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AIの世界はトレンドリーダー不在 CESでも見えない将来

鈴木純二
SPECIAL

顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント

ベルケンシステムズ株式会社

代表取締役 

顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。

「未来が見える展示会」という趣旨の呼び方をされることが多いCES。前回に引き続き、このCESを話題にしてみます。

私は、CESを定点観測するにあたり、その目的を「トレンドの推移の把握」に置いてきました。CESは今回で59回目という、老舗中の老舗の展示会ではありますが、毎年その中で注目される商品がどんどん変化してきました。少し前では、大画面液晶テレビがその主役だったり、ブルーレイレコーダーが主役となったり、パソコンの時もありました。そして、昨年も今年もなんと言っても主役はAIです。

ところが、このAIについて今回のCESではトレンドが読めませんでした。報道の通り、もしくは事前評判の通り、フィジカルAIが注目の的でしたし、ロボットの展示が活況を呈していました。しかし、その頭脳であるAIについて、トレンドリーダーが見当たらないのです。このAIブームの火を付けたOpenAIはそもそもCESには出ていません。ハードウェア側の雄であるNVIDIAは確かに出展していましたし、派手なキーノートも展開していました。しかし、そこにトレンドをリードするような勇ましさはありません。もちろん最新のハードウェアは発表されていましたし、ソフトウェアのプラットフォームも発表されていました。しかし、「この方向に引っ張るのだ。我々が旗手なのだ。」という気概は感じられませんでした。その結果、2年先3年先にどんな世界が広がっているのか、5年先にはどのような夢が見えるのか、を誰も語っていないとしか思えなかったのです。

過去を紐解けば・・・パソコンについてはインテルやマイクロソフトが毎年毎年なんらかのキーメッセージを出していました。それを信じるかどうか?当たるかどうかは別として、「ああ、そういう方向性なんだ」と自分を納得させることもできたわけです。著名な経営者がステージに登場し、「このUIが全てを革命的に変えるんだ」と本当かどうかわからないことを熱っぽく語っている姿に、聴衆は半ば陶酔していました。

ところが、AIについてはどうもそうではない。おそらく、どの会社も自分がトレンドリーダーだとは全く思っておらず、「とにかく抜きん出たい。新しい技術で先を行きたい。」とトップを狙って競争しているだけにしか見えないのです。これは致し方無いことだとは思いますが、バズワードやクールさに踊らされてきたIT業界の通常の動きとは思えません。

まぁ、トレンドリーダーが居たからと言って、何かアクションが変わるわけではないのですが、夢を語る人が少ないということがマイナスにならなければ良いが、と少し心配してしまうCESでした。

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