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オーナー企業の強みを生かす

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

 当社のクライアント企業を含め、中小企業には株式の所有者又はその一族が経営する、いわゆるオーナー企業が多く存在します。非オーナー企業の典型は、株式が上場されており筆頭株主の影響が限定的な大企業ですが、大企業の系列下にある下請け企業もまた、独自性の発揮が難しいという意味で今回の対象にはやや含めづらい面があります。モデル的には「社長が全株式を持っている」といった町場の中小企業を想定します。

 

 そうした企業の強みは、社長のイニシャチブで思い切った経営戦略をスピーディに取れることです。大企業に多く見られる非オーナー企業でも、思い切った経営戦略を取ること自体は可能な建付けになっているはず、ではありますが、①誰がそれを言い出すのか、②意思決定にはどのくらいの手間と時間がかかるのか、③結果責任は誰がどう負うのか、と言った点において、いわゆるオーナー企業に比べるとどうしても難しい要素が残ってしまいます。

 

 たとえば人を採用する場面において、オーナー企業であれば経営者の思想信条に合った人を採用することで会社の一体感を強めることができます。非オーナー企業の場合には、経営者は有期で比較的頻繁に交代するので、必ずしもオーナー企業のような人選ができるわけではありません。勢い、学校時代の成績や経験、入社試験の出来などを基準に採用することになりがちです。そうした人材が会社に対して高い忠誠心を発揮してくれるかどうかと言うと、「新卒社員の3割が3年以内に転職する」と言われる現状が結果を物語っていると言えるでしょう。

 

 オーナー企業の強みは、そんな場合に思い切った施策を絡め合わせることで人財の定着化を図ることができる点にあります。欧米の大学で採用されている「サバティカル休暇」のように、7年ほど連続して働いたのちに、半年から1年程度の有給休暇を認めたり、その際に事業に関わる研究開発などに従事する場合の費用を会社が負担したりすることも、オーナー企業であれば比較的スピーディに実現可能です。

 

 入社6年目に大学に戻り、修士号を取得する、その後復職してさらに6年働けば今度は博士号が取れるといった「人事制度」も、オーナー企業であればかなり柔軟に検討することができるのではないでしょうか。そうした制度を強みとして、大企業に勝るとも劣らない採用を実現している中小企業も出てきています。中小だから良い人材が取れない、ではなく中小だからこそ良い人材を集められる、という面を、ぜひ生かして明日への原動力を高めていただきたいものだと思います。

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