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「情報発信」は間断なき日常のプチプレゼンテーション―いざという時のために普段の訓練を―

  地方メディアの高度有効活用 海江田 博士 SPECIAL
海江田 博士 SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション 代表取締役 海江田 博士

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

プレゼンテーションという言葉があります。

Wikipedia(ウィキペディア)によれば、

―プレゼンテーションとは、情報伝達手段の一種で、聴衆に対して情報を提示し、理解・納得を得る行為を指す。―

とあります。付帯的な説明としては

―プレゼンテーションの際は、実際に形のないモノを、簡潔かつ判り易く説明すること、そして情報を的確に伝える、資料(視聴覚、配布資料等)の準備、情報を適量平易に提供することが求められる。―

と書かれています。

つまり、プレゼンテーションがビジネス上の高度な情報伝達手段であることは間違いありません。

先日、私が所属するもう一つの業界である税理士の業界と、コンサルタントのコラボレーションについて交流会が設けられました。

両方の世界に所属する私は、大いに興味があったので進んで参加することにしたのです。この会は、まず税理士の側から、コラボレーションしていきませんか、と提案をする形で行なわれました。日常業務の中で、顧客の様々な課題について直面し、経営者から相談を受けることの多い税理士は、その1つの解決策として専門コンサルタントとの提携が有効と判断したからです。

ところが、税理士側から行なわれたこのプレゼンテーションは、非常に短い時間で終わってしまいました。予定では3時間というたっぷりのアピールタイムが取ってあったにもかかわらず、この企画を担当された税理士先生が1時間足らず、それに続く職員さんのプレゼンテーションも1時間弱で終わってしまったのです。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。

私は、これはひとえに税理士が、プレゼンテーションという形式に慣れていないことによるものではないか、と思いました。

税理士も、顧客向けに事務所主催のセミナーなどを行なうことがあります。この場合、テーマは「改正税法のお知らせ」とか「消費税処理の注意点」とか、あらかじめ決まったことをお客さんに伝えるというのがほとんどです。プレゼンテーション的な提案型のセミナーを開催することはまずありません。

したがって、この日のプレゼンテーターの先生は、慣れないプレゼンテーションをどうやったらいいのか戸惑われたようで、短い時間でたちまち終わってしまったのです。そのあと、さらに詳しい説明を託された職員さんも、プレゼンテーションというよりは、こちらの業務現場の詳細を伝えるというのが精一杯といったところで、やはり予定よりもかなり短い時間で終わってしまいました。つまり、我々会計人の業界が、いかにプレゼンテーションという形式に慣れていないかを露呈する結果になったのです。

お二人のプレゼンを聞いていて、途中から「これはまずい!」と思った私は、急遽、手持ちのノートに今回のテーマについてラフなプレゼン資料を書き込み始めました。そして、予想した通り、お二人のプレゼンが終わった後、まだかなり時間が余っていたので、私は主催者に申し入れをして、いきなり飛び入りで講師を務めました。そこで、約1時間近くしゃべってなんとか残りの時間を埋めることができたのです。

ここまで、今回の顛末をわざわざ書いたのは、プレゼンをされたお二人を非難するつもりも、私の取った行動を自慢するわけでも何でもありません。

業界が違えば、得意技がまるで違ってくる、ということを申し上げたかったのです。

というのは、この日の趣旨自体は画期的なことであり、特に税理士側からこのようなアプローチをしたということは特筆すべきことだったからです。ですから、提案そのものの着眼点もその内容も、これまでの会計人(税理士や公認会計士及びその職員を含めて、この後は「会計人」という表現をします。)の狭い視野を打ち破るものであり、会計人とコンサルタントの新しい協力関係を築いていく第一歩となるようなものでした。

ただ、その試みがあまりにも画期的だったために、会計人側からの趣旨説明、つまりはプレゼンテーションがどうもうまくいかなかった、ということなのです。私はコンサルタントとしてのセミナー開催や顧客へのプレゼンテーションを日常的に行なっていますので、なんとかフォローできましたが、一般の会計人だとこうはいきません。

今回、つくづく感じたのは「会計人にもプレゼンテーション能力は必要だなあ・・」ということです。というのは、今後ますますこのような提案型の業務が増えてくる可能性が高いからです。

さらに言えば、そのほかの業界においても「プレゼンテーション能力」というのは、重要性を増してくるのではないでしょうか。というのは、日本における従来型の「接待などによってまず人間関係を作ってから・・」といった営業手法が、だんだん通じなくなっているからです。もちろん「人間関係」というのは最終的には最も重要なファクターではありますが、ビジネスの入口においては、まずこちら側の意図を理解してもらうための「プレゼンテーション能力」が必要で、そのスキルアップがますます問われているのです。

さて、私たちは「プレゼンテーション能力」を磨くために、どういったことを心掛ければいいのでしょうか。

私は、それは一にも二にも「情報発信」だと思っています。

日頃、「情報発信」を心掛けていれば、いざという時にプレゼンテーションに慌てなくても済むのではないでしょうか。

というのは、「情報発信」は、間断なき日常のプチプレゼンテーションだからです。

もちろん、日々更新しているブログやコラムは、人を説得し何かを提供するという趣旨で行なうものではありません。

しかし、発信者は、その内容をよりよく理解してもらうために、表現の分かりやすさや伝え方については常に工夫しているはずです。

私は、経営者であれば、いつプレゼンのチャンスは巡ってくるかわからない、と思っています。

今回の私のように、他人のセミナーを聞きに行って、いきなり講師として登壇するというのは、さすがに珍しいでしょう。私も初めての経験でしたが、場合によってはもっと直接的に事業につながる機会があるかも知れません。

そんな時、気の利いたプレゼンができればこんなラッキーなことはないのではないでしょうか。

経営者の「情報発信」には、こんな面白い効果も期待されるのだ、と自覚して大いに取り組んでみてはどうでしょうか。

 

企業の盛衰を決める社長のためのメディア戦略
海江田 博士

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション代表取締役

海江田 博士

執筆者のWebサイトはこちら http://mc-kaieda.com/

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