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人材を育てるのに最も大切なこととは?!

SPECIAL

出前・宅配コンサルタント

有限会社マクウェル

代表 

指導歴12年。これまでに118店舗で実績を上げてきた辣腕コンサルタント。各会社、店舗の状況にあわせ、確実に収益の上がるオリジナルの出前・宅配ビジネスづくりを指導。

第21回イメージ

「もっと優秀な社員やアルバイトが入ってくれたら、どんなにいいだろうか…」
とある社長がこぼしていました。

その気持ちはわかりますが、うなずく代わりに次のような質問をしてみました。
「社長、もしご自分が優秀な学生だとしたら、有名大企業と社長の会社、どちらに入社しますか?」
社長はしばらく考えたあと「うん~、有名大企業ですね。やっぱり」と答えてくれました。

現実問題として、中小企業が優秀な人材を採用することは簡単ではありません。
運良く、優秀な人材が採用できたとしても、その会社に魅力がなければ、
また、優秀な人材を使いこなすだけの優秀な人材が会社にいなければ、結局は辞めていってしまいます。

それでも、いい人材が欲しいのであれば、今いる人材を育てていくしか方法はないのです。社員も、アルバイトも、入ったときには、優秀でなくてもいいのです。

入ってから、育てていけば立派な人材になっていきます。
売上・利益がよく、活気に溢れた会社やお店は、人の教育に力を入れています。

しかし、本当の意味で人材育成をやっている会社やお店は多くありません。

人を育てる際に最も大切なのは、本人のやる気です。

どんなに優秀な能力を持っていても、やる気がなければ宝の持ち腐れです。
また、どんなに優秀な教育プログラムを使って、優秀な人が担当をしても、
当人にやる気がなければ効果はありません。

ある店舗であったことです。
若いスタッフが「こちらが商品の方になります」と言ったときに、店長は「日本語の使い方をしらないのか?もっと勉強しなさい」と叱りました。

若いスタッフにしてみると、なぜ叱られたのかわからず、不満げでした。

若いスタッフに話を聞いてみると
「○○の方という言い方は、柔らかく感じるし、丁寧な言葉遣いだと思っていました」と答えてくれました。

日本語の使い方としては正しくないかも知れませんが、若いスタッフはお客様に丁寧な言葉を使って敬意を払っているつもりでした。
それを頭ごなしに、叱られたら納得できません。

よかれと思ってやったことを叱られれば、やる気もそがれますし、店長に対して不信感が生まれます。

もしも、店長が若いスタッフに、なぜ「商品の方」という言い方をしたのかを確認していれば、スタッフの気持ちは理解できたはずです。

そして、「なるほどね。お客様に対する敬意を大切にしてくれるのは素晴らしいことだね。言葉の使い方をすこし変えると、もっとよくなるんだけど、敬語の勉強してみるかい?」と言うことができれば、スタッフは店長の言葉を素直に聞けたはずです。
敬語の勉強もしてみよう、この店長なら自分のことをわかってくれると、きっとそう思ったことでしょう。

店長はスタッフの上司です。部下よりも上司が仕事ができるのは当たり前です。
未熟な点を叱るのではなく、上司は部下を指導していかなければなりません。

それを阻害しているのは、「相手は知っているはずだ」「知っていなければならない」という思い込みです。

仕事をしていると、「こうあるべきだ」「知っていて当たり前だ」と自分の価値観や思い込みを相手に押しつけていることが多々あります。

実はこれこそが、部下のやる気を削ぎ取っていくのです。

やる気になるのは、自分が認められたときです。

部下の価値観を尊重する。部下の話を充分に聞く。できないところを叱るより多く、できていることを認める。
これができている組織は、人も店も会社もイキイキとしています。

こんな環境作りこそが、人を育てる第一歩です。
そして、定着率も高まり、会社や店のレベルが上がって行くのです。

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