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できる社長は、4つのFで人を動かす

  『業績3年 先行管理』の仕組みづくり専門 小島主 SPECIAL
小島主 SPECIAL

『業績3年 先行管理』の仕組みづくり専門コンサルタント

株式会社 勝負ポイント 代表取締役 小島主

 指導暦12年。オーナー企業を中心に約170社の指導実績をもつ経営コンサルタント。独自の『業績3年 先行管理』の手法を通じて、中小・中堅企業が持つ属人的な稼ぐ力・育む力を、再現性の高い仕組みに進化させる。この仕組みは、人間の特性を活かしたものであり「社員が自ら動き出すようになった」「管理の弊害が少なくなった」「目標達成が当たり前になった」と多くの経営者が注目している。

権力にすがる社長は、組織を腐敗させる。信頼で人を動かす社長は、4つのFで共に育つ。

「絶対に達成しろよ! つべこべ言わず、とにかくやれよ!」

オレ様の命令は絶対だ。ハードワークは当然。…と有無を言わせない【強制社長】。

「どうやって達成するのか。とにかく動きながら考えよう!」

目的をどのように果たすのか。挑戦して当然。…と社員とともに知を創造する【共生社長】。 

もし、あなたが社員の立場だったら、どちらの社長に協力したくなりますか? 

人間は、感情で動く生き物です。 

正しい指示・命令だったとしても、<なぜか協力したくない相手> がいます。強制力を行使されると受け手は身の危険を感じるため、反発したくなります。もしくは、反発できない場合は、致し方なく従っているだけ。最低限怒られない程度にやるだけです。あくまで作業レベルにとどめます。 

一方で、指示・命令が不十分だったとしても、<なぜか協力したくなる相手> もいます。自然と協力したくなります。より良くするには?と、創意工夫もします。意見交換も活発になるでしょう。つまり付加価値を高めるべく仕事レベルで取り組みます。 

この違いはどこにあるのでしょうか? 

今週は、後者に近づくヒントとして、できる共生社長が心がけている4つのFをご紹介します。 
 

■1.権力にすがる強制社長 

なぜ、一部の経営者は、必要以上に権力を振りかざすのでしょうか? 

この理由は、シンプルです。手っ取り早く、簡単に反応が確認できるからです。わかりやすいがゆえに、これを信仰する経営者も、これを求める社員も多いものです。しかし、社長がそれほど意識していなくとも、社員からすれば “雇用する側 > 雇用される側” という立ち位置は明確です(人事権を握られているからです)。社長の指示・命令を聞かない=反組織勢力 という意味合いになり、「良くも悪くも従ったほうが良い」と盲目的に忖度されます。つまり、権力を振りかざす場合は、恐怖で人を動かしています。 

この「恐怖で人を動かす」アプローチは、どのような特徴があるのでしょうか? 

メリット(○) : 手っ取り早く、簡単に人を動かせる
 デメリット(×) : 指示待ちになる。新たな価値を創造しにくい。恐怖がなくなると従わない。 

この方法は、短期的には効果が出やすいものです。しかし、中長期的には課題を先送りにするだけ。何の解決にもなりません。なぜなら、社員が保身に走るため、無駄にエネルギーを消耗するだけでなく、社員同士の信頼関係も弱まるからです。 

大量生産が中心だった数十年前の工業化時代では、有効なアプローチでした。しかし、現在は条件が異なります。人をモノとして扱うような組織に、将来があるのでしょうか? 

また、はじめから「このアプローチに徹しよう!」とした訳ではないかもしれません。しかし、経営者自身に余裕がないと思わず権力を行使してしまいます。そして、その積み重ねが、負のスパイラルを招きます。 

子育てに疲れ思わず怒鳴ってしまう母親。権力を振りかざす方法は、これと同じ結末を迎えます。使えば使うほど効力を失ってしまう。さらに強力な権力をチラつかせねばなりません。権力におびえていた社員も、徐々に麻痺をします。そして、やがて限界がきます。末期症状になると、良心を失い盲目的に指示に従うようになるか、完全に覚悟を決め組織の意向に反した“社員にとっての正義”を優先させます。 

昨年ニュースをにぎわした某大アメフト部の問題もこのような構図になっているだけです。多くの組織で、同様の問題が繰り返されてきました。また、この問題が、現在進行中という組織、とても風通しの悪い組織もあるでしょう。小島も雇われ社員だった時代、ある上司の下でとても苦い思いをした経験があります。 

権力を振りかざし「絶対に達成しろよ!」と強制してしまう経営者は、一度立ち止まり、冷静に状況を確認してください。良かれと思ってやっていたとしても、社員の立場からすれば「もの言えぬ空気」が強化されているだけ。短期的に業績が上がったとしても、3年、5年と続けると、我が社の風土・土壌はやせ細ってしまいます。特に外部ブレーンを活用しながら実施すると、現場の声がさらに排除され、この副作用が出やすくなります。 

権力にすがる社長は、組織を腐敗させる。 

いつまで、内向きにエネルギーを消耗しつづけるのでしょうか。我が社の将来のために、勇気を持ってこの割合を減らしましょう。 

 

■2.信頼で人を動かす共生社長 

人を動かす方法は、恐怖による強制力だけではありません。もう一つ、信頼関係を土台にしたものがあります。 

新卒で入社したシステム会社勤務時代、小島はとても素敵な上司に出会いました。仕事で大きなミスをした小島に嫌な顔一つせず、献身的に関わってくれました。小島の人生に大きく影響を与えた恩師の一人です。利他的に振る舞うその姿勢は、周囲から信頼を得ていました。自然と協力者が増え、他の役職者の5~10倍の仕事をこなしていました。事業所長だけでなく、社長・役員からも一目置かれていました。 

このように「信頼で人を動かす」アプローチは、どのような特徴があるのでしょうか? 

メリット(○) : 自然と協力者が増える。メンバーの主体性を引き出し、価値の創造に専念できる
 デメリット(×) : 信頼関係を構築するのが簡単ではない。関係構築まで時間がかかる 

この方法は、中長期的な効果は絶大ですが、短期的な成果は期待できません。なぜなら、信頼関係は、一朝一夕に築かれるものではないからです。 

しかし、現在のような多様性の時代こそ、人を大切な資源として認識することが大切です。人に辛抱強く向き合える組織に、将来があるのではないでしょうか? 

はじめは、このアプローチに挑戦した経営者も多いと思います。しかし、なかなか思うように進まず、思わず強制力を行使してしまうのではないでしょうか。 

「信頼関係を土台に…なんて、所詮キレイごとだ!」 と切り捨ててしまえば、その瞬間にこの可能性はなくなります。ぜひ、共生社長を目指してみてはいかがでしょうか。 
 

■3.できる社長は、4つのFで知を創造し、人を動かす 

できる共生社長は、次の4つのFを心がけています。 

(1)FLAT
 (2)FORWARD
 (3)FUN
 (4)FUSION

この4つのFで知を創造し、人を動かしています。 

御社が、今現在強化すべきFとは、どのFでしょうか? また、そのFをどのように強化していくのでしょうか? 

(1)FLAT:上下関係のない「フラットさ」を大切にすること 

雇う立場や雇われる立場、組織内の階層、組織内の機能など。いずれも立場が異なり、役目が異なるだけです。どちらかが絶対的に偉いというわけではありません。お互いにフラットに関われる関係に近づけること。経営者は、聞きたくない意見に耳を傾ける勇気と胆力が必要です。この姿勢を心がけるだけで、相手が保身に走る必要性がなくなります。つまり、信頼関係を気づきやすくなります。 
 

(2)FORWARD:「何事も前向きに」考え行動すること 

過去の叱責、上司・先輩が部下・後輩に責任を押し付ける他責思考では、何ともなりません。何事も前向きに考え行動すること。このコツは、変化できる未来に焦点を当てることです。将来の可能性を考え、いずれの立場であったとしても、自らできることを考え行動すること。何事も前向きに未来志向であることを推奨しましょう。 
 

(3)FUN:「楽しく深く」取り組むこと 

どうせやるなら楽しんだほうがアイデアが広がり、実行力も高まります。表面的な楽しさではなく、創意工夫や挑戦など、目的を重視し可能性を探求する楽しさに気づかせると良いでしょう。
 

(4)FUSION:「多様な人々が融合する組織」を許可すること 

強制力で金太郎飴社員を量産しても、環境の変化を汲み取ることができません。多様な人々が融合することで、新たな価値を創造できます。組織をつくる意味はココにあります。ポイントは、社長自身が自分とは異なるタイプの人材の能力をいかに引き出すか。受け入れがたい相手が、最大の経営資源に化けるかも知れません。 

緊急時は、流暢なことを言っている余裕がありません。一時的に厳しさを設け、強制力で気づきをうながす場合もあります。しかし、権力にすがる社長は、権力という刺激を多用し、やがて組織を腐敗させます。一方で、信頼関係で人を動かす社長は、4つのFで組織の土壌を改良し、共に育ちます。

一経営者として、我が社をどのように導いていくのか。ぜひ、我が社の我が社の勝負ポイントを見極めてください。このヒントが、4つのFです。強制力だけではなく、信頼関係や共生力を土台に人を動かす。このウエイトをどのように高めるのか。共に育つ組織をづくりを、ぜひ探求してみてください。 

  
追伸>
 4つのFを浸透させるには、仕組みづくりが重要です。信頼を土台に協力したくなる人間関係をどのようにつくるのか。社員が不正を起こさなくてもすむ仕組み 「ものが言える風土」 をどのようにつくるのか。目的を達成するための正しい行動を、自ら考え行動するような仕組みをどのようにつくるのか。この一つの答えが 【業績3年 先行管理の仕組みづくり】 です。所詮キレイごとだ!と切り捨てることなく、地道に探求しております。興味がある方は、ぜひセミナーにご参加ください。 

『業績3年 先行管理』の仕組みづくり
小島主

『業績3年 先行管理』の仕組みづくり専門コンサルタント

株式会社 勝負ポイント代表取締役

小島主

執筆者のWebサイトはこちら https://www.shobupoint.co.jp/

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