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小売は「実店舗×EC」で企業価値、商品価値を訴求するのがマストな時代

SPECIAL

ギフトビジネスコンサルタント

株式会社売れるギフト通販研究所

代表取締役 

日本で唯一のギフトビジネスコンサルタント。流通、通販、ギフトの各業界通算30年以上の経験を持ち、2015年に独立。2017年には培った独自ノウハウを体系化し、ギフトビジネス専門のコンサルティング機関「売れるギフト通販研究所」を立ち上げ、多くの企業を指導。幾多の企業を成功へと導く。著書に『「ギフト商品」を通販で売る』、『儲かる「ギフト化」で飛躍する3大ポイント』がある。

早いもので7月に入り、2020年も半年が経ちました。

まさに突然襲ったコロナ一色の激動の半年でしたが、 この危機に苦しんだ企業や業種業態、この危機を チャンスと捉え業績を伸ばした企業、将来に向けて 準備を進めた企業など、様々だったかと思います。

私の専門とするECなどの通販は「巣ごもり需要」で急激に伸びたのですが、もう一つの専門であるギフトは実店舗では苦しみましたが、EC通販でのギフト利用は大きく伸びています。

要するにいずれにせよ、EC通販はコロナによってさらに大きく飛躍したのです。

一昨日、製造小売を行なっている当社クライアントからこんな嬉しいご報告をお電話でいただきました。

「先生、3月からコロナで自社店舗への来客がほとんどなく苦しみましたが、5月に発刊したDMと楽天ECの売り上げが170%以上にも達し、会社全体でも6月はようやく昨対100%を超えそうです!」

このクライアントは、仙台にある名産品の手土産の製造と小売を行っている、創業は100年を超える老舗の中小企業です。

自社工場を仙台市内に2箇所、自社店舗は地元で6店舗経営されており、当社へは6年前に時期社長候補の専務がご相談に来られ、そこからコンサルティングを実施しました。

まずお会いして、開口一番におっしゃられたことを今もよく覚えています。

「創業100年をまもなく迎えますが、初代には当然会ったこともなく、大震災で本社とメインの工場が流されたので過去の資料もまったく残っておらず、自分自身も含め社員の誰もが『創業100年』と言われても、誰もがその価値にピンときていません。

これではお客様にもその価値が伝わらず、売上規模で大きく差をつけられてしまった後発企業よりも安く販売するしか現状では手立てがありません。自社通販、その中でも特にギフトに注力して売上を伸ばし、社員が誇りを持てるようにしたいので力を貸してくださいますか。」

そこで創業100年にふさわしいブランディングを、ギフトの通販売上向上を通じて構築に取り組んだ結果、翌1年後には8億円だった売上が37%アップの11億円となりました。

しかし、今年のコロナでは観光客、出張客がメインだった仙台駅構内や仙台空港内、地元百貨店のテナントも休業での実店舗の売上が、ほぼゼロに近い状況に陥りました。

その売上減を大きく補完したのはこの6年間、真剣に取り組み、必要な投資も続けてきた「ギフトの通販」でした。

このクライアントでは自社DMを毎年夏・冬のギフト時期に発刊、通年では自社ECサイト、楽天ECサイトへも出店をしていますが6年前より徹底してギフト販売を強化させました。

コロナ状況下でどういったことが起きたかと言いますと、1商品だけ巣ごもり施策で自宅用商品を追加、その商品も大きく売れたのですがギフト商品利用でEC通販を伸ばしたのです。

結果、まだ正常には戻っていない実店舗の売上を補完し、6月には昨対100%を超えてくる回復を遂げました。

ギフト商品利用といっても、その用途には旅行や外出がまだまだ控えられている中、ギフト商品を自宅用商品として利用する人も多いますので、そこで商品の良さをお客様自身でも再認識してもらえるので、さらに以降のギフト利用の増大にもつながっていくでしょう。

そして経営的には何より、ギフト商品をメインにしていたことで、無理な安売りをまったくすることなく、自分利用でも十分な利益を確保できていることです。

話は少し変わりますが、6月16日の日経MJでは『「脱アマゾン」の先導者 EC構築支援のショッピファイ』という見出しが一面で大きく出ていました。

そして『国内で存在感 BASE 固定費ゼロでリアル出店も』という小見出しもありました。

北米発のショッピファイも日本発のBASEも、簡単にいいますとたとえ個人でもEC初心者の企業でも低コストで簡単にネットショップが開けますよ〜というサービスなわけですが、コロナで実店舗だけではリスクがあることを感じた多くの企業が、急遽このような簡易なサービスを導入し、小売のEC化が進んでいる現状ということが記事の中身でした。

消費者にとって、これまで実店舗へ行かないと買えなかった商品も、様々な小売商品がネットでも買える状況になるのはいいことです。

提供側の企業からは、先にも申し上げた通り、異なった販売チャネルを複数持つことでコロナのような危機的状況を回避したり、売上補完できる大きなメリットがあります。

小売業は「実店舗×EC」が基本でなければならない時代が、否応なく訪れたのです。

では今後どうなっていくのか。

Withコロナの状況下では、ネット通販として出店さえすればそれなりに売れる状況にはあるでしょう。

しかし、これまで以上に一気にネットショップが増えますので、Afterコロナになれば競争激化から淘汰が始まるのは間違いありません。

いままでネット販売に否定的だった経営者は「ネットなんて実店舗に比べれば全く売れない。EC事業の担当者は誰かがついでにやっていればいい。」でした。

実店舗も開業当初から、そんなに沢山売れたのでしょうか?

なんの苦労もなく売り続けられたのでしょうか?

決してそんなことはないはずです。相当な営業努力や投資、人材育成、マーケティングなどを行ってきているはずなのです。

EC、ネット通販も、実店舗と同じように一つの立派なお店であり、実店舗と同じように営業努力や投資、人材育成、マーケティングが必要なのです。すでにさらなる競争激化が起きてきている訳ですから、もっともっと必要です。

ここで一つ、実店舗では実現がなかなか難しい、EC・ネット通販の最大メリットを述べておきます。

EC・ネット通販は、お客様と双方向のコミュニケーションをとることができ、実店舗のように実物が見れない分、提供者の価値や商品の良さをダイレクトに伝えることができ、消費者の想像を掻き立てて、固定的なファン化につなげやすいこと。

メルマガなどでダイレクトメッセージを出して、自社サイトに誘導がしやすい、これもEC・ネット通販ならではのメリットもあります。

そして私の専門であるギフトでは、さらにシーズナルイベントというコミュニケーションを強くするための大きな武器があります。

1月成人の日、2月バレンタイン、3月ホワイトデー、5月母の日、6月父の日、7月お中元、8月帰省、9月敬老の日、10月-11月お歳暮、12月クリスマス、年末年始のご挨拶。

このようにほぼ毎月、年間のギフトイベントを通して顧客への案内やコミュニケーションを図ることができるのです。

さらにライフイベント(誕生日、結婚記念日、冠婚葬祭、入進学、還暦古希など)まで加えると、おおよそ100種以上のギフトイベントがあるのです。

しかも、ギフトでは安売りする必要がないどころか、しっかり価値のある、それなりの値段のものを買われるのです。

これからの小売は、D2Cでなくても、ECをはじめとする通販チャネルは欠かせません。

あなたの会社はそこでどう真剣勝負をしますか?

どう競合他社と戦っていきますか?

 

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