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新規事業の未来を占う5つの質問

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

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「当社がいま進めようとしている新規事業です。藤冨先生から見て、成功すると思われますか?」

私がコンサルティングをしている「波及営業法」は、新しい価値を広く市場に拡げていくための営業手順の設計法です。

そのため、新商品をつくる際のアドバイスを求められることも多く、様々な経験値を持っています。

23年前に勤めていたマーケティング・コンサルティング会社も、新商品のコンセプト開発が専門だったために、得意分野でもあります。

先日も、ある企業からご相談を受けたのですが、正直言って「十中八九失敗するな…」と感じてしまいました。

その感触は、5つの質問を通じて、沸々と湧き起こってきたのです。

5つの質問とは… 

  • 商品・サービスの概要
  • 直接・間接競合他社の状態
  • お客様が受け取る価値と価格のバランス
  • 営業体制やマーケティングプランなどの販売構想

 

そして、何よりも勘所を働き出すのは… 

  • 新規事業を思い立った「背景」です。

 

1〜3は、はっきり言って「新規事業の成否」には、あまり関係がありません。

いえ、関係ないのではなく、判断できない…といった方が正解です。

なぜなら上市した後、経営者が執念で収益化させたり、用途を変えて成功するパターンがあるからです。

とあるメーカーの卓上の食器乾燥器は、本来の目的(洗浄)では売れなかったのに「プラモデルの塗装を乾燥させるための強制乾燥機」としてマニアから支持されたりしました。

また刻みノリ用のハサミが「シュレッダーはさみ」としてブレイクしたりするケースを見れば、上市したあとでの軌道修正が可能なことは、頷(うなず)けると思います。

以前も、とある板金屋さんが「新規事業創出」を目的に中小企業大学校に行き、アイディア出しをしたビジネスが教授全員から反対された案件を請け負ったことがありました。

まずは、テスト販売をして市場の感触を知る為に、飛込み営業で「取扱店の発掘」を行ったのですが、たったの1日で有名生花店が採用を決定し、それをみた有名百貨店や同業他社も取り扱いを開始。短期間に想定よりも高い売上をあげたこともあります。

経営者の執念と良いアイディアさえあれば、売れる企画としてピントを合わせていくことは、事後処理でも充分に可能なのです。

また、競合他社が想定よりも強烈だった場合は、売り込む際のセールスポイントを変えたり、別市場に攻め込むことで、競合と戦わない戦略を企てることで収益化が可能です。

結局、商品が受け入れられなかったり、競合に負けるという状況を脱するためには、新しい「営業体制やマーケティングプラン」を脳みそがウニになるほど、考えに抜けば、立て直せる道筋は、必ず見えてくるものです。

しかし…

最後の質問(5番)「新規事業を思い立った《背景》」が、原理原則を踏み外していると、ほぼ修正は不可能です。

つまり「ストップすべき新規事業と、立て直せる新規事業の差」とは、新規事業を思い立った《背景》が、正しい想いから発想されているか否かがカギを握っているのです。

これは私がコンサルティング経験から学び、確信に至った現実です。

正しい発想とは「自社が取り組むべき課題か否か」ということ。

単なる金儲けのための新規事業であったり、ライバルの新規事業を真似てみたり、家族の思いつきでやるテーマではない…ということです。

「金を儲けるぞ…」という執念も、もちろん「ピント」を合わせていく原動力にはなりますが、組織を動かすのであれば、この原動力だけでは突破は困難。

冒頭のご相談で「十中八苦失敗するな…」と勘所が働いたのは、この新規事業の発想の背景が「単なる金儲け」だったからです。

これでは、行き詰まったときに、立て直しは困難です。

新規事業を推進するなか、高い高い壁が立ちはだかったときに、前線の営業マンの士気をどう高め、維持していくか…。

これが数字に繋がるのですから、「新規事業を思い立った背景」を話すことで、営業マンが奮い立たなくてはなりません。

企業ですから、収益化、金儲けは大切なことです。

でも、それだけでは、錦の御旗にはなりません。

錦の御旗は、働く仲間を鼓舞して、劣勢を優勢に、危機をチャンスに変えていきます。

御社では、「自社が取り組むべき課題」を出発点として、新規事業を創案していますでしょうか?

 

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