社長だけが燃える経営目標は、社員の受け身を生む。
6月も終わり、今年も半年が過ぎました。
12月決算の会社では半期が終わり、
目標の達成状況と、通期の見通しが気になる頃です。
特に、予断を許さない状況だと、経営者としては落ち着かない一方、
社員は何の危機感も持ってない、そう感じる方もいるのではないでしょうか?
社長と社員の立場は違うだろ、と思いがちですが、
ギャップが大きいまま突っ走っても、組織力は発揮されません。
1)その経営目標に、社員は本当に共感しているか?
数字目標だけが前面に出た目標は、
社員には「会社の都合」にしか見えません。
「それを達成すると、何が良くなるのか」
それが感じられないと、社員は「自分ごと化」できません。
経営目標を社員に伝えるには、数字だけでなく、
目指す未来、意味づけ、といったストーリーが不可欠です。
ストーリー抜きでは、社長は「重要で魅力的な目標」のつもりでも、
社員には「また数字の話か」としか受け止められません。
スターバックスでは、社員を「パートナー」と呼び、
株式報酬も活用して、会社の成功=社員自身の成功/意義、
となる仕組みを設計しています。
目標を「経営だけのもの」にしないための、上手な工夫です。
2)社員は、その目標の意義を腹落ちできているか?
よい目標ができても、社員が意義を感じなければ、
「やらされ感」にしかなりません。
「なぜ、それを目指すのか?」
「自分にとって、どんなメリットがあるのか?」
何も見えないまま、消化不良のまま、
「社長に言われたから、目指すフリをする」だけです。
頭では理解しても、腹落ちしなければ、
意識と行動は「義務感」と「やらされ感」にしかなりません。
そんな中で「受け身でなく、自律的に動いてほしい」は、
経営者の勝手な夢、にしかなりません。
社長は「何度も説明した」
社員は「何度も同じ話を押し付けられた」
このギャップに向き合わない限り、次の一歩はありません。
トヨタが「人間性尊重」を掲げて、
現場との対話や、仕事の意味づけを重視してきたのは、
正しい目標を示すだけでなく、
現場が「なぜそれをやるのか」を納得すること、
の重要性を知っているからです。
3)社長の熱量だけで、組織は動くのか?
社長が強い信念のもと、目標に向かって突っ走っても、
社員の共感がないと、温度差は広がるばかりです。
組織を動かすには、トップダウンの熱意は不可欠ですが、
納得と共感を生むことが、行動を引き起こします。
社員が前向きに、自分から動き出すのは、
「やらされる目標」ではなく、「一緒に目指したい目標」です。
トップダウンの勢いだけでは、長続きしません。
社長がいないと社員はサボりますし、
社長がいなくなったら、組織は動かなくなります。
社長一人だけが燃えていて、社員の気持ちを置き去りにしていないか?
JALの再建期、稲盛和夫氏は、
自分の「強い想い」だけで押し切っていません。
「全社員に共有される価値観・考え方・姿勢」を浸透させ、
共通の判断軸にすることで、
社長の熱量だけでなく、社員が「自分たちのことだ」
と思える目標になったことが、大きなポイントでした。
社長として、社員と同じ夢や志を共有できている組織こそ、
自律的な行動、持続的な成長の原動力となります。
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