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急成長する医療機器市場で勝機をつかむ ―臨床医との協業で拓く新規事業機会―

SPECIAL

ヘルスケアビジネス参入コンサルタント

株式会社ヘルスケアビジネス総合研究所

代表取締役 

ヘルスケアビジネス専門のドクター資格を持つ異色のコンサルタント。東北大学医学部医学科を卒業後、医療技術・ソリューションの発展に尽力することを決意。ジャパンバイオデザイン・フェローシッププログラム(スタンフォード大学発のシリコンバレー流医療機器イノベーションプログラム)参加などを経て、主にヘルスケア市場参入の支援機関、株式会社ヘルスケアビジネス総合研究所を創設。
これまで東証プライム上場企業を含む40社以上に対して新規事業・開発の指導および支援経験を持ち、ヘルスケア事業部の立ち上げも支援。2016年から2023年までのバイオデザインプログラム(年に1チーム最大4名)で関わった起業案件は5社、知財出願は4件、助成金獲得6件に達し、0→1の指導における高い再現性に定評がある。

こんにちは。ヘルスケアビジネス総合研究所の原です。

医療イノベーションの現場から

先日、ある意欲的な臨床医から興味深い相談を受けました。

「重症患者さんの命を救える新しいアイデアがあるんです。でも大学での医療機器開発セミナーに参加してみたら、薬事承認まで最短でも3年から5年以上かかると聞いて。そこまでの時間をかけて実現できるのか、正直心が折れそうです。でも、この課題を解決できる企業と出会えれば、きっと多くの命を救えるはずなんです」。

このような相談は決して珍しいものではありません。実際、当研究所では月に数件のペースで類似の相談を受けています。多くの医療従事者が革新的なアイデアを持っているにもかかわらず、事業化への道筋を描けずに躊躇している現状があります。

医療現場と開発現場の構造的な隔たり

医学教育において、医療機器の開発や事業化についての体系的な学習機会はほとんど提供されていません。そのため、医療従事者が開発に携わる機会は、偶発的な出会いや個人的な努力に依存しているのが現状です。

多忙な臨床業務の傍ら、独学で開発や事業化のノウハウを習得しなければならない状況は、医療イノベーションの大きな障壁となっています。ここに開発者・事業者側からの適切なサポートがあれば、医療技術開発は大きく前進するはずです。

イノベーション実現への道筋

しかし、この状況は裏を返せば、医療機器産業における新規事業の可能性が豊富に存在していることを示しています。医療現場の課題を熟知している臨床医と企業がうまくギャップを乗り越えてコミュニケーションが取れれば、画期的なイノベーションを生み出せる可能性があります。

その実現のためには、まず対話の場に積極的に参加することが重要です。医療従事者と開発企業が一堂に会する展示会、例えば現在私がパートナー探索で訪れているアナハイムのMD&M Westのような場での出会いが、新たな可能性を開くきっかけとなります。

さらに、効率的な開発のノウハウを身につけることで、アイデアから製品化までの道のりを大幅に短縮することができます。

新たな医療機器開発の展望

医療機器開発における現場のニーズと開発プロセスの間にある隔たりは、まさに新規参入のチャンスです。世界的に見ても、医療従事者発の革新的アイデアを製品化し、急成長を遂げている企業が次々と登場しています。

特に日本では、医療現場との連携がまだ十分に進んでいないことから、この分野での先行者利益を獲得できる可能性が高いと言えます。今こそ、医療現場との接点を増やし、新たな事業機会の発掘に着手する時期ではないでしょうか。

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