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作ったシステムに潰される?システム担当者が忙殺される事態を防ごう

鈴木純二
SPECIAL

顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント

ベルケンシステムズ株式会社

代表取締役 

顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。

鈴木純二

「鈴木先生、実はご相談したいことがあるのですが・・・」と何やらお困りの様子の社長からの電話でのご相談。お聞きしてみると「各部門からのシステム担当者に対する評判が悪く困っている」とのことでした。このようなご相談の時、大抵の場合は「システム担当者が過去に作ったシステムに押しつぶされている状況」と言えます。それはどの様な状況なのか…

例えば、以下の様な有様が目に浮かびます。

1)過去作ったシステムのデータ運用の仕事が煩雑で、それに忙殺されている

2)単純にシステムを維持するための技術的な操作だけでもかなりの手間がかかっている

3)使い方の問い合わせに対応するだけでも手一杯な状況

4)過去作ったシステムの機能を遙かに超える要求を出されていて対応に苦慮している

どれもこれも、システム担当者の工数と負担を強いており、無理に命令しても解決できるものではありません。これら4つの困りごとは以下の様に分類されます。

①過去システムを作った時に、その運用の手間をきちんと考えなかった
  例:「この程度なら手動で操作しますので、ソフトウェアでの実現は不要です」といったやりとりがあった

②システムを全社で使いこなすための体制構築ができていなかった
  例:「何かあったらシステム担当に対応を依頼してください」の一言が社内に流布されている

③システムへの要求が時代とともに大きく変化し、現システムの機能では根本的に対応できなくなっている 

①、②については、システムを立ち上げる際に注意していればこのような問題にはなりません。特に「システム運用の為の全社体制構築」は非常に重要で、これがうまくできないと、システム化は全く進まなくなると言っても過言ではありません。

③はとても複雑で難しい問題です。「数年前はこれで良かったのだが、業態と業容が大きく変わった結果、当初考えてもみなかった機能が必要となっている」という状況なのです。これはいくらシステム担当者が頑張っても回避しえない問題であり、これこそ経営層が細心の注意を払うべきことなのです。

例を一つあげてみましょう。A社は卸売業の会社でした。5年前、受発注・在庫管理のシステムを導入しました。当初はうまく使いこなすことができていて、社員全員がほぼ満足していました。ところが2年前、ある大手のお客様から「この部品とこの部品を組み立ててから納品してくれ」と言われました。仕方無く倉庫の片隅に作業テーブルを入れて、そこで組み立て作業を開始しました。ところが扱う部品が多くなるにつれ、製品在庫や、組み立て工数の管理までもが必要となってしまいました。そこで仕方なくそれらをExcelで管理するようになりましたが、システムは相変わらず動いているため、システムとExcelの間でのデータの連係を手動でやらざるを得なくなり、極めて手間がかかるシステム運用になってしまいました。と同時に、現場からシステム担当者に「生産計画機能が必要だ」との強い要望が出ましたが、もともと受発注・在庫管理しか機能を持っていないソフトウェアなので、システム担当者はその要望を全く聞き入れることができないまま2年経過しました・・・

いかがでしょうか?例示で終わるコラムになりましたが、これは実在の会社で起きたことですし、しかも、全く同じことがあちこちの会社で発生している典型的な例です。このような事態に陥ることを避けることができるのは、社長及び経営層の方々しかありません。業種業態を変えるのは、大抵の場合経営者ですから。。。

経営層がシステムに対して関与する必要性と必然性、少しでもご理解頂ければ幸いです。

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