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あらゆる事象を自社と結びつけて考える

SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社

代表取締役 

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

事象を自社と結びつける

先日クライアントさんとの打合せで乃木坂に向かっていた時のこと。いつも利用する京王線の車内表示版に「小田急線は人身事故で止まっています」とのお知らせが出ていました。

その時は「今日は小田急線に乗らないから関係ないや」と思っていたのですが、表参道駅で地下鉄銀座線から千代田線のホームへ移動した時、「千代田線は小田急線内の事故の影響で電車に遅れが出ています」との表示が出ていました。

つまり、小田急線の人身事故→小田急線のストップ→小田急線に直通運転している千代田線の遅延という流れになります。幸い早めに出ていたので、アポイントには間に合いましたが、当初は「自分には関係ないや」と思っていた事象が実はかなり深く関係していたことを後になって気づきました。

我々は日々多くの情報に接していますが、大半の情報については何の興味も関心もわきません。いわゆる「無関心」です。

でも、もし当日小田急線に乗って箱根に行こうと思っている人が小田急線が止まっているという情報に接したら、「何時頃に動き出すのだろう」、「予約した特急券はキャンセルできるのかなぁ」と関心を持つことになります。いわゆる「認識」です。

次に、私は鉄道好きなので、「小田急線のトラブルでなぜ千代田線が遅れてしまうのか?」は気になりませんでしたが、鉄道に関心のない人は不思議に思うかもしれません。これは「疑問」です。

また、「なぜ京王線では小田急線のストップだけ知らせしていたのか?」について「疑問」に思う人がおられるかもしれません。そして、京王線の車内で小田急線の遅れを案内しているのは、振替輸送の対象路線となっているためです。これは「深掘り」です。

これらを踏まえると、次のことが想定されます。「小田急線が止まった影響は他にも及んでいるのではないか?」

首都圏にお住まいの方はお気づきかもしれませんが、地下鉄千代田線は小田急線に乗り入れている一方で、JR常磐線にも相互乗り入れを実施しています。このため、もしかすると、神奈川県内で起きた人身事故が千葉県や茨城県の電車の運行にも影響を与えているかもしれません。これは当日確かめた訳ではないので、あくまで「仮説」です。

ネットワークや連携が密になっている昨今では、「自分には関係ないや」と思っていたことが意外なところでつながっていることがよくあります。

今の円安に対して原材料を輸入している会社以外の経営者は関心が薄いかもしれません。でも、その輸入会社から広告宣伝を委託されている会社であれば、円安→原材料価格の低下→利幅の増大→広告宣伝費に回す余力あり→取引を増やすチャンスということも考えられます。

無関心→認識→疑問→深掘り→仮説のプロセスを経ることによって、目の前に起きていることと自社とのつながりを意識することになります。

比較的身近で起こったことについては認識することまではできるかもしれません。しかし、そこから一歩踏み込んで疑問を抱き、深掘りし、仮説を立てるところまで進まないと、今現実に起きている事象が自分にどういう影響を及ぼすのかを把握できません。

情報がいろんなところとつながり、国内と海外とも境目がなくなりつつある現代。無関心は大きな罪です。

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