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強みがなぜ強みなのかを考える

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

世の中で、戦略を考える時によく言われるのが「強みを生かす」という攻め方です。企業戦略を考えるうえでは定石とも言えるものですが、「それがなぜ強みなのか」を一瞬立ち止まって確認しておくことで、「どのような場合にそれを使えば良いのか」まで踏み込んで考えることができるようになります。

テニススクールを例にとると、ぶっきらぼうだけどテニスがとても上手いAコーチ、テニスはそこそこだけど人当たりの良さが評判のBコーチがいたとします。平日の中高年相手に集客を考えるのであれば、明らかにBコーチの人当たりは「強み」になると思われますし、ジュニアを鍛えるのであればAコーチのテニスの腕も「強み」になることでしょう。でも、逆の配置をしてしまうと?・・そう、「強み」が消えてしまう場合もあるわけです。

このような場合に「強みはなぜ強みなのか?」について考えてみると、それはすなわち「中高年相手」だとか「ジュニア強化」といった客層のターゲティングにつながる考え方と表裏であることがお分かりいただけると思います。これを「戦略」と呼びます。

もうお分かりだと思いますが、「人当たりの良いコーチ」の強みを生かすには、そのための戦略が必要だということです。逆に言うと、戦略がない段階で「人当たりの良さは強みだ」と言ってみたところで何も始まらない、ということですね。「当スクールは、Bコーチの人当たりの良さを生かすべく、平日の中高年会員を増やす営業戦略を取る。」確かに戦略的にはなりましたが、これだとAコーチの立場がありません。

「当スクールは、コーチの特性を生かすために、平日の中高年スクール生向けコンテンツをBコーチが、夕方のジュニア生向けの強化プランをAコーチが作成し、会員の満足度向上を図る。」とすれば、事業の方向性も各コーチの役割もはっきりします。

もうお分かりかと思いますが、強みは常に強みだと決まったわけではないのです。むしろ相対的な要素も強く、戦略の向きが違うと強みは消えたり現れたりすることがあるのだ、という点をしっかりとご認識いただきたいと思います。

 

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