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直観力と社長の「情報発信」の不可分な関係―質のいい「脳内引き出し」で的確な経営判断を―

  地方メディアの高度有効活用 海江田 博士 SPECIAL
海江田 博士 SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション 代表取締役 海江田 博士

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

直観に頼る、という言葉に対して皆さんはどのような感想をお持ちでしょうか。

「いや俺はそんなものには頼らない。じっくりと理詰めでしか考えないし、行動も起こさない。」

という方もいれば

「これまで、わりと直観でいろんなことを決めてきたよ。それで別に失敗したということもなかったなあ・・」

という方もいるでしょう。

どちらが正解、ということはないのだろうな、と私は思っています。その人の性格やタイプで考えればいいのであって、傍からどうのこうの言うことではないからです。で、私の場合は、割と「直観」で物事を判断したり、結構大事なことも決めてきた方かも知れません。

例えば、会計の業界にコンピュータが登場してきたとき(20年以上昔の話ですが・・・)は、すぐさま事務所に取り入れたばかりか、そのまま顧客サイドにまで普及させようとして周りから大反対を喰らいました。その後、PCがネットにつながるとわかったときは、すぐHP(ホームページ)を作りましたし、対応の遅い会計ソフトの業者に「何故とっととつながるようにしないんだ!」と噛みつきました。そして今、クラウドが登場してきて更に仕事のやり方が大きく変わろうとしています。とはいえ、クラウドの業務への導入に関してはまだ社内の反対意見の多い中、とにもかくにも取り入れようとしているのです。

これらはいずれもロジカルにじっくりと考えて決めたわけではなく、大きな流れが来そうだから人より早く手をつけておこう、という私の直観によるものです。

ただ、その他のいろいろなことを含めて、これまでの自分を振り返ったとき、「俺は、こういったことを本当に何も考えずに、いわゆる「感」だけですべて決めていたのだろうか!?」ということなのです。改めて振り返ってみると、世の中に出てきた新しい現象に対して、私の「直観」が反応したときと、そうでなかったときがあることに気が付きます。その違いはどこからくるのでしょうか。

それはおそらく「これは今後大きな流れになる。主流となっていく。」と判断したときと「今、流行ってはいるが、それほど長く続くものではなさそうだ。」と判断したときによって対応が違ったことを思い出します。

そのときどんなに大流行していても、強く長く続くものでなければ、少なくとも自分のビジネスに取り入れることはないな、と判断し、そのように行動してきたことになります。

つまり、一見「直観」で判断し、決めたように見えても、私の中の「体内ロジック」はそれまでの経験や知識をフル稼働させて決断しているのです。

その「稼働時間」が一瞬であり、自分でも気づかないくらいのスピードだったために「直観」で決めたように見えたのです。

最近読んだ文献によれば、「直観」というのはそもそもそういうものであり、人が本当に「感」だけで決めているということはないのだそうです。それまで、その人の中に蓄積された経験や知識、キャリアといったものが、そのとき目の前に表れた課題や選択に対して瞬時に反応するので「直観」に頼っているように見えるのです。

そう考えてくると、何が大事かといえば、普段のインプットということになるのではないでしょうか。

「直観」につながるどれだけいいデータを、普段から自分のものとして取り入れているか、ということが、瞬間的に的確な判断を下すためのベースになるのです。

ただここで、大事な原則があります。それは既存の「知識」「専門性」を表明することを「直観」とは言わないということです。それは、的確な「判定」というものであり、もっと言えば「当てはめ」になります。

例えば私が、税務や会計上の判断を聞かれたとき「直観」で回答を出すことはありません。正確な知識や専門性に基づいて答えることになります。

ですから即時性よりも正確性の方が大事なのです。

制度や法律、ルールなどを正確に調べるために少し時間をもらうこともあります。

お分かりでしょうか。

「直観」で何かを判断したり決めたりすることは、単なる「知識」を引っ張りだすのではないということです。

単に過去の知識を当てはめて正解を出すことは、「検索」或いは調べるという行為で可能となります。しかし、未来に向かって何かを決断するには、ただそれまでに蓄積された知識だけでは対応できないのです。つまり、これまでその人にインプットされた知識や経験は、「直観」を発揮するためには大いに必要だが、それだけでは足りないということです。

ここでさらに、もう一歩踏み込んで大切な要素があるのです。

それは、そのインプットされたデータがどのような形で収納されているか、ということです。おそらく、グチャグチャの曖昧な状態で仕舞われていたのでは、「直観」としてサッと引き出すことはできないでしょう。

しかもそれは、単なる知識として吐き出すものなのか、「直観」として未来へ向かった判断材料として持ち出すものなのかで引き出し方が異なるのです。

それらが使い分けできるように、様々なデータや知識がきれいな形で「脳内引き出し」に仕舞われていなければ、「直観」が必要なとき、サッといいタイミングで的確に引き出すことはできないのです。

それでは、この「脳内引き出しルーム」を、きれいに整理された状態に保つにはどうしたらいいのでしょう。整頓された多くの引き出しを持つには、どうしたらいいのでしょうか。

私は、それはインプットされたデータを一度アウトプットすること、だと思っています。

おそらくこれが最良最短の方法です。理由は簡単です。

インプットされたデータをアウトプットするには、それを咀嚼し頭の中で整理してから吐き出さなければなりません。

グチャグチャな状態で頭に入ってきていた様々なデータは、その工程で一度きれいに整理されるのです。

アウトプットは、そのほとんどが「書く」という作業を伴います。

書く作業に取り掛かる中でデータは整理され、ひと通り書き終えた時に、きれいな形で脳内引き出しに仕舞われるのです。

おそらく、こうやって整理された引き出しルームを脳内に持つことで、「直観」という行為が成立するのだと思います。

私は経営者にとって「直観」は大事だと思っています。

というのは、何かを決断しなければならないとき、いちいち細々と理屈を組み立てている暇はないからです。

トップの判断は、ときとして細かい理由など下に説明している時間も余裕もないことが多いでしょう。

とはいえ、それがいつもいつも的外れでトンチンカンな判断では部下も組織もたまったものではありません。

良い「直観」につながる質のいい「脳内引き出しルーム」を持つためにも、インプット、アウトプットともに怠りなく経営者はチャレンジし続けてください。 

 

企業の盛衰を決める社長のためのメディア戦略
海江田 博士

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション代表取締役

海江田 博士

執筆者のWebサイトはこちら http://mc-kaieda.com/

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