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会社のステージを上げたい!と考えた時に、最初に見直すものとは?

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

私がコートを脱ぎ、座るのを待って、H社長は話し始めました。
「先生、この一つをどんどん増やす状態って、最高ですね。」

H社は、ある業界向けの店舗パッケージのFCを展開しています。
FCというだけに、「自社で開発した勝ちパターンを、有料で提供する事業」です。1社増えれば、その分、「固定のような売上げ」が増えることになります。

その事業開発を始めて4年目が経っています。
100店舗が目前です。このうちの25店舗は、この半年で獲得した加盟先です。

次は、早期の200店舗を目指すことになります。(向こう一年で近くまで行けるはずです。)この段階になると、キャッシュも潤沢になり、やれることが増えます。その「やれることを、やらないこと」が、重要になるのです。


何度も、このコラムで申し上げている通り、
年商とは、単価×数になります。

単価とは、「ひと塊」の商品やサービスの価格となります。
それをいくつ売るかで、年商が決まります。

500万円の工事を、年間に10件やれば、年商は5000万円になります。

この年商5000万円が、今期の目標として満足できるものであれば、受注10件に取り組むことになります。
「今期の目標は、10件!」と号令を社内に発します。

この10件という数字が、管理者や社員の頭と体を動かすことになります。
具体的な件数は、具体的なイメージに繋がります。10件の受注のためには、見積りが50件必要になります。見積り50件ということは、月に平均4件の見積りを獲得すればよいことになります。
その結果、「今月4件の見積りを取るぞ!」という単月度の目標になるのです。

もし年商5000万円で足りないのであれば、件数を再度考えることになります。10件でなく、100件にできれば、年商は5億円になります。

しかし、気づきます。100件の工事をやることは、現実的ではないと。
いまの自社のエリアでそれだけの案件は無いのです。また、そのためには、見積りを500件やる必要があります。それだけの数の施工や見積りをするのは、無理なのです。

工事単価を上げる必要がありそうです。
今の一工事500万円を5000万円にすれば、10件で同じ5億円になります。これであれば、なんとかなりそうです。

5000万円の工事を取るためには、いまの顧客を相手にしていてはいけません。もっと大きな工事単価を発注する先を「顧客」にする必要があります。今期の目標は、「5000万円級の工事を発注する顧客の開拓」になります。

上記を実際に実行した事例を、私の著書(白い本)で紹介しています。
その会社は、年商8億円が、4年で28億円になりました。
この伸びを実現するのが、単価の力なのです。同じ単価をやっている限り、この様なスピードある成長はないのです。


『我社の単価』を設定することが必要です。
当社は、どんな『単価』を追っていくのか。
500万円をどんどん増やすのか、それとも、5000万円を増やしていくのか。それを決めることです。その時期には、必死にそれを追っていくのです。

そして、いまのステージを変える時に、『単価』を見直すことになります。
多くの場合、自社のステージを上げるためには、「単価の見直し」が必要になるのです。

飲食店の場合、通常「単価」と言えば、客単価を指します。
一人の顧客が、いくら店で使うか、というものです。
一店舗での売上アップに取り組むステージであれば、それでも問題はありません。「新規の来店者を増やす」、「リピート客化を図る」など、客数を増やすことに取り組みます。

そして、いよいよ店舗を展開していくという時には、単価の設計を見直すことになります。一店舗が単価になります。
一店舗の年商が8千万円。その店舗をどれだけ増やすかに取り組むのです。10店舗出せば、8億になります。

先の建設業では、「500万円の単価の工事を増やす」を、「5000万の単価の工事を増やす」に変えることをしました。
他には、「一社あたりの年間取引高を増やす」も検討することができます。
「年間取引額2000万円の顧客を増やす」を「年間取引額1億円の顧客を増やす」に変えることも有りとなります。

ネット通販の場合、「一回の取引額を単価に設定し、その顧客を増やす」のも、「LTVを単価に設定し、その顧客を増やす」のも、間違いではありません。あくまでも、今のステージで何を追うかということです。

そして、更なる成長を考えた時に、「いまのサイトの売上げをもっと増やすのか」それとも、「いまのようなサイトを増やすことを考えるのか」、になります。この時には、いちサイトの年商が単価になります。
どちらを選ぶかによって、その道は大きく変わることになります。


冒頭のH社は、FC店舗を増やす取組みをしています。
向こう一年で200店舗まで持っていきます。

「一つをどんどん増やす状態って、最高ですね。」
H社長の言葉は、正に、なのです。
一つの商品をより多くのお客様に提供することができます。また、一つの業務を単純に繰り返すことが多くなります。
売上げがどんどん増えていきます。その分また、効率化を進めることができます。

成功する過程で、より多くがこそぎ落とされていきます。
よりシンプルになっていくのです。
H社長が、立派なのです。その重要性をよく解っています。多くの誘惑に打ち勝ち、シンプルを保つ、そして、更にシンプルにしていく意思決定を繰り返しています。

成功するほどに、より多くの誘惑が寄せられることになります。
経営者仲間は、言います。「こういう商品を投じれば、もっと売上げを増やせるよ。」
コンサルタントや専門家も言います。「このような集客方法がありますよ。」
銀行の担当者も協力を申し出てくれます。「こういう企業を紹介できますよ。」
そして、優秀な社員が提案もしてくれます。「社長、こういう事業をやらせてください。」

その意見はどれも正しいのです。そして、良かれと思って言ってくれているのです。それを、やれば、売上げは増えることになります。しかし、その分、複雑化することになります。
一つ顧客を増やせば、その分、複雑化することになります。一つ販路を増やせば、分散することになります。スピードが遅くなるということです。
何かを増やせば、それだけ重くなるのです。

世の多くの会社は、簡単に、何かをやり始め過ぎるのです。そこで絶対に考えなければなりません。「これをやり始めることで、何を失うのか。」
何かをやるということは、何かを犠牲にしているという認識が絶対的に不足しているのです。
その結果、「良かろう」と見えるものを取り入れ、身重になっています。そして、「成功し損なう」という状態に陥っているのです。

H社長は、いま自社が何を優先するべきかを十分に分かっていました。
この日のコンサルティングでも、多くのアイディアが出ました。
・加盟店の満足度向上のために、勉強会や交流会の企画を行う。
・過去の加盟をしなかった会社に、再度フォローの営業をかける。
・新たなオプションサービスを、加盟店に提供する。

どれもやれば、良さそうなものばかりです。しかし、H社長は、それら多くを「やらない」と決めたのです。「今は、単価をいじる時ではありません。数を追う時です。」と言われました。

この日、決定した施策は二つです。一つは、「紙の資料を、完全デジタル化をする」、もう一つは「自社でやっている発送業務を、外注化する」でした。これにより、更にシンプルになります。更にスピードをあげることができます。

この日の最後に、H社長は、言われました。
「先生、ありがとうございました。どうしても、色々やろうと考えてしまいます。ぶれずに最速で200店舗まで、行きたいと思います。」
コンサルタント冥利に尽きる言葉です。

経営には、複雑化の誘惑はつきものです。それは、特に、ある程度「見えた」時にやってきます。その時に、どう考えるかが、道を分けることになります。

その多くに対し、成功する経営者は、ノーと言います。
その結果、よりシンプルになっていきます。そして、更にシンプルにすべく、削っていきます。
商品も販路も減らしていきます。また、目標も絞っていきます。その他多くを捨てていきます。その結果、社内の業務もシンプルになっていきます。社員は、一人一役、一ミッションになっています。

その多くの誘惑に対し、イエスと言えば、この逆になっていきます。
その結果、より複雑化させることになります。その分スピードは遅くなり、停滞に陥ります。それに焦り、更に、他に手を付けようとします。
新しい商品、新しい販路です。社員は多くの業務に忙殺されることになります。

シンプルになっていっていると感じられる時は、成功に近づいていると考えて間違いはありません。逆に、複雑になっていっていると感じる時には、成功から遠ざかっているということになります。

 

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