社員の「やる気」はいらない。必要なのは「モチベーション」!?
地方都市、この日は訪問してのコンサルティングです。
駅まで迎えに来て頂き、そこから車で40分。建設業S社へ向かいます。
当時の年商は2億円。S社長は、「年商10億」の目標を持っていました。
ハンドルを握るS社長が言いました。
「先生、うちの社員はやる気がないのです。どうすれば、やる気が出るのでしょうか。」
私は、こうお答えしました。
「年商10億と、社員のやる気は、まったく関係ありません。それどころか、“やる気”は危険ですよ。」
社長は、驚いた顔をされました。
やる気は、経営を不安定にする
年商数億の社長は、社員に“やる気”を求めます。
もっと主体性を。もっと情熱を。もっと前向きに。
しかし、ここに大きな間違いがあります。
やる気とは、『感情』です。そこには、必ず波が起きます。
昨日は高い、今日は低い、という状態です。
そして、そこに社長は、ケアや気遣いを始めます。
「これは、良くできたね」と褒めることが必要になり、
「…今日の気分はどうだろうか」と仕事を依頼する相手を、社長が気にします。
しかし、感情は、そんなことでどうこうなりません。
管理もできなければ、そこに再現性もないのです。すべてが不安定なのです。
そして、何も積み上がらなくなります。
会社に「やる気」は必要ありません。感情を軸にして考えてはいけないのです。
必要なのは、やる気でなく、モチベーション
必要なのは、モチベーションです。
モチベーションとは、個人が行動を起こす原動力や意欲のことです。
すなわち『動機』です。
“motivation” の語源は「motive(動機)」です。
業務の目的にもやり方にも納得性がある、だから守る。
役割が明確で、こなす責任がある。
お客様からの期待が高く、それに応えるために頑張る。
そして、
上司の命令であり、期限があるからやる。
怠けた時の、社長・管理者そして同僚からの厳しい目。
つまり、“環境”です。
やる気は個人の要素です、
それに対し、モチベーションとは、個人の要素ではありません。
その会社の持つ「仕組み」であり「構造」なのです。
ダメ会社は「モチベーションが低い」
良い会社とは、モチベーションが高いのです。
良い部署とは、モチベーションが底堅いのです。
何があっても、守られるものは守られます。
業務は、静かに淡々と進められていきます。
その事務所は驚くほど、静かです。
でも、そこには「底堅いモチベーション」があり、
各自がやるべきことを、やっています。
だから強いのです。
それに対し、ダメ会社は「モチベーションが低い」のです。
そして、「モチベーションが弱い」のです。少しのことで、ふにゃたれます。
S社は、「モチベーションが低い会社」だった
冒頭のS社が、まさにその典型です。
「ぜひ会社を見て指導を下さい」、と懇願されS社を訪問することにしました。
案の定、そこの「モチベーションは低い」のです。
会社全体が暗い、社員はまともに挨拶もしない、全員の動作が重くのろい。
机の上には、書類が山積み。
私は、コンサルティング初期の段階では、会社を訪問することはありません。
理由は“自分の運気が下がる”からです(笑)
もちろん半分冗談ですが、半分本当です。見たところで、やることは変わりません。
モチベーションの低い会社は、空気が重いのです。
そして、優秀な人が入っても、それに見切りをつけて、辞めていくのです。
社長が「やる気」と言った時点で、ズレている
そのS社長は、社員の「やる気」を口に出しました。
これが、根本的な間違いなのです。
その時の思考が、“人”に向いているのです。
しかし、本当に見るべきは、そこではないのです。
見るべきは、仕組みです。その結果としての、環境です。
仕組みを整えれば、自ずと職場のモチベーションは、高く強いものになります。
そして、個々のやる気にそれほど影響を受けなくなります。
ダメな人は、「保持」されるようになり、本当にダメな人が淘汰されるようになります。
大手企業は、実は「やる気」は低い
実際に、大手企業を見ると、そうなっています。
多くのその社員は、別に“やる気満々”ではありません。それどころか、多くは“低い”のです。
しかし、そのモチベーションは高いのです。
そこには、やらざるを得ない“圧”が蔓延しています。
一部、本当にダメな管理者がいる部署は別として、多くの部署には、静かな緊張感があります。そうして、大会社は、安定して回っているのです。
モチベーションは、社長の手によってつくることができる
冒頭の建設業S社は、2年後、年商3億になりました。利益率も20%が、35%になりました。そして、翌期の受注残は4.3億です。
私は、その会社を再訪しました。今度は、駅から徒歩10分。新事務所です。
そこでは、社員らがきびきび動いていました。棚はテプラ―で表記され、書類が整理されています。きびきびとした空気がありました。
変わったのは、社員の「性格」でも、「感情」でもないのです。
変わったのは、仕組みが整備されたことです。
やる気は、低くてもいいのです。
問題は、モチベーションです。モチベーションは高くなければなりません。
そのモチベーションを支える仕組みが必要です。
御社のモチベーションは高いですか?
そのモチベーションは、社長によってつくることが出来るのです。
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