透明資産経営|なぜ、次のリーダーが育たない会社があるのか?
こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。
ー「いつまでも自分が引っ張らないと、会社が回らない」
経営者と話していると、必ずと言っていいほど聞こえてくる嘆きがあります。「次のリーダーがなかなか育たない」「いつまでも自分が現場に出ていないと回らない」「右腕と呼べる人材が、いつまで経っても出てこない」。
社長は焦り、外部研修に投資します。マネジメント本を社員に配り、リーダー候補を集めた勉強会を始める。それでも、リーダーは育たない。研修を受けた直後は意欲的に見えても、数ヶ月もすれば元の姿に戻る。社長は「うちの社員にはリーダーの素質がないのか」と諦めかける。
しかし、本当にそうでしょうか。実は、同じ社員でも、別の会社に転職した途端にめきめきとリーダーシップを発揮し始める、というケースは珍しくありません。素質の問題ではないのです。リーダーが育つかどうかは、社員個人の能力よりも、その人を取り囲む「空気」によって決まっています。
ー研修で身につくのは「知識」、空気で育つのは「人」
リーダーシップ研修で学べることには限界があります。理論、フレームワーク、ケーススタディ。──知識としては身につきます。しかし、知識を学ぶことと、リーダーとして振る舞えることのあいだには、大きな溝があります。
その溝を埋めるのは、日々の経験です。判断を任され、責任を背負い、失敗しながら学んでいく。この経験の積み重ねの中で、人は初めてリーダーになっていきます。ここで決定的なのが、組織の空気です。
社員が「任されて、判断し、失敗できる」空気のある会社では、人は自然にリーダーへと育ちます。逆に、その空気がない会社では、どんなに研修を受けても、現場で発揮する場がない。学んだことが空回りし、本人もやがて諦めて、ただの「指示待ちの優等生」に戻ってしまうのです。
ーリーダーを潰しているのは、たいてい社長自身である
厳しい現実をお伝えします。多くの会社で、リーダー候補を最も潰しているのは、社長自身です。社長は、リーダーを育てたいと本気で思っています。だからこそ、候補者に細かく指導し、間違いを正し、より良い判断を教えようとする。しかしこの「教えすぎ」が、リーダーが生まれる空気を奪っています。
候補者が自分なりに考えた判断を、社長が「もっとこうすべきだ」と上書きする。失敗が起きたとき、「だから言っただろう」と言ってしまう。判断の場面で、社長が先に答えを出してしまう。──これが繰り返されると、候補者は学習します。「自分で考えても、結局は社長が決める」「だったら最初から社長の判断を仰いだほうが早い」と。
こうして、リーダー候補は、いつまでも社長の判断を待つ部下のまま固定されます。社長は「育たない」と嘆きますが、育つ空気を、社長自身が日々消しているのです。
ー「任せる空気」と「待つ空気」が、リーダーを生む
リーダーが育つ会社には、共通する空気があります。それは、「任せる空気」と「待つ空気」です。任せる空気とは、判断の権限を本当に渡すことです。形だけ「任せた」と言いつつ、結局は社長が最終判断をするのではなく、決定権ごと渡す。多少の失敗は織り込み済みとして、口を出したくなる衝動を抑える。
待つ空気とは、結果が出るまでの時間を、焦らず見守ることです。リーダーは、一度の経験では育ちません。何度かの判断と、そこから得た学びの繰り返しを経て、ようやく一人前になっていきます。社長が「もっと早く成果を出せ」と急かす空気の中では、リーダー候補は萎縮し、安全な判断しかできなくなります。
この二つの空気を社長が意識的につくれるかどうか。それが、リーダーが育つ会社と育たない会社の、最大の分岐点です。
ー人材は、空気の中でしか育たない
リーダーは、研修で生まれるのではありません。育つ空気の中で、現場の経験を通して、自然に立ち上がってきます。
経営者が次のリーダーを欲しいと願うなら、まずやるべきは、研修への投資ではなく、社内の空気の点検です。社員は、自分で判断する機会を与えられているか。失敗が許容されているか。社長の口出しが多すぎないか。──この空気を整えるだけで、眠っていたリーダーの芽が、静かに動き始めます。
社長一人で会社を引っ張る時代は、もう限界に近づいています。これからの経営は、社長以外のリーダーが、自然と立ち上がってくる空気を、いかにつくれるかにかかっています。それは、社長にしか始められない、最も重要な仕事です。
ー勝田耕司
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