最適なコンサルティングを今すぐ活用する!

シラス漁から考える海外ビジネスの成功に必要なこと

SPECIAL

東南アジア・台湾展開コンサルタント

KJグローカル経営事務所

代表 

中堅企業向けの、東南アジア・台湾市場展開の戦略コンサルタント。大学卒業後20年以上の間、メーカー・商社・公的機関にてアジアビジネスに従事。東南アジア市場におけるマーケティング・拡販業務に従事後、大手メーカーにて中華圏の現地販売会社(ディストリビュータ)を立ち上げ、企画や管理部門の統括などを歴任。その後、食品/アルコール・伝統工芸品・医療分野など多岐に亘る業種のアジア市場開拓支援を経て、2018年にKJグローカル経営事務所を設立。「成果に直結する仕組みづくりのスペシャリスト」

 3月中旬以降、静岡や湘南エリアで今季のシラス漁が解禁されました。昨年までは黒潮の大蛇行などの影響もあり不漁でしたが、今年は久しぶりに豊漁が期待されています。一般的に食用シラスの陸揚げには「船曳網(ふなびきあみ)」という漁法が主流です。これはシラスの群れを見つけ、その魚群を取り囲むように網を入れ、その網をゆっくり曳くことで漁獲する手法です。最初の段階で必要なことは、魚群探知機などを利用してシラスの群れを見つけることです。魚がいない水域に出かけて行っても釣果を期待できないことは言うまでもありません。最新の魚群探知機はデジタル技術の向上により、単に魚が映るだけでなく、魚のサイズや種類・海底の質を分析して可視化するといった高度な機能を備えています。しかしながら、高性能の魚群探知機も万能ではありません。一般的な魚群探知機は「船の真下」を探知する装置であり、ソナー機能がない限り船から離れた周囲の魚を探すことはできないのです。

 また、通常の魚群探知機は超音波の反射を利用して「現在の」魚の深さや群れの大きさ、海底の様子をリアルタイムに表示しますが、将来の動きを予測する機能を持っていません。したがって、魚群が数分後にどの方向に移動するかの判断が難しく、熟練漁師の経験や勘に頼る必要があるのが実情です。熟練漁師は、風の向きや潮の流れ・速さなどのさまざまな要素から、魚群が数分後にどの方向に移動するかを適切に判断しているのです。

  これは海外ビジネス展開についてもピッタリと当てはまります。過去の輸出実績・各市場データや、競合企業の公開情報でおおよその市場性は把握できますが、AIを駆使しても今後の予測精度には限界があるのです。表面的なデータや統計には表われない多くの重要な要素が存在するため、数式には反映されない暗黙知的な「経験・コツ・勘」がアジアビジネスの成否にも大きく作用します。貴社の海外ビジネスの方向性を決める際に、「過度に」統計やAIに頼っていませんか?  データやテクノロジーを活用することは重要ですが、併せて「風の向きや潮の流れ・速さ」などをよむことができる専門性の高い社内外の人間の意見にも耳を傾けることが必要です。4月からの新年度を機に、自社の進むべき方向性を見直してみませんか?

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。