人が採れていました。
このまま「採用のために時間とコストをかける」か、それとも「給与を上げてより優秀な人材をタイムリーに採用できる」ようにするか。
今いる社員の給与を上げる必要もありますが、それも「定着率」によい影響があると考えました。
 
 上記はそれぞれに金がかかる施策です。特に2と3は、年間の固定費が数百万円単位であがることになります。
しかし、今のN社にはそれができます。当たっている事業、そして、効率的な内部、それによって十分な利益も出ています。
ここで、人が採れれば事業を拡大できます。優秀な人材を採れれば加速できます。
 
 このままいけば、窮することも見えています。今ギリギリの人数で回しています。
次に欠員がでれば、更に今いる社員の負担は大きくなります。また採用してもそれだけの人は採れる可能性は低いのです。そして、次の退職者が出れば・・最悪な事態が目に見えています。
 
 N社長は、前に進むことを決めたのでした。
 
 本当の採用力を付けましょう。
今、そして、これからは、媒体選びや見せ方という手法だけでどうこうできるものではありません
 
 お客様に本当に必要とされる事業はやはり求職者からも魅力的に見えます。
仕組みで回っている会社は、その対応や事務所の様子を見れば、やはりスマートです。
社員が話し合って課題を解決している、PDCAが回っている、そんな組織は空気が違います。そして、そこから生まれる利益を、次の投資に回していきます。
その結果、前向きで賢明な社員と楽しい仕事が出来るようになります。
 
 本当の採用力、本当の会社の力をつけましょう。
それに取り掛かりましょう。

 

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