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早期リタイアしたい?したくない?

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

先日、とある地域のアパレル店をご支援させていただきました。コロナ禍で厳しくなった現状を脱するため、今後の展開をどうするか‥というご相談です。ちなみにこれまでも同様のご相談は多く承っており、店舗移転によるコスト削減、ネット通販への参入、あるいは思い切って閉店‥など、店舗により様々な打ち手を組み合わせ、窮境を乗り越えるお手伝いをさせていただきました。

さて、今回の店舗経営者は80代。一般的には高齢と言われる世代の方です(見た目は全くそう見えません。相当お元気です)。コロナ以前に、年齢的にも店舗経営を続けるか否か難しい時期で、ご自身もそれを強く感じていらっしゃいました。

結果的には、お店を続ける方向で話がまとまりました。今回ヒアリングする中で、これまで経験された30年以上のお話をお聞きしていると、苦労も多かったものの、本当にこの仕事が「好き」であることが感じられました。

ご自身は店舗の縮小や撤退も頭の中にあったそうですが、何より顧客のため、また自分自身の生きがいや健康のため、やめるよりも続けた方がよいと結論に至りました。また、厳しい環境とはいえ財務状態が健全であったことも、店舗を続ける後押しとなりました。

そもそもコロナ禍以前から厳しいアパレル店は多く、財務状態がお世辞にも良いとはい言い難い店舗が大半を占めています。その中で、毎月仕入れを行い、しっかりとシーズン中に消化し、不良在庫もほとんどない状況を維持するのは、なかなかできることではありません。

もちろん、年齢的なリスクはありますので、万一の際の対策は打つべきです。しかしそれ以外は無理にやめる理由もなく、むしろやめた方がご自身、関係者にとってあらゆる問題が引き起こされかねない印象を私は持ちました。

「健康で、好きなことができる幸せ」は誰にとっても大事なことではないでしょうか。無責任にダラダラと続けるのは問題があります。しかし、自分で責任を持ち、やりたいことをやる。結果、自分も含めた関係者全員がハッピーになれるのであれば、これに越したことはないと私は思います。

世間では、経済的自立できる環境を整えたうえで早期リタイアするFIRE(Financial Independence, Retire Early)的な生き方が注目を集めています。特に否定することはありませんが、私は直接的に人と接し、役に立つ仕事を続ける方が好きです。こちらの方が心身ともにベストな状態になると考えています。

もちろん、FIREも単に悠々自適な生活というわけではないでしょう。資産運用をメインに、副業などの勤労収入と合わせて生活するサイドFIREというスタイルもあるそうです。ともあれ、体が元気なうちにリタイアする考えは私にはありません(同じ仕事を続けていくというよりも、常に新たなステージを目指す意味です)。

私の勝手な印象ですが、FIREを目指している人は今の仕事が嫌い、あるいは好きではない人が多いように感じます。今回のアパレル経営者に関しては、多少はきついこともあるかもしれませんが、人から頼りにされ、張り合いのある仕事、人生になっているなと感じました。

「小人閑居して不善をなす」の言葉通り、人間は暇だとロクなことになりません。また、やりたいことだけやっていても、すぐに飽きます。良い人生を送るためには、私はある程度のストレスは必要不可欠なものだと思っています。ある程度のストレス(やりたくないことや面倒くさいこと)を感じつつ、自分が好きな、やりたいことをやるのが私にとっては心地良い環境です。

経営者の皆さん。張り合いのある仕事ができていますか。ワクワクするビジョンが見えているでしょうか。何かを始めるのに遅すぎることはありません。ぜひ、次の目標を目指して張り合いのある人生を送りたいですね。

 

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