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会社のステージを上げる時、体で稼ぐ会社から、頭で稼ぐ会社に変わる。その時、求める人材も変わる。

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

変革に着手し2年半、運送業H社は、「人」の問題に直面していました。
私のスケジュールの空きがないため、夜一杯やりながらの相談会になりました。

「先生、先日お話した社員2名の事なのですが。」

運転手の中から比較的に頭を使えそうな社員を選び、仕組みづくりに参画してもらうことになりました。そのお二人とも齢は40前後です。

私は、「いかがですか?」と御聞きしました。
H社長は、答えます。
「なかなか進んでいません。このまま続けていて良いものでしょうか?」
そして、ビールを一口飲み、次の言葉を発しました。
「先生、彼らは育つのでしょうか?」

私は、少し間を置き、答えることにしました。
「無理かもしれませんね。」


人には特性があります。
明るかったり、暗かったり。論理的だったり、感覚的だったり。
犬が好きだったり、ネコが好きだったり、爬虫類が好きだったり。
そして、暑さに強かったり、寒さに強かったり、両方に弱かったり。

誰しも何かしらの特性があります。
この特性が、その環境(役割やミッション)に合っている時に、「適性がある」ということになります。

評価とは、その環境との相性であり、その環境の中での評価になります。決して、その人の人間的な価値を表したものではありません。個人の生き方としては、その自分の特性を活かせる環境を選ぶことが重要になります。そちらのほうが、楽に、そして、楽しんで、結果を出すことができます。そして、その習得も早いのです。

人の特性の一つに、「頭を使うのが好き」と「体を使うのが好き」というものがあります。この特性は、やはりその人の生き方に、大きな影響を与えることになります。

この特性によって、子供時代の遊び方や付き合う相手が決まってきます。
ある子は、読書や将棋、そして、コンピュータープログラムに没頭しています。そして、友達とも、ボードゲームで遊んでいます。
ある子は、スポーツが大好きで、小さい時からサッカーのクラブチームに入り、活躍しています。そして、友人との遊びも、もっぱら外です。

小さい時から「頭」か「体」か、どちらを使うのが好きか、がそのまま選択に現れるのです。
そして、それは自分の仕事選びでも、大きな基準になります。

頭を使うのが好きな子は、大人になり、自然と「頭を使う仕事」を選ぶことになります。
逆に、体を使うのが好きな子は、大人になり、当然のごとく「体を使う仕事」を選びます。

逆を言えば、どんな仕事を選んだかによって、ある程度、その人の特性が、「頭」か「体」のどちらにあるのかを予測することが出来るということです。
当然、これが100%ではないことを、この早い段階で確認しておきましょう。それは、育った環境で有ったり、その時の友人や教師などの影響も多分に受けていたりするからです。

頭を使うことが好きな人は、次のような職種を選ぶ傾向があります。
企画を伴う営業、エンジニア、プログラマー、事務職、設計、生産管理、多くの士業やコンサルタント。

それに対し、体を使うことが好きな人は、次のような職種を選ぶ傾向があります。
寝技に持ち込む営業、土木作業員、工場勤務、多くの接客業、整体師、美容院、保育士、そして、ドライバー。


冒頭のH社は、運送業でした。
そのため、社内には、体を使うことに適性がある社員が多くいました。
その業務の多くは、車輛の運転と荷物の上げ下ろしです。このドライバーこそが、稼ぎ手であり、H社の大切な財産です。

2年半前、H社長は、「会社を大きくすること」を決めました。この業種は、装置産業だけあって、「規模の理論」が大きく影響するのです。それで、事業モデル変換、そして、仕組化に取り掛かりました。

その当時は、社長と専務と経理2名で、内部の業務は十分に回っていました。主に社長が営業を、専務が注文対応と配車を担当していました。

取り掛かって1年が経過するころから、取引先数は増え始めました。また、その顧客1社1社が大きいため、売上げは、前年対比150%の伸びとなりました。

その取組みの中で、H社長は痛烈に感じるようになっていました
「先生、いまの当社には内勤者が少な過ぎます。」
営業、お客様対応、配車、そして、ドライバーの教育担当、何もかもが足りないのです。
「仕組みも全くありません。そういう意味でも、内勤者を増やす必要があります。」

そこで、H社長は、ドライバーの中から内勤に移ってくれる社員を募集したのでした。
その求めに応じた社員は、ゼロでした。
H社長は、この時には、この現状をそれほど深く考えませんでした。それではと、勘のよさそうな社員を、一本釣りしていったのです。その結果、4名の社員が内勤に移ることになりました。

それから半年が経つ頃に、4名のうち2名が、辞表を持ってきました。その理由を訊くと、正直に「ドライバーに戻りたいから」と答えてくれました。
その1名は、それを認めることで退職を食い止めることができました。もう1名は、会社を去っていきました。

残った2名は、それぞれ注文対応と配車担当として、頑張ってくれています。
そして、その業務の合間に、H社長と一緒に、マニュアルなどの作成に取り組んでもらっていました。

しかし、その進みは、非常に遅いものでした。
そして、その出来上がってきたものは、落胆するようなレベルです。文章量が少ないのです。それは、文章というよりは、箇条書きの状態です。
再度打ち合わせを行い、その内容を伝え修正をお願いすると、「それだけ」が加えられて戻ってきたのです。

H社長は、「彼らを育てることができるのだろうか?」と思うようになっていました。
事前に、矢田から、「頭と体の適性」の説明は受けていました。その時には、なるほどとは思ったものの、「自分」の事例もあります。自分自身がドライバー出身であり、いまは、社長として務めることが出来ているのです。

早く答えが出したい性分のH社長です。矢田に無理を押して、時間をつくってもらうことにしたのです。それが、冒頭のシーンです。
「先生、彼らは、育つのでしょうか?」

「無理かもしれませんね。」と返ってきました。これは、ある程度予測していた答えです。
それでも、H社長は、その時には「彼らを、どうするのか」答えを出せずにいました。

それから更に3か月が経ちます。やはり、仕組みづくりは進んでいません。
そこで、矢田からのアドバイスを実行に移すことにしたのです。

H社長は、其々を呼び出し、面談をしました。そこで、訊いたのでした。
「このままやっていけそうですか?」
一人の答えは、残念ながらNOでした。もう一人からは「少し考えさせてほしい」と回答がありました。


人の特性をかえることは、そう簡単なことではありません。
それも、ある程度の年齢を重ねてしまうと猶更です。

頭を使うのが好きな人を、体を使う業務に付けるとやはり「苦手」意識を持つことになります。そこに、「苦痛」が発生するのです。
逆に、体を使うのが好きな人に、頭を使う業務に付けると同様に「苦手」意識を持ち、「苦痛」が発生します。

特性とは、その人が持って生まれた生きるための術なのです。やはり、簡単ではありません。
それでも、頑張って続けてもらうべきなのか、判断が迷うところです。

そして、それを本人が望んでいなければ猶更です。我々には、変わりたくないという人を変えることはできません。また、成長したくないという人を成長させることもできないのです。

その気を変えることが出来たとしても、それだけの時間の余裕は無いのです。


変革をすることで、いままで「体中心だった会社」が、「頭中心の会社」に変わる必要が出てきます。それは、全部と言っても良いほど、ほとんどの会社で起きる現象です。

人工(にんく)だしの工事業から、施工管理のゼネコンに変わります。数店舗のサービス業が、本部を持ち店舗を大量出店していきます。町工場がメーカーになっていきます。
この時に、体から頭で稼ぐ会社に変わるのです。

ホワイトカラーとブルーカラーという言葉があります。それほど明確に、組織内は2層に分かれることになります。そして、その会社の中心が、ホワイトカラーに変化するのです。

大きくなっていく会社では、作業層を管理する社員や仕組みをつくれる社員が、より重宝されるようになります。

そのため、頭を使う人を集めるために、事務所を都心部に移していきます。
また、採用のホームページも、そちら側の人に魅力的に見えるようなものに変更します。
そして、社内を仕組みで回すようにします。組織も整備します。そうでなければ、そのような人に選ばれることも、留まってもらうこともできないのです。

人を育てる仕組みも、その取組みも必要です。
ただし、忘れていけないことがあります。
やれるやつにやらせるほうが、断然、早いということを。

変革を終え、会社が本当の成長サイクルに入ると、それを社長はより強く感じるようになります。より強く願うようになります。
「優秀な人が欲しい。」と。

まとめ

  • 会社のステージを上げる時に、体で稼ぐ会社から、頭で稼ぐ会社に変革が起きる。
  • それに合わせ、必要となる社員の要件は大きく変わる。
  • その時に、必要となるのは、人を育てることではない。必要なのは、人の入れ替えである。
  • できるやつにやらせる。それが、適材適所ということである。

 

 

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