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経営者なら営業利益率を把握して稼ぐべし!

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銀行活用で新規開拓コンサルタント

株式会社結コンサルティング

代表取締役 

銀行活用で新規開拓の仕組みづくりを行うスペシャリスト。31年間の銀行員経験で、法人4,000社以上を担当、審査部担当者としての企業審査は1,000社超の実績を誇る金融のプロフェショナル。
売上が倍増した雑貨メーカー、バックメーカー、新事業を立ち上げた化粧品メーカー、更には海外進出に成功した事例など、累計で100社以上の会社を成功に導いた実績を持つ。

「今年も残すところあと3分の1…コロナ禍もひと段落して、世の中の人の動きやモノの動きが戻ってきているにもかかわらず、儲けにつながっていないために目標達成が極めて厳しい状況です。原材料の高騰、人件費や輸送コストの上昇など、要因は多々ありますが、どうすれば儲かるようになりますか?」──とある納涼会でご一緒した精密機械製造業の社長からのご相談です。

確かに、コロナが収束して、人流・物流がコロナ前の水準に近いところまで回復してきています。これに伴い、業績がV字回復している企業がある一方で、いまだにコロナの影響が収まらずに業績が低迷している企業も多数あります。

【コロナ後の対応について】

コロナの影響で、これまで以上に儲かっている会社と儲かっていない会社の差が大きくなってきており、今後更に格差が広がるのではないでしょうか?人流・物流の回復に乗じて、いかにして稼いでいくのか、そして利益率の水準をどのように管理して、持続的な成長につなげるかが重要であり、そのことをご理解されているからこそ、この社長のご相談になったのだと思います。

1.営業利益率について

私からは、「ところで、今期は何%の営業利益率を目指されているのでしょうか?そして、現時点での営業利益率は何%でしょうか?」と質問させていただきました。

社長からは、「はい。今期は5%の営業利益率を目指しておりますが、足元では収支トントンという状況です。このため、早急にこれまでの遅れを取り戻しておかないと、目標達成どころではありません…(汗)」とのコメントが。

この社長の会社は3月決算ですので、4〜7月の4ケ月が経過後、収支がトントンということですので、残りの8ケ月で挽回しなければならないのです。

仮に、売上高20億円で、営業利益率5%を目指しているとすれば、単純計算で8.3百万円/月の営業利益を稼げば100百万円(=1億円)で目標をクリアできます。

しかし、4〜7月の4ケ月が収支トントン(=営業利益ゼロ)で、残りの8ケ月で挽回するとなると、今すぐ12.5百万円/月の営業利益を稼がなければなりません。今すぐ稼げなければ、遅れれば遅れるほど毎月に必要となる営業利益が、その分加算されてしまうのです!

10月からなら16.7百万円/月、12月からなら25.0百万円/月、2月からなら50.0百万円/月となります。4〜7月の4ケ月が収支トントンである状況を考えれば、これがどれだけ大変なことか、経営者の皆さんであれば十分にご理解いただけることと思います。

そして、この数字のプレッシャーに負けて、原材料の高騰、人件費や輸送コストの上昇など、言い訳を並べ立てて目標を下方修正してしまう社長がどれだけ多いことか…

ご相談いただいた社長の場合、経営計画書を策定され、利益目標も社長ご自身で設定さていたので、目標を下方修正せず何としてもクリアしたいとのことでしたので、私も自然に気合いが入ります。

2.会社の利益を増加させる方法

以前にも、コラムに掲載しましたが、会社の利益を増加するには、次の4つの方法があります。(ご参考 https://www.musubu-consulting.jp/column106/

①単価アップで売上増を目指す
 ②数量アップで売上増を目指す
 ③変動費率ダウン
 ④固定費ダウン

3.目標利益を達成できない原因

逆に、経営計画書に掲げていた目標利益を稼げていないとすれば、この4つの影響しか考えられませんので、当初計画との差分を精査してみてください。

①単価ダウンで売上減少している
 ②数量ダウンで売上減少している
 ③変動費率アップ
 ④固定費アップ

当初計画との差分を精査することで、どのように対処していけばよいのかが、明確になるはずです。そして来期以降は、是非とも営業利益率12%超を目指していただきたいと思います。

4.なぜ営業利益率12%超なのか?

このように申し上げると、必ずといっていいほど、「なぜ営業利益率12%超まで利益率を向上させなければならないのでしょうか?」というご質問をいただきます。

営業利益率12%超を目指していただきたい主な理由としては、次の5つがあります。

①財務基盤を強化するため
 ②環境の変化に備えるため
 ③配当で株主に報いるため
 ④新規事業に資金を投下するため
 ⑤­M&Aで事業展開のスピードを上げるため

経営者であるあなたが、自分の会社を発展させ、持続的な成長を継続するために必要な手元資金を増やすために、営業利益率12%超まで利益率を向上させなければならないのです。

損益計算書をイメージしてみてください。営業利益のあと、営業外損益を控除して経常利益、さらに特別損益を控除して税金等調整前当期純利益となります。そして、税金等調整前当期純利益の約半分は税金として納め、残りの半分が手元に残るのです。そこから配当などを行った残りを内部留保に回すことで、はじめて自己資本が増えていくのです。

このため、営業利益率12%超といっても、最終的には思っていたほどには残りません。欲をいえばキリがありませんが、営業利益率20%超・30%超を目指していただき、自由自在の経営をなさっていただければと思います。

【営業利益率向上のポイント】

コロナ禍の影響などで、価格転嫁が難しく、原材料の高騰や人件費、輸送コストの上昇が利益を圧迫している状況が続いています。しかし営業利益率を高める仕組みを構築することで、持続的な高収益を実現していただきたく、ポイントを記載しますのでご参考にしてください。

1.高付加価値の提供と価格設定

価格競争の激しい市場で生き抜くためには、商品やサービスを高付加価値で提供することが不可欠です。

顧客が求める価値を的確に把握し、その価値を提供することで、競合他社と差別化を図ることができます。この差別化が高価格設定の基盤となり、営業利益率の向上に繋がります。

  • 顧客のニーズを徹底的に調査し、市場動向を把握することで、競合他社との差別化ポイントを見つけましょう。
  • 商品やサービスに独自の価値を追加し、顧客に提供することで、価格競争からの脱却を図りましょう。
  • 価格設定において、提供する価値に見合った価格を設定することで、高い営業利益率を維持できます。

2.営業利益率を高くする仕組みづくり

営業利益率を12%超えるためには、効率的な経営が不可欠です。

コスト削減だけでなく、生産プロセスの最適化や効率的な人材配置など、組織内の全ての要素を見直すことが求められます。

また、顧客満足度を向上させることでリピートを促進し、収益の持続的な成長を支える仕組みを築くことも重要です。

  • 経費の分析と見直しを行い、無駄なコストを削減することで、収益を最大化します。
  • 生産プロセスや業務フローの最適化を進め、効率的な運営体制を築きます。
  • 従業員の能力を最大限に引き出すための教育・研修プログラムを提供し、チームのモチベーションを高めます。

3.自走する組織の構築

経営者の負担を軽減し、組織全体で業績を向上させるためには、自走する組織(従業員が自ら考え、対話し、行動する組織)を築くことが大切です。

明確なビジョンと目標を共有し、各メンバーが自律的に業務を進める企業文化を醸成することで、経営者の時間とエネルギーを戦略的な活動に集中させることが可能です。

  • ビジョンや目標を社内で共有し、メンバーの意識統一を図ります。
  • 情報共有やコミュニケーションの仕組みを整備し、組織内の情報の滞りを防ぎます。
  • メンバーに適切な裁量権を与え、自律的な判断と行動ができる環境を作ります。

4.コロナ禍の影響への柔軟な対応

コロナ禍の影響がまだ残る中、市場環境は依然として不確定な要素を含んでいます。変化に対応し、柔軟な戦略を取ることが求められます。

市場の変化や顧客ニーズの変動に敏感に対応し、迅速な判断と行動ができる体制を整えることが重要です。

  • リスクマネジメントのプロセスを確立し、変動する市場環境に対する戦略を策定します。
  • 予測不能な状況に対応するためのシナリオプランニングを行い、迅速な対応ができるよう準備します。
  • 顧客の変化するニーズに敏感に反応し、新たなビジネスチャンスを見逃さないよう心掛けます。

5.戦略的なリーダーシップと実行力

営業利益率を12%超えるためには、経営者の戦略的なリーダーシップと実行力が欠かせません。

ビジョンを持ち、目標に向かって組織全体を導くことで、メンバーは意欲を持って働き、目標達成に向けて努力します。さらに、定期的な成果の評価と改善サイクルを設けることで、持続的な成長を支えます。

  • 経営者はビジョンを示し、目標を明確に設定することで、組織の方向性を定めます。
  • メンバーとの透明なコミュニケーションを図り、共感を得て協力体制を築きます。
  • 目標達成に向けた進捗を定期的に評価し、必要な修正や改善を行うサイクルを確立します。

これらのポイントを組み合わせて、儲かるビジネスモデルと自走する組織を築くことで、営業利益率を12%超える目標を是非とも達成してください。経営者の皆さまがこれらのポイントを検証・実践することで、持続的な成功を収める手助けとなることを願っております。

【まとめ】

  • コロナ禍の影響もいまだ続いており、利益目標達成が難しい企業が多い。
  • 儲かっている会社と低迷している会社の差が広がっており、格差がさらに拡大する可能性が高い。
  • 営業利益率を把握し、管理して持続的な成長に結び付けることが重要。
  • 利益率を向上させるためには、単価アップ、数量アップ、変動費率ダウン、固定費ダウンなどの方法がある。
  • 目標利益を達成できていない場合、単価ダウン、数量ダウン、変動費率アップ、固定費アップが要因として考えられるので検証要。
  • 営業利益率12%超を目指す理由は、財務基盤強化、環境変化への備え、株主への報酬、新規事業資金、M&Aスピード向上など、自由自在な経営をするためである。
  • 高付加価値の提供と価格設定、効率的な経営、自走する組織構築、柔軟な対応、戦略的なリーダーシップが営業利益率向上のポイント。

これらのポイントを組み合わせて、持続的な成功と高収益を実現するための戦略を構築してください。

経営者の皆さまにとって、高付加価値・高単価での儲かるビジネスモデルの構築と自走する組織の育成は、営業利益率の向上に不可欠です。変化する市場に適応し、高付加価値を提供することで、競争力を維持し、収益を拡大していくことが可能となります。自社の強みを最大限に活かし、成功の道を歩みましょう。

最高経営責任者であるあなたは、どのようにして持続的な成功と高収益を実現するための戦略を構築されますか?

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