ITの苦手な社員を説得する方法 | 日本コンサルティング推進機構

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ITの苦手な社員を説得する方法

SPECIAL

マインドシェアNo.1ブランドコンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGsのフレームワークを活用し、顧客にも社員からも永く愛される「マインドシェアNo.1ブランド」確立のための社内体制を構築する。会社の哲学、商品・サービスの優位性を明確にし、社員の意欲を引き出して、顧客のファン化を後押しするスペシャリスト。顧客と社員の双方の満足を循環させるES-CSチェーンを土台に、競合との圧倒的な差別化をはかり、会社のステージを上げたい企業から絶大な支持を集めている。

先日、ある社長と話をしていて、社内のIT導入をさらに進めたいが、年配社員の抵抗が大きいという愚痴を聞くことになりました。 

業務の効率化をはかるためには社内全体のIT導入をもう一歩進める必要がある。コロナ禍で事業の転換を図らなければいけない時なのに、どうしても受け入れてもらえない。「どうしたら、こういう人たちに意識を変えてもらえるんですかね」と言うわけです。

誰でもそうですが、他人から「意識を変えて欲しい」と言われることほど嫌なことはありません。それは現状のその人が否定されることと同じ。上から目線に対する抵抗、自分とこれまでの実績をないがしろにされた怒りなどが渾然一体となって、強い抵抗感として現れます。

以前、消臭剤を販売している会社の社長と話をしている時に、消臭剤を売るのがいかに難しいかを教えてもらいました。「この消臭剤とてもいいですよ」と売り込むことは、「あなた臭いですよ」と言うことと同じなので、相手はまず拒絶反応を示す、と。

そこで、その社長は、「あなたが素敵だと思う香りを際立たせるために、その他の雑臭を消しておいたほうがいいですよ」という言い換えをすることにした、と言います。

つまり「マイナスをプラスにする」という言い方は、「今のあなたはマイナスである」というのと同義なのでNG。「プラスをさらにプラスにする」というのであれば、「あなたはすでに素晴らしい」と承認することになるので、受けられやすいというわけです。 

IT導入に抵抗を示す社員は、ただでさえITが苦手で、できれば一生関わらずに会社人生を全うしたいわけです。若い社員の前で「ITが苦手」という事実が露呈すること自体、「死んでも嫌だ」という人もいるかもしれません。

確かにある一定の年齢を超えると新しい知識や技術の体得に及び腰になるのも納得できます。だからといってそのまま放置すると、会社に悪影響を及ぼすことも容易に想像できます。 

対策はあります。たとえば、丁寧に説明することです。なぜ会社がITを導入して業務効率化を図らなければならないかを順序立てて説明する。そして、「社歴も長く、経験も豊富なあなたに是非協力していただきたい」と熱く語るのです。「障害があるようなら教えてほしい」と具体的な問題点を聞き出す方法もあります。 

「意識を変えてほしい」と言った途端に、敵対関係が生まれます。敵対関係が生まれたら、相手は心のシャッターをガラガラと締めて、そこから先は、表面的で実りのない会話が続くだけです。

そのかわりに「あなたの協力が不可欠です」と言う。これで、同じ方向を目指す同志の関係へと歩み出せます。

何か物事を成し遂げようと思ったら他人の協力がどうしても必要です。そのとき、相手の状況や気持ちを汲む手間を惜しんで、ことを仕掛けると、関係が崩れてしまう。協力関係を作りたいのに、敵対関係を作ってしまって、物事が進まなくなってしまうのです。

さて、話は少し変わりますが、SDGsの基本的な考え方のひとつに「誰も取り残さない」というものがあります。IT導入を進めると、ITの苦手な社員が取り残される。ITの苦手な社員を放置すると、IT導入が遅れて会社の競争力が損なわれる。あちら立てればこちら立たずのトレードオフ状態ですが、SDGsの文脈で読み解けば、ここに新たなビジネスチャンスがあります。

解決不能として永らく放置されている問題があったらチャンスです。その解決策から新しいビジネスのタネを見つけるために、ぜひ一緒に考えましょう。

 

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